背中を押すというよりは隣で「わかる、わかる」って言うような
――本格的な音楽活動は2013年の動画配信から始まりました。4年後に数々のドラマや映画の主題歌を担当して、アルバムをリリースしている今の姿をイメージできていましたか?
Uru : 全然想像してなかったですね! こういうお仕事をしたいとは思ってましたけど、当時は具体的な目標はなくて。なのでデビューして、いろんな経験をさせていただけていることが不思議です。あとは、周りの評価に実力が伴っているのか常々考えています……。
――去年の6月にメジャーデビューをして1年半が経ちました。振り返ると最近って印象ですか、それとも昔のことのように感じますか?
Uru : 色々経験させて頂いた分、すごく中身の詰まった長い時間を過ごしてきたなと思っていたのですが。アルバムを作り終わった後に振り返ると、もう1年半経ったのか、とあっという間な気もしました。でも、本当に1日1日「Uru」として呼吸していたなぁと実感します。
――3ヶ月に1枚のペースでリリースするって、他のアーティストと比べてもかなりハイペースだと思います。
Uru : 1stアルバムまでに5枚もシングルをリリースさせていただけたのは、すごくありがたいですね。リリースする度に、応援してくださっている方が喜んでくださったり、新しい曲をリリースした事で「Uru」を知ってもらえたりして、アルバムまでの「出会い」を作ってくれたような気がして本当にありがたいなと思っています。
――アルバムが完成してみて、どんなことを感じますか?
Uru : 「この曲を作っていた頃はこんなことを感じていたな」とか「歌詞はこの部分を何度も書き直したな」とか、自分でも一つひとつの出来事を思い起こしながら聴いてて。聴いてくださっている方にも、私の曲に何か思い出があったら良いなと思っています。
――Uruさんの歌詞って人に優しい印象があります。あとは肯定する力。悲しいことが起きても、見方を変えれば前向きになれるような感じ。
Uru : そう言われるとあまり否定的な歌詞はないかもしれないですね。あと、歌詞を書くときは正直なのかもしれないです。自分にないことは書けないというか。「すなお」も「娘より」もひねらずにポンと出てきたような歌詞が多い気がします。
――『コウノドリ』のために書き下ろした「奇跡」は、子どもや生命などテーマとしても大きいし、ドラマ自体もデリケートな内容ですよね。
Uru : 子どもを産むってポジティブなことだけではなくて、悩む方もいらっしゃると思うんです。そこの部分も表現できたらなと思いました。
――Uruさんは良いことだけに目を向けるのではなくて、裏のことも平等に描いてますよね。昔からそういう性格だったんですか?
Uru : 基本的にネガティブな性格なんですけど、しなりがあると思っていて。気持ちが沈んでも、ちゃんと戻って来るっていうのをわかった上で落ち込んでます。あとは1つの切り口だけじゃなくて、いろんな角度から物事を見るようにしてますね。
――それと「自分が自分が」っていう我を突き通す歌詞はないですよね。
Uru : 昔から自分に自信がなくて。歌詞で強く意見を言えないのは、私の性格が出ているかもしれないです。
――確かに、ブログでも「私の曲は誰かの背中を押すものではない」って書かれてましたよね。
Uru : 背中を押すというよりは隣で「わかる、わかる」って言うような感じですね。「私もそうだよ」って。
「これって本当に私なのかな」って感覚はまだあります
――「fly」に関しては、人の背中を押すような希望の曲に感じました。
Uru : たしかに稀に見るポジティブさですね。「fly」はものすごく明るい感じで書きました。1歩踏み出せずに悩んでいる方が、あるタイミングでこの曲を聴いてくださった時に良いきっかけになれたら嬉しいです。あとは、元気をなくしたときに自分自身を励ませられたら良いなって思いながら作りしました。
――自身の曲を聴いて、勇気をもらったり活力になるのはすごく素敵ですね。自分が歌っているというよりも、純粋に曲だけを聴いている感じですか?
Uru : いや、「あの時の自分ができたんだから、今も出来るんじゃないか」って思いたいんです。
――アーティストとしてのUruさんと、1人の人間としてのUruさん。そこにある違いってなんでしょう。
Uru : あまり考えたことはないですけど……Uruの時は常に夢を見ているような感じですかね。こうやってお仕事をさせていただけているのが全部、夢のようです。
――そんなUruさんも、一度は音楽が聴けなくなった時期があったそうで。
Uru : 自分の声を聴くことが嫌になって、歌うことも嫌になって。一時は何もしてない時期がありました。YouTubeを始めて間もない頃ですね。
――原因は何だったんですか?
Uru : 思い描いた歌い方があるのに全然できなくて。実力不足による、理想と現実の差に気付いてしまって。本当は練習をして、その差を埋めなければいけないんですけど……しばらく休んだんです。そしたら、動画を観ていた方々が心配をしてくださったり「待ってるよ」って声をかけてくださって。「そんなに聴いている方がいるんだ」って励みになりました。自分としても「ここで休んでられないな」って。
――ここまでお話をお訊きして、Uruさんはとても謙虚ですよね。
Uru : いえいえ、そんな。人見知りなので、猫を被っていたかもしれません……冗談です(笑)。でも、「謙虚」というのは、ずっと親から教わってきたことのひとつでもあります。
――過去に「歌が上手くなりたい」なんてお話してましたけど。元を返せば学生時代、音楽の先生が生徒を集めてUruさんを見本にして歌いなさいって指導されたこととか、YouTubeで話題になったことも含めて、もっと調子に乗って良いと思うんですよ。だけどUruさんにはそういう部分は一切感じないです。
Uru : 音楽に対する自信っていうのは、中学時代までありました。歌うのが得意だって自分でも思ってました。今は良いことだと思うんですけど、向上したいって気持ちがあるからこそ、常々自分を振り返ることができているのかなって思います。
――今はまだまだ満足する段階じゃなくて、それよりも上があるっていう。
Uru : はい、そうだと思います。たぶん、満足するなんてことは一生ないかなと思います。その時々で自分の出せる力を出し切って歌うというのは常に心にあります。
――改めて今のご自身の歌はどう聴こえてますか?
Uru : CDや携帯で自分の曲を聴くと「これって本当に私なのかな」って感覚はまだありますね。デビューして1年半経ちますけど、本当に歌手になったんだなって。
――最後は音楽以外のこともお訊きしたいと思います。最近テンションが上がったことを教えてください。
Uru : ……A4の紙の横幅がティッシュBOXの横幅と同じだって気づいたこと。
一同 : (笑)
――そこにテンションが上がるっていうのはUruさんらしいです。
Uru : A4のサイズ感がわからなくなったときにぜひ試してみてください。
【Uruリリース情報】
『モノクローム』
発売日:2017年12月20日(水)
通常盤
【CD】AICL-3458 2,778円(税別)
初回生産限定A(映像盤)
【CD】AICL-3454~5 4,630円(税別)
初回生産限定B(カバー盤)
【CD+DVD】AICL-3456~7 3,704円(税別)
(通常盤CD収録内容)
1.追憶のふたり
2.奇蹟
3.フリージア
4.鈍色の日
5.ホントは、ね
6.しあわせの詩
7.sunny day hometown
8.fly
9.The last rain
10.いい男
11.アリアケノツキ
12.娘より
13.すなお
14.星の中の君
【初回生産限定A(映像盤) BD収録曲】
■MUSIC VIDEO
1.星の中の君
2.The last rain
3.フリージア
4.しあわせの詩
5.奇蹟
■Uru Live「SS」@東京グローブ座 ~Debut Live~
1.WORKAHOLIC
2.PUZZLE
3.ホントは、ね
4.Sunny day hometown
5.The last rain
6.アリアケノツキ
7.すなお
8.星の中の君
【初回生産限定B(カバー盤) CD収録曲】
1.楓(スピッツ)
2.たしかなこと(小田和正)
3.木蘭の涙(スターダスト・レビュー)
4.THE OVER(UVERworld)
5.OH MY LITTLE GIRL(尾崎豊)
6.真赤(My Hair is Bad)
7.ハッピーエンド(back number)
8.糸(中島みゆき)
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