その高い音楽技術を知らしめることとなった「赤い公園(あかいこうえん)。」流行に敏感な若者たちの間で話題となっている、今最もアツいバンドのひとつである彼女たちの音楽へのこだわりと、その独自の方向性とは一体何なのだろうか。
独自の世界観が話題の、「赤い公園(あかいこうえん)」。
自由な音楽性と共に、その独特のファッションが話題の、4人組ガールズバンド「赤い公園(あかいこうえん)」。2010年の結成以降、各地で彼女たちの不思議な魅力の詰まったライブパフォーマンスに虜になった人は数知れず。2012年には、レコード会社大手EMI Records Japanよりメジャーデビューも果たし、今最も注目度の高いバンドのひとつである。そして、今若者たちの間で話題となっているのが、メンバーの一人であるベースの藤本ひかり。そのルックスとスタイルが話題となり、ファンになる人も多いのだとか。なぜかメンバー全員が白装束をまとってステージに立っていることでも有名な赤い公園。メンバー曰く、なんとなく演奏が上手く見えそうで、またステージの照明に映えるからなのだそう。また衣装があることによって気合が入るという理由も女性ならではの発想なのかもしれない。衣装とステージ、そして音楽を含めたトータルの表現こそが赤い公園の魅力なのだ。
彼女たち曰く、あえて方向性を決めないのが音楽の方向性である。
その音楽性も高い評価を得ており、インディーズ時代から音楽通の間ではその作曲力、アレンジ力、演奏力に定評があったようだ。音楽雑誌「ミュージック・マガジン」での批評では、赤い公園の音楽性について「ハードコアとポスト・ロックとトイ・ポップと昭和歌謡が溶け合うことなく混在する音楽性は、あまりにも雑多で乱脈。ほとんどの曲が3分以内だが、1曲に込められた情報量は多く、変則的な構成や目まぐるしい展開で聴き手を撹乱・幻惑させる」といった評価が。その音楽をけん引するのは、主にギターを担当する津野米咲。彼女が作詞・作曲・プロデュースを手掛けており、吹奏楽経験者ということもあってか、クラシックや現代音楽のエッセンスを取り入れているのも特徴のひとつ。ジャンルに囚われない「あえて方向性を決めないのが方向性」という、自由な音楽をテーマとしている。
歪だけれど聴きやすい、圧倒的なバランス感覚をもつ、魅力的な楽曲。
あらゆるジャンルの音楽を嗜む彼女と、それぞれが好きな音楽が定まっているメンバーたち。一見すると衝突してしまいそうな組み合わせなのだが、津野が作ったデタラメなデモ音源に、他のメンバーの手が加わることにより、歪でありながらも「聴きやすい」音楽が実現する絶妙なバランスが赤い公園の楽曲の魅力。また、レコーディングでは極力オートチューンを使わないというこだわりもあり、補正されていない生の音楽を楽しむことができるのだ。一時は津野の体調不良により活動休止となったものの、2013年に活動を再開。2016年にはワンマンツアーを敢行するなど、精力的な彼女たちの活躍に注目だ。
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