SHE IS SUMMERが6月7日に2nd E.P.『Swimming in the Love E.P.』をリリースする。今作はフレンズのひろせひろせと共作した『あれからの話だけど』、元・ふぇのたすのヤマモトショウと作詞し、ORESAMAの小島英也がアレンジを担当した『出会ってから付き合うまでのあの感じ』、evening cinemaの原田夏樹が作曲した『うしろめたいいい気持ち』、SHE作曲の『彼女になったの』、LUCKY TAPESの高橋海をアレンジャーに迎えて再録された『君のせい』など、まさに豪華過ぎる全5曲! リリースを記念して、今回はMICOとひろせひろせによる対談企画を決行。「2人がシンパシーを感じること」をテーマに真面目かつ、笑える(?)トークをお届けしよう。
Photography_DOZONO HIROYUKI
Text_真貝聡
Edit_司馬ゆいか
作曲者として最強の手応えでしたね
――最初に2人が出会ったのはいつですか?
MICO : 『Swimming in the Love E.P.』を作ることになって、初めて会いました。
ひろせひろせ(以下、ひろせ) : 共通の知り合いはめちゃめちゃいたんだけど、会ったことはなくて。フレンズが新代田FEVERでライブをした時にMICOちゃんが遊びに来てくれて。それが初対面だよね。
MICO : そうですね。ライブを観て「めちゃくちゃいい!」と思って。マネージャーの大森さんに「ひろせさんと何か一緒にしたい」という話をしました。
ひろせ : そうだったんだ! うわぁ、光栄だわ!!
――MICOさんに会う前と会った後で印象は変わりました?
ひろせ : MICOちゃんは変わらなかったっすね。イメージのままの人ってあんまりいないんですよね。ライブや映像で観るよりも実際は明るかったり、暗かったり、意外とマジメだったりってケースが多いけど、MICOちゃんはYouTubeで観たまんまでした。
MICO : 私はイメージと違うって、結構言われますよ。この前、ラジオに出演した時もDJの方に「MVの雰囲気と違いますね」って言われたりとか。
――何が違うのか聞きました?
MICO : 「もう少しクールな方だと思った」って言われました。
ひろせ : 全然思わなかったけどね。
MICO : あとは、「こんなに話す人だと思わなかった」って驚かれました(笑)。
――新譜についてもお聞きしますね。「あれからの話だけど」は、どうやって作曲したんですか?
ひろせ : アー写(アーティスト写真)からイメージを膨らませて、曲を書きました。
MICO : ちなみに、どのアー写を見たんですか?
ひろせ : “SHE IS SUMMER”って検索して、最初に出てきた画像。
MICO : え! どんな画像だろう?
マネージャー : コレかなあ?(パソコンのモニターを見せる)。
小林光大によるアー写
ひろせ : そうそう! そういえば、最初の打ち合わせの時に曲を持っていったら「全部イイ」って褒めてくれて、すごく嬉しかったです。
MICO : 3曲も作ってきてくれて、全部良かったんです。
ひろせ : 「どういう方向性の曲にしましょうか」って打ち合わせだったんですけど、いきなり曲を持っていったんですよ。やってやりたくて。
MICO : あははは! 見事にやってやられましたね!!
ひろせ : 作曲の話をもらえたことが嬉しかったから、「コレぐらい、僕はやれますよ」っていうのをアピールしたかったんですよ。
――作った曲を名刺代わりとして。
ひろせ : まさにそうですね。
MICO : 曲を聴いたら、本当に文句のつけようがなかったんです! 初めて聴かせてもらった時から「たとえばの話だけど」って言葉がはまってて。Aメロがキャッチーな曲をすごくやりたかったのと、話し言葉っぽい曲をやりたいと思っていたので、コレだなって思いました。
ひろせ : えぇ!めちゃめちゃ嬉しい。
MICO : すっごく褒めちぎってますけど、本心ですよ(笑)。
――MICOさんの歌が乗った曲を聴いて、どう思いました?
ひろせ : 歌が入ったことで、俺が想像していたよりも良くなっているから、作曲者として最強の手応えでしたね。
――ボーカリストとしてのMICOさんは、どんな魅力があると思いますか?
ひろせ : さっき(MICOちゃんは)「話し言葉みたいな曲を歌いたいって」って言ってましたけど、まさにそこが武器だと思ってて。曲を聴くときは声の情報量について、めっちゃ考えるんですよ。「この声の人がこんなことは言わないだろう」っていうのは良くない歌だと思うし、その声だからこそ歌える言葉って絶対あると思ってて。今、活躍しているアーティストさんは、そこがみんな合致してる。あの声に、あのメロディ、あの歌詞っていう3つがいかに重なるかをいつも考えて作るので。MICOちゃんは話し言葉を自然に歌えるのが魅力なんですよね。
人としてすごく純粋な人だなって
――人としてはお互いをどう見てますか?
MICO : 話すのが上手いなぁって(笑)。
――どんな時に思うんですか?
MICO : この瞬間もずっと思ってる。喋りに安定感があって、レコーディング中もずっと面白い話を提供してくれました……ふふっ。
――思い出して笑ってる(笑)。
MICO : とても面白くて、レコーディングエンジニアさんも含めて現場が和やかになりました。なんか、豆知識みたいなことをいっぱい話してくれるんでですよ。
ひろせ : そういうのを話すのが好きなんですよ。それこそ、昨日の夜に気持ちがすごい落ちてて。1人で『美女と野獣』を観に行ったんすよ。
MICO : 1人で!? うそぉ!
ひろせ : 『美女と野獣』を観てたら、俺が小さい頃に観ていたのと少し違うなと思って。調べたら30分くらいワザと話を膨らませてるって記事が出てきて……って、そういう話をすぐ誰かに言いたくなっちゃうんですよ。
MICO : こんな感じで、ずっと話してる人です。
――じゃあ、MICOさんが聞き役になってるんですね。
MICO : 私はずっと聞いてます(笑)。
ひろせ : 聞いてくれる人が好きなので、ありがたいです。
――ひろせさんから見た、MICOさんは?
ひろせ : 人としてすごく純粋な人だなって。思ったことを口に出しちゃう人っているじゃないですか? そういうタイプですね。
MICO : あははは、本当?
ひろせ : うん。でも、そういう人ってめちゃめちゃ大切で「あれからの話だけど」を作った時にイントロを何回か直したんですけど……エンジニアさん、マネージャーさん、その他のスタッフさんは俺の出したA案のイントロがイイって言ってくれてて。だけど、MICOちゃんだけには「私は違うイントロがいい」って真っ直ぐな目をして言われました。そういう、自分の思ったことを言える人は良いですよね。俺は長いものに巻かれるタイプなので。
MICO : 後で「やっぱり…」って言われる方が嫌かなと思って。
――その潔さは魅力ですね。
MICO : でも、言わない時もありますよ。私は違う方が良いと思ってるけど、みんなが良いと言ってる方を選んでみようと思う時もある。まあ、今回のイントロの場合は違いましたけど(笑)。その選択が吉と出るか凶と出るかは、出してみないと分からないですよね。あ、でも出してみても分からないか!
選ばなかったほうの道は見えないから。
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