2020年7月5日、あいみょんが生配信ライブ「AIMYON 弾き語りTOUR 2020 ”風とリボン” supported by 淡麗グリーンラベル」を行った。この日あいみょんは自身初となる無観客ライブで、最新シングル「裸の心」や「マリーゴールド」など、全9曲を披露。同タイトルの弾き語りツアーが中止になった影響もあり、久しぶりのライブを喜びながらも、ファンと同じ場にいることができないもどかしさも滲ませた。そこには、また満員の会場でライブができる日まで、絶対にみんなで乗り越えようという思いが渦巻いていたように思う。凝縮された45分のライブの様子をレポートしよう。
Photography_Takuya Nagamine
Text_Osamu Onuma
Edit_Miwo Tsuji
配信は予定されていた16時ほぼオンタイムからスタート。木漏れ日のさす陽だまりにいるあいみょんと、彼女がCMソングを務めるキリンビール『淡麗グリーンラベル』が映し出される。あいみょんが「終わったら乾杯しましょう!」とこちらを向いて呼びかけると、すぐに映像が切り替わり、マイクの前でギターに目を落とすあいみょんの顔が映し出された。
1曲目に披露されたのは新曲「風とリボン」。この配信ライブのタイトルであり、そして本来であれば今年の4月から5月にかけて開催されていたはずのツアーのタイトルでもある。ミドルテンポの肩の力が抜けたリズムが心地良く、あいみょんはアコースティックギターを軽快に鳴らしながらさらりと歌い上げていく。
歌い終えると、ギターを構えたあいみょんを背中から撮った映像に切り替わった。あいみょんの視線の先には放射状に広がる観客席、そして高層ビル群と豊かな緑が広がっている。その映像を見て、ここが本来のツアー日程にも含まれていた<日比谷野外大音楽堂>だとわかった。このライブに参加する予定だった人にとっては、心に迫るものがある。
2曲目に歌われたのは「ハルノヒ」。レコーディング音源とは違う少し跳ねたようなリズムの、CMでも披露されている弾き語りバージョンで、歌声に耳を傾けているとCMであいみょんがいるような緑豊かな光景が浮かんでくる。そうして聴き入っていると、2番のサビにさしかかったところであいみょんが「間違えたー!!」と絶叫。歌詞を間違えてしまったらしい。SNSでは多くの人がこのライブの感想をリアルタイムでつぶやいていたのだが、「#風とリボン」のハッシュタグで検索すると、そんなあいみょんのリアルな様子を楽しむ視聴者の様子が流れてくる。こうしたアクシデントを味わえるのは生配信ライブならではだろう。
「心臓がドクドク早くなっちゃって……。緊張してないと思ってたけど、してたみたいです。はじめての無観客ライブ、よろしくお願いします」
この日最初のMCでは歌詞を間違えてしまったことを謝りつつ、画面の向こうにいる観客に挨拶するあいみょん。そこからは「ユラユラ」「真夏の夜の匂いがする」「風のささやき」と3曲を立て続けに披露した。家で過ごす恋人との時間を甘やかに歌う「ユラユラ」、夏の夜の湿った空気感を生々しく、かつ喜劇的に描いた「真夏の夜の匂いがする」など、楽曲ごとに色とりどりの感情を声に乗せて歌い上げていく。
「風のささやき」では、うまくいかない日々に打ちのめされている無力感と、ティファニーブルーの美しい空と優しい風が吹く世界を対比して歌う楽曲が、そこにいるはずの人たちがいない空っぽの客席と、清々しい日比谷の緑という光景に重なった。あいみょんの声は時おり少し震え、目が赤くなっているように見えた。
あいみょんによればリハーサルの最中にはどしゃ降りの雨が降っていたが、本番のわずか20分ほど前に晴れてきて、今では鳥も鳴いているという。
「なかなかみんなと会えへん時間が長くて……でも、無事にできてよかった」。そう言って次に披露されたのは新曲「裸の心」。オリジナルではピアノによるイントロを、ここではギターでより繊細に、より大切そうに奏でていく。エモーショナルに歌いきったあと、黙って深くお辞儀をする姿が印象的だった。
珠玉のバラードから一転、続いて歌われたのは「マリーゴールド」。「ハルノヒ」同様、淡麗グリーンラベルのCMでも歌われていたあいみょんの代表曲の一つだ。ギターをかき鳴らすあいみょんの表情にもやわらかい笑みが浮かぶ。どこまでも響いていくような伸びやかな歌声、思わず口ずさみたくなる美しいメロディ。現地で発泡酒を飲みながら聞けたら……なんて、ふと思ってしまう。歌い終えたあと筆者は思わずディスプレイに向かって拍手を送りたくなったが、きっと同じような気持ちになった人も多かっただろう。
しかし「マリーゴールド」を歌い終えたあと、あいみょんは思い詰めたように突如頭を抱えてしまった。マイクにははっきりと声が乗らなかったものの、「考えすぎて……」と言ったように聞こえた。
その過程で、次の楽曲が飛んでしまったようだ。少し焦った様子でスタッフと曲の確認をしたのち、「いけます!」と言って披露したのは「君がいない夜を越えられやしない」。いざ歌い始めると、先ほどのトラブルなどなかったかのように歌の世界が広がっていった。
「静かやな」
心の奥底から絞り出すような歌声を響かせたあと、誰もいない観客席を見ながらぽつりとつぶやく。
「これが最初で最後の無観客ライブにしたい。みんながいたほうがいい」と、あいみょんは無観客ライブへの寂しさを口にした。そして、「喋っても返事がないからな」と、ごまかすようにはにかんで付け足す。無観客とはいえ、ライブができることはたしかにうれしい。でも、やっぱり現場でファンと一体になって音楽を体感するライブは何にも代えがたい——。そんな気持ちが言葉に滲んでいるように見えた。
その喜びと寂しさが入り交じる気持ちは、ファンたちも同じだろう。喜びは音楽を聴けば十分に感じられる。だからMCで、あいみょんはその寂しさに、自分の心を打ち明けることで寄り添った。
最後の一曲は「君はロックを聴かない」。残り少ない時間を惜しむように、一つ一つの音を噛みしめながら歌っていく。途中、あいみょんはマイクを離れ、地声で歌いながらステージを自由に歩き出す。まるでライブをそれぞれの場所から見ているファンたちに、シンガロングを煽るように。YouTubeのコメントにも、「一緒に歌ってるよ」などの視聴者の書き込みがあふれた。
全9曲を歌いきったあいみょんは、淡麗グリーンラベルのプルタブを開ける。カメラの前で「せーの、乾杯!」と声をあげ、ライブを締めくくった。
あいみょんは7月8日(水)に2019年のライブツアーの様子を収録した『AIMYON TOUR 2019 -SIXTH SENSE STORY- IN YOKOHAMA ARENA』をBlu-rayとDVDも発売予定。バンドスタイルで全22曲を披露したこのライブ、当日参加した人も参加できなかった人も、あの日の「熱狂」を、お家で楽しんでみては。
AIMYON TOUR 2019 -SIXTH SENSE STORY- IN YOKOHAMA ARENA
2020年7月8日(水)リリース!
・Blu-ray 初回生産限定盤
¥6,300+税/ENZT-00004
・Blu-ray 通常盤
¥5,300+税/ENXT-00002
・DVD 初回生産限定盤
¥5,500+税/ENZT-00005/00006
・DVD 通常盤
¥4,500+税/ENBT-00003/00004
<初回生産限定盤>
特製ブックレット(56ページ/フルカラー)
特殊パッケージ仕様
<収録曲>
01. ら、のはなし
02. 今夜このまま
03. ふたりの世界
04. 愛を伝えたいだとか
05. 真夏の夜の匂いがする
06. 二人だけの国
07. わかってない
08. ハルノヒ
09. ひかりもの
10. 生きていたんだよな
11. tower of the sun
12. 恋をしたから
13. おっぱい
14. from 四階の角部屋
15. 鯉
16. 夢追いベンガル
17. 貴方解剖純愛歌~死ね~
18. マリーゴールド
19. 空の青さを知る人よ
20. 満月の夜なら
21. 君はロックを聴かない
22. GOOD NIGHT BABY<特典映像>
・OFF SHOT MOVIE
▼特典情報
オリジナルクリアファイル(A5サイズ)
※特典クリアファイルは数に限りがございます。無くなり次第、配布終了となります。
※一部お取り扱いの無い店舗がございますので、特典に関する詳細は各店にご確認ください。
▼Amazon.co.jp限定特典
トートバック
※Amazon.co.jp では、特典つき商品のカートがアップされます。 特典をご要望のお客様は特典つき商品をお買い求め下さい。
▼公式ストア”AIM STORE”では5月13日(水)20時~ご予約開始!
https://store.plusmember.jp/aimyon/
□AIM STORE限定セット
オフィシャルライブフォトブック「6(シックス)」
※BD/DVD初回限定盤のみ
<価格>
・Blu-ray 初回生産限定盤セット
¥9,930(税込)
・DVD 初回生産限定盤セット
¥9,050(税込)
□AIM STORE特典
・tuna mayo recordsステッカー
・オリジナルクリアファイル(A5サイズ)
あいみょん
オフィシャルサイト
https://www.aimyong.net/
Twitter
https://twitter.com/aimyonGtter
Instagram
https://instagram.com/aimyon36
SHARE
Written by