自分の気持ちを素直に歌うことが聴く人の気持ちにいちばん寄り添える
――そしてカップリングの「journey」、「デイルニハ」の2曲はまた曲調やテイストが違いますね。
PON:そうなんです、昔から欲張りなんですよね。もっと統一感を出したほうがええと、先輩たちからもさんざん言われてきたんですけど、「だって全部やりたいねんもん! どれもラックライフやからええやん!」という3rdシングルになりました(笑)。「journey」は、めっちゃ弾き語りで作った「みんな、それぞれの道を旅してるんだよ」という曲で、人を見て「いいなぁ」と思ってしまう自分が嫌で、作りました。でも、それはしゃあない。たぶん変えられへんから、僕は僕で休みながらでも歩いていこうと。シャッフルの曲を書いてみたくて作りました。
――これも歌詞が印象的で。「落ち込みたい訳ではない でも落ち込む理由は探してる」というのが、きっとPONさんの性格を表しているんだろうなと……。
PON:ああ……(苦笑)。でも、落ち込みたいときってないですか? 別に何かがあったわけじゃないけど、夜、ひとりでアコギも持たずに川に行って、缶コーヒー持ってタバコ吸いながら……「はぁ~、あれもこれもやりたいけどできてない、全然あかんやん、自分!」みたいにモヤモヤする。そうすることで、自分の中でバランスを取るような作業が、僕のなかに昔からあるんです。それが、このフレーズに出ちゃいましたね(苦笑)。
――そして「デイルニハ」はジャジーなバラードですね。
PON:これは、ラブソングとして書いてはいるんですけど、僕のメジャーデビューしたときのことを歌ってますね。ずっとバンド活動してますけど、親とか身内の人って、意外と対応がナチュラル。無理にバンドの話とかせえへんし、どっちかというと「この人たち、僕らのこと応援してんのかな?」と不安に思ってたくらいなんですね、10年間(笑)。でも、いざメジャーデビューが決まったら、すごい喜んでくれた。「そんなに思ってくれたんや」と思って、愛情もって支えてくれている人への感謝の気持ちも込めました。
――そんなPONさんとラックライフの音楽は、誰もが共感すると思います。
PON:自分自身のことを、素直に書けばそうなるんやと気づいたんです。「人の気持ちに寄り添う歌が歌いたい!」とすごく思ってた時期もあったんですよ。「あの人の気持ちはどうしたら理解できるんだろう?」と悩んだけど、そんなのできるわけなくて。だったら、人のこと云々よりも、自分を歌うことが、聴いてくれる人の心にいちばん近い歌になるんちゃうかなと。「名前を呼ぶよ」でそれが確信に変わりました。これからも僕らは、何も変わることなく、僕ら自身を歌っていきたいですね。
ラックライフ プロフィール
大阪・北摂出身の4ピースギターロックバンド。
2005年、高校の同級生であったPON(Vo&Gt)、イコマ(Gt&Cho)、たく(Ba)、LOVE大石(Dr)により前身バンドを結成。
2008年3月にバンド名を“ラックライフ”に改名し、大阪・東京を中心に全国的な活動をスタート。
以降、徹底的に現場主義を貫いたライブ活動を軸に、デモ音源を軒並み完売させるなどコンスタントにリリースを重ねる中、2014年には3rdアルバム『my contents』、4thアルバム『正しい僕の作り方。』、1stシングル『ハルカヒカリ』という怒涛のリリースラッシュに加え、2010年に立ち上げた自主イベント『GOOD LUCK』が、この年以降毎年なんばHatchにて開催されるまでにその規模を拡大するなど、バンドとして大躍進を遂げる。
2015年に入ってもその勢いは留まらず、2ndシングル『アイトユウ』、TVアニメ『純情ロマンチカ3』エンディング主題歌となった3rdシングル『変わらない空』を立て続けにリリースするなど話題を集め、各地のサーキットイベントでもハイボルテージなライブを展開。
そして、2016年5月11日には、TVアニメ『文豪ストレイドッグス』エンディング主題歌となるシングル『名前を呼ぶよ』にて、遂にメジャーデビューを果たす。
若くして10年越えのキャリアと絆が培ったグルーヴ、言葉の1つ1つが伝わる力強いメッセージと歌声、ヒットポテンシャルを存分に備えたグッドメロディ…全国津々浦々で熱い血が通ったポップミュージックをかき鳴らし、オーディエンスのみならず時にバンドマンをも魅了する、ザ・ライブバンド。
オフィシャルサイト:http://luck-life.com/
ラックライフ / TVアニメ『文豪ストレイドッグス』第2クールED主題歌 風が吹く街
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