2017.8.3

FOCUS

ナツ・サマーと行くnu-STAND：お酒とパストラミと音楽と

山田宗太朗

ナツ・サマーの音楽的なルーツ

――最初に買った音楽って覚えてますか？

ナツ・サマー : 小学生の時に、ビールのCMになってた曲があるんですけど……。

――あの、なんか、お酒関連が多いですね（笑）。実家は酒屋だし、ナツ・サマー生誕の瞬間も焼き鳥屋で酒飲んでたし。

ナツ・サマー : あれ、ほんとだ（笑）。今もビール飲みながらですしね。……あの、ビールおかわりするのアリですか？……（マネージャーのOKが出る）……じゃあ、お願いします！

2杯目も美味しそうに飲むナツ・サマーさん。そのまま広告になりそうなほど素敵な笑顔

ナツ・サマー : ……そう、それで、ビールのCMにカーペンターズの『Top of the World』が使われてて、それを聴いた時に衝撃を受けたんです。その頃はちょうど、何度目かのリバイバルでカーペンターズのCDが再販されてて、1枚1000円くらいで売ってたんですね。それで何枚か両親に買ってもらって、めちゃくちゃ聴いてました。

The Carpenters『Top of the World』）

ナツ・サマー : 同じ頃、クリスマスプレゼントにラジカセをもらったんです。それがすっごい嬉しかったのを覚えてます。ラジカセを毎日いじってラジオのいろんなチャンネル聴いたり、録音したりしてました。そうやっていろんな情報が入ってくるようになって、すごく音楽が好きになっていったと思います。周りにはそんなに音楽好きの友達がいなかったので、ラジオを通して知ることが多かったです。ラジオっ子だったし、いつか自分でラジオをやりたいなとも思います。

――その頃の経験があるからレトロなものに惹かれるのかもしれないですね。初めて人前で歌った曲は覚えてますか？

ナツ・サマー : 大学生の時に友達に誘われてクラブで歌うようになったのが最初なんですけど、その頃はbirdとかDOUBLEとか、あとはジャネット・ジャクソンを歌ってました。女の子3人でお揃いのワンピースを着て、振り付けもやって、楽しかったですね。

――ナツ・サマーさんがレゲエと出会ったのもその頃ですよね。ナツ・サマーさんの曲は「シティポップレゲエ」と言われますが、シティポップとレゲエって、本来まったく別のジャンルのものをくっつけてるわけですよね。今回のアルバムではさらに歌謡曲っぽいものがあったり、エレクトロファンクっぽいものがあったりと、違うものを組み合わせる巧さがナツ・サマーさんの魅力のひとつだと思います。新しいジャンルの先駆者になりたい、というような気持ちはありますか？

ナツ・サマー : あります。私も瀧口さんも、あんまり同じことを繰り返しやってると飽きちゃう方だし、良い意味で裏切りたいんですよね。遊び心を大切にしたいし、常に良い意味で裏切っていきたい。

――じゃあ次にまったく違うことをやる可能性もありますか？いきなりハードロックとか。

ナツ・サマー : 自分の興味がある範囲内でやることにはなりますけど、可能性はあると思いますね。確かに瀧口さんが作るロックって面白そう。

――アルバム6曲目の『その眼差しポーカーフェイス』には、エレキギターのソロがありますよね。あれはびっくりしました。

ナツ・サマー : あれはプロデューサマーの打ち込みなんですよね。90年代の、今聴くとちょっとダサくも感じるようなあの感じを出したかったんです。

――それこそドナ・サマーですよね。

ナツ・サマー : そう。そして今それをやってる人ってあんまりいない気もするかなって。

――なるほど。あのギターソロは、次の作品への伏線のような気もしました。今日来たこのnu-STANDも、音楽レーベルが始めるコンビニ＆デリということで、まったく別のものを組み合わせていて、理念的にナツ・サマーさんと通じ合うものがあると思いました。

ナツ・サマー : そうですよね。カフェとかだったらありそうだけど、コンビニをやるっていうのはすごい。しかもラインナップを見たら、街に根ざしたものが揃えてある。一人暮らしの人に嬉しいラインナップですね。こういうお店が近所にあったら楽しいですよね。手作りのものがあれだけ揃ってるコンビニはなかなかない。

ナツ・サマーとお酒

――今後は地方の商品も仕入れていくらしいです。ナツ・サマーさんの地元、愛媛のみかん入れるのどうですか？それか、実家の酒屋のコラボとか。

ナツ・サマー : 『ナツ・サワー』出したいですね。日向夏とか、そういう柑橘系のものを使ったサワーで、炭酸強めでガツっとくるのを作りたい。暑い夏に、熱帯夜に飲みたいお酒。中毒性があって、ふとした時に「TA・RI・NA・I」と思うような。

――『TA・RI・NA・I』がここで出ますか（笑）！（※『TA・RI・NA・I』は、アルバム『Hello, future day』3曲目に収録されている曲）

ナツ・サマー : ここで出るんですよね〜（笑）。

――一番好きなお酒は何ですか？

ナツ・サマー : 難しい質問ですね……、最近はレモンサワーばっかり飲んでる気がします。

――好みがオジサマー化してるんじゃないですか（笑）？

ナツ・サマー : え〜そうですか！？いま若者の間ではレモンサワーがアツイですよ。シティボーイはレモンサワー、『POPEYE』とか読んでる人はみんなレモンサワー飲んでるはず！あとはもちろんバカルディですね（笑）！夏はバカルディでモヒートとかダイキリとか……。（※『街あかり』の歌詞を参照）

――一人でも飲みに行ったりしますか？

ナツ・サマー : むしろ一人で飲みに行く方が好きですね。一人だったらあんまり気を遣わないで楽しめるし。それから、偶然の出会いと、そこでしか発生しない偶然の流れが好きです。たまたま意気投合した人たちと二軒目に飲みに行ったり、別の店で会った人とまた偶然会ったり。そういうのが面白くないですか？一人で行くからこそ交流しやすいですしね。三角地帯とか路地の飲みって、それが醍醐味だと思います。一杯飲んでハシゴする、これですよ。

――酒の話をしているときが一番イキイキしてますね（笑）

ナツ・サマー : （笑）。下北でも飲みますよ。この街は演劇とか映画関係の方が多いですよね。街によって集まる人が違うのも面白い。お酒を飲む時は、結構深い時間まで飲みますね。そういえば、この前〇〇っていうお店に行ったら、〇〇の〇〇さんがいて（某大御所ミュージシャン）、「お、レゲエ少女来た」って言われて。

――えー！超大御所じゃないですか！……ていうか、やはり周りにはオジサマーが多いんですね。

ナツ・サマー : いや、お酒出すところ行ったらだいたいオジサマーがいるじゃないですか。だからどうしてもオジサマーからは逃れられない（笑）。でも、オジサマーだけじゃなくて、そういう場所には若い人もたくさんいるし、若い人や女性との新たな出会いも多いですよ！ありがたいことに年齢世代を問わず応援していただいてます。私は上の世代と下の世代を繋ぐ架け橋みたいな存在になれたらいいなと思ってるんです。それは音楽でも同じで、年齢性別だけじゃなく、ジャンルの垣根も超えて色んな方に楽しんでもらいたいです。

――「オジサマーから逃れられない」はパワーワードですね（笑）。ナツ・サマーさんのプライベートな付き合いは、酒を介したものが多いですか？

ナツ・サマー : ほぼ100パーセントかも……（笑）。お酒は人生の潤滑油ですからね！

――では最後の質問です。ミーティアというメディアは、ミート（meet）とメディア（media）を掛け合わせていて、何かと何かが出会うことを大切にしているメディアなんです。聞きたいのは、ナツ・サマーさんにとって、運命の出会いって何でしたか？

ナツ・サマー : たくさんありすぎて……毎日運命の出会いだらけです。本当に人や環境に恵まれてるなって思います。今日の取材もそうですしね。

――運命の出会いのひとつがミーティアってことですか？あざす！！

ここでインタビューは終了。最後にnu-STANDさんから、週末限定で出しているスムージー『キューカンバーメロン』の差し入れが。このスムージー、ナマのきゅうりを使っていてめっちゃヘルシー。メロンの良い香りがします。味の方はというと……？

ナツ・サマー : えっ！めっちゃおいしいですよこれ！ほどよい甘さで、うまみが後に残る感じ。きゅうりなのに不思議なコクがあります。味はメロンボールのアイスクリームにちょっと似てるかも。女の子が大好きなやつですね。これ、パストラミサンドにかなり合います。朝食にパストラミサンドとキューカンバーメロンスムージーの組み合わせとか、おしゃれで最高ですね。

週末限定のスムージーは、キューカンバーメロンの他、チョコバナナとピニャコラーダの二種類があるそう。ナツ・サマーさんイチオシのキューカンバーメロンは300円（税込）。
下北沢にお立ち寄りの際は、ぜひnu-STANDに足を運んでみてはどうでしょう！