どんより空模様、びしょ濡れ、ちょっとさむい、じめじめ、低気圧で頭いたい……。それはなにかとたずねたら。そう。梅雨がやってきます。今回のお題はズバリ「雨」。でも「雨」って、悲しみもあればよろこびもあるし、優しさもあれば切なさもあるんです。家を出る前、窓の外が雨だったら、そっとこのミックステープをプレイ。家から出ない雨降りの日もこのミックステープをプレイしてみて。
新世代のジェイポップ、うたう最終兵器春ねむりさんのMIXTAPEです。

神聖かまってちゃん『ベイビーレイニーデイリー』

シンプルで美しいピアノリフのイントロに、歩くリズムを合わせていると、『ひどい時があるんです／雨でぐしゃぐしゃだと／君に伝えてただ困らせている』。歌い出しがまるで自分のようでたまらない気持ちになります。

大森靖子『あまい』

窓越しのゲリラ豪雨の音でわたしときみだけのこの部屋の輪郭がくっきりと際立ってしまう。それなのに言えることは「なるべくずっとこうしていようよ」で、雨が止んだらまた2人は部屋ごと世界に溶けてしまうのです。

YUKI『66db』

雨に塗れた雑踏の音がハイをカットしたみたいにこもって聞こえて、自分がいまここに立っているのかわからなくなるとき、ききます。『好きだって言ったのに／君は会えない』こんな場所をかなぐり捨てて、『あの太陽の上へ／雨の上へ』突き抜けて『花火の色をとらえれば』、『小さな叫びも聞きとれる』気がして。

Pinback『Non Photo-Blue』

「Summer In Abandon」というアルバムの一曲目に収録されている曲。独特な湿気を帯びた声が、夏の雨が降る怠惰な蒸し暑さを思い起こさせます。

Oasis『Wonderwall』

「ワンダーウォールとは、きみを救ってくれる想像上の友人だ」とノエルは言っています。ただでさえ息苦しい日々に雨が降るとどうしようもなくなってしまうときがあって、「You’re my wonderwall」と口ずさんだりしながら電車に乗ったりしています。

キウイロール『バカネジ』

シンプルなドラムとギターに加え、暗く内向的なベースラインが不気味にうねった後「ワンツースリーフォー」で始まって、身体中に叩きつける雨みたいに、ギターの煩いイントロが鳴り響く。雨は自分の情けなさや失ってしまったものを知らしめてくるような気がして苦手なのですが、そういう感情を叫んでくれているような気がして、雨の日によくきいています。

eastern youth『雨曝しなら濡れるがいいさ』

生きるということに対してこんなに泥臭くうつくしいひとは他に居ないな、とイースタンユースをきくたびに思います。雨で髪の毛がぼさぼさになってしまったりスカートが気持ち悪く足に張り付いてしまったりして誰にも会いたくなくなってしまった日も、ちゃんと雨の中走り出せるような気持ちにしてくれる一曲です。