大胡田なつきを開花させたカルチャーたち4（Fashion編）<最終回>

3. ＜MA déshabillé＞のワンピース、＜Maison Margiela＞のタビブーツ

大胡田 : これはわたしが生地的な意味でいちばん愛しているブランドの＜MA déshabillé＞（エムエーデザビエ）です。部屋着や寝間着にもできるし、外にも着ていける。とにかく素材がめちゃくちゃ良いんです。わたし、寝間着と寝具にすごくこだわっていて。「何も着ていないのに包まれているような感覚になれる服はないのだろうか……そんな服があったら毎日おうちで幸せに過ごせるのになあ……」と思っていたところで出会ったものです。

――たしかにめちゃくちゃ肌触りが気持ち良いですね。

大胡田 : 服選びの際に、「タグが付いていても着られるか」「タグがなくても着られるか」の2つを大事にしていて。肌触りが良い服って、背中のタグの部分もちゃんとしていて、着た時に違和感がないんです。「タグがなくても着られるか」というのは、そのブランドの名前がなくても欲しい服だと思えるかどうか。＜Maison Margiela＞（メゾン・マルジェラ）なんかはタグ自体がアイコンになっていて、それも面白い考え方ですよね。マルジェラのタビブーツはずっと欲しかったもので、今年買いました。今日持ってきたもののなかではいちばん新しいです。

大胡田 : マルジェラのタビブーツは東京に来た頃からずっと欲しいと思っていて。年々値段があがっていくので、「これをわたしが買えるようになる頃にはどうなってしまうの？」と思っていたんです。でも、うちのバンドも結成10周年ですし……。

――ああ、そこに結びつけるんですね（笑）。

大胡田 : 10周年おめでとうということで無理やり理由をつけて買いました（笑）。まだ3回くらいしか履いていないです。

――こうして見ると、服はラクに着られるものが多いけど、靴はゴツいですね。この次のヴィヴィアンもゴツい。

大胡田 : たしかに（笑）。でもスニーカーも履きますよ。

――コンバースのオールスターとか履きます？　全然イメージ湧かないですけど。

大胡田 : つい最近、赤いコンバース初めて買いました。ふつうにジーンズにスニーカーをあわせて履きます。

――ジーンズとスニーカーの大胡田さんってレアな気がするので、それはそれで今度見たいですね。

＜MA déshabillé＞
Web https://ma-deshabille.com
Instagram https://www.instagram.com/madeshabille_official/

＜Maison Margiela＞
Web https://www.maisonmargiela.com/jp
Instagram https://www.instagram.com/maisonmargiela/

4. ＜Vivienne Westwood＞のロッキンホースブーツ

大胡田 : わたし、ゴスロリ時代がありまして……。

――ゴスロリ！！

大胡田 : 中学校から高校までゴスロリ・パンクが大好きだったんです。当時は『KERA』という雑誌を愛読していました。そのゴスロリの頂点が、わたしにとって＜Vivienne Westwood＞（ヴィヴィアン・ウェストウッド）だった。当時から、いつかロッキンホースだけは絶対に買うと決めていました。買ったのはわりと最近で、5年くらい前です。ヴィヴィアンには強い憧れをずっと抱いていたから、特別なものという意識が強くて。今でも気軽には買えないですね。ロッキンホースも思い切って買いました。

――ヴィヴィアンといえば、今つけているアーマーリングもそうですよね。

大胡田 : これは上京する時、「都会で負けないように」とお守りのつもりで買いました。ずっとサイズがゆるいまま直していないんです。

――わざとゆるいサイズにしたんですか？

大胡田 : その時お店にSサイズがなかったんです。でも「今日買わないとだめだ！」と思って。

――アーマーリングは大胡田さんの必須アイテムという気がします。いつもつけていますよね？

大胡田 : パスピエ関係の時はそうですね。特にライブの時は忘れないようにしています。これをつけると気合が入るんです。……でも、こういうものからいつかは卒業しないといけないとも思っていて。だって、赤ちゃんだっていつかはブランケットを手放すじゃないですか。いつかヴィヴィアンが、わたしの日常のファッションの一部になったらいいなと思います。

――じゃあライブの時に大胡田さんの指にヴィヴィアンがなかったら、「あ、何かあったな」と思えばいいですね。

大胡田 : 何かあったか、「あ、コイツ今日は忘れたな」と思ってください（笑）。

大胡田 : 服は大好きだけど、実はそれほどこだわりはないんですよね。ブランドで買うということもあまりないし。それこそウインドーショッピングをしたりお店に行ったりすればもっといろんな出会いがあるんでしょうけど。だから今年は積極的に買い物に行こうかなと思っています。店員さんとコミュニケーション取っちゃったりしてね。

――今年は買い物にチャレンジですね。

大胡田 : 何歳だよ、て感じですね（笑）。