新世代のスタンダード・ロックバンドLenny code fiction.ヴォーカル&ギター、片桐航ってどんな人?
キャッチーなメロディと重厚なサウンド。シンプルながら奥行きのある歌詞、存在感のある佇まい。これらの要素が合わさって“新世代の王道ロック”“スタンダードロック”と称されるバンド「Lenny code fiction」。
(左から:Vo/Gt. 片桐 航、Dr. KANDAI、Ba. kazu、Gt. ソラ)
最新作「Make my Story」が人気アニメ『僕のヒーローアカデミア』に大抜擢されるなど、今、最も勢いに乗っているバンドのひとつである。
『Make my story』MV。ドローンを20台以上駆使した壮大なスケール感!
今回は、このバンドのボーカルであり、全曲の作詞作曲を手がける片桐航(かたぎり わたる)さんにフォーカス。
Photo:Hanna Takahashi
1993年生まれ、滋賀県出身の片桐さんは、まずルックスが抜群に良いというだけでなく、曲作りのスピードが尋常ではなくストックは300曲以上あるとか、グッズのデザインを自ら手がけていたりだとか、大の映画好きで1日に3本以上観る日もあるとか、断片的ではあるが事前に情報を集めてみただけでも、計り知れない奥行きのある人物である。彼は、これまでどのような道を経てきて、何を考えているのか。普段何を食べたりしているのか。「王道」と称される理由は何なのか。10のトピックに分けて、本人の言葉と共にお届けします。
Interview&Text_Kenta Baba
すべてのはじまりは、校内放送
まず、あまりこれまで語られていなかった「音楽をはじめたきっかけ」について。小さい頃から音楽に慣れ親しんできた、というよりも、「その日」は突然訪れたそうだ。
「たしか、中学2年生のときです。昼休みに、放送部員の友人が校内放送で、「L’Arc~en~Ciel」の「SEVENTH HEAVEN」をかけたんです。それを聴いて、すっげー人がおる!と衝撃を受けて。こういう人になりたい!と。それまでは小学校から野球一筋で生きてきたんですけど、一切やめて、音楽の道に進むことにしました」
中学校に野球推薦で入学するほどのザ・野球少年(ポジションはピッチャー)だった片桐さんを一変させた「L’Arc~en~Ciel」との出会い。その後、どんどん他のバンドにものめり込んでいく。
「同じくhydeさんのバンドである「VAMPS」や「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」「RIZE」など“男らしさのある音楽”が大好きで、影響を受けました」
爆音のなかに、生きる世界を見出した高校1年生
バンドをやる。ギター&ボーカルになる。その一心で、まずは軽音楽部のある高校へ進学した片桐さん。ところがすぐに部活では物足りなくなり、前身となるバンドである「CROMARTY」を高校1年生で結成。地元のライブハウスへ通うようになり、その世界に魅了されたそう。
「はじめてライブをやってみて、爆音に包まれることが、純粋にものすごくたのしかった。自分が汗だくで、フロアでは友達がワーワー騒いでて。そういう時間が特別好きやったんです」
「最初はどちらかといえば、爆音のなかで暴れたい、暴れるのって楽しいな、ぐらいしか考えてなかったです。あと地元の滋賀はパンクロックシーンが盛んで、お客さんもライブハウスに通い詰めるような純粋に音楽が好きな人たち。対バンさせてもらうのはほとんど先輩のバンドなので、毎回、ぶっつぶすぜー!ぐらいの気持ちでやっていました」
高校3年間で、200本以上のライブに出演
「最初はライブしかすることがなかったというか。他に音楽活動って何をしたらいいかわからなくて。だから高校時代は、ずーっとライブやってました。地元のライブハウスで、多いときは月10本ぐらい。少ないときでも月5〜6本。学校終わりにスタジオいって、土日はライブして。機材費とかスタジオ代でお金がいるので、空いた時間は全部バイト入れて。3年間はその生活の繰り返しでした」
音楽にすべてを投じる生活のなかで育まれた野心
最新作「Make my Story」の歌詞のなかで
「何千回も涙拭いても止めれないし 簡単な日々だと 期待はしてない」 「悔しさまで連れて 更に先を目指す」「100 あった屈辱を一手で変える様な 日々が待つ事だけ見てる」などと、悔しさ、怒り、上を目指す野心が、片桐さんの紡ぐ歌詞にはみてとれる。その燃料は、10代の時期に育まれた部分が大きいそう。
「高校時代も、卒業してからも、とにかくお金がなくてバイトを死ぬほどやってたんです。スケジュールでいうと、朝8時から夕方15時まで蕎麦屋の仕込みやってて。6時間7時間ひたすら蕎麦を打って、そのまま、5キロくらい離れたところまでチャリでいって、16時から23時までカフェで働いて。さらに深夜はスタジオのバイト入れて、みたいな。
そんな生活をしてるなかで、家が裕福というか、車を親に買ってもらったりしてのんきに遊んでる同級生とかもいたりして。向こうからしたら知ったこっちゃないですけど、勝手に目の敵にしていました(笑)。今に見てろよ、と。見返してやるぞと」
「通っていた高校は進学校だったんです。学年のなかでも、進学しないのは自分だけ。周りからもけっこういろいろ言われました。音楽で生きていく、ということを早く決めてそこに向かって進んでいただけなんですけど、みんな好き勝手言ってくるわりにみんな割とボーッと生きているし、一方でこっちはお金もないし毎日しんどい。10代のころは反骨精神だらけでした」
曲のストックは、300曲以上。作詞作曲をはじめたきっかけ
他のインタビューで、220曲以上曲のストックがある、ということを言っていたのであらためてきいてみると、「昨日もうひとつできたので、今は330曲になりました」と語る片桐さん。それらはここ3~4年でつくった曲とのことだが、曲作り自体は、バンドをはじめてすぐに行ったそうだ。
「初の対バン相手が、ちゃんとキャリアのあるバンドで。これはオリジナル曲をつくらなあかん、と2週間くらいで5曲つくりました。たしかギターをはじめてまだ半年ぐらい。そのときつくった曲は未だに憶えてますけど、全部ダサいです(笑)。タイトルは、「春」とか「if」とか「無」とか」
片桐航が考える「王道のロック」とは?
繰り返しになるが、片桐さんは1993年生まれ。最も影響を受けてきたのは90年代の、日本のロック音楽だ。Lenny code fiction自体が「王道ロック」と称されることも多いが、つまるところそれは、どんな音楽なのだろう?
「90年代のロックは、ただかっこいいだけじゃなくて、聴いていると胸が熱くなったり、メロディが綺麗やったりとか。曲きいて感極まって泣くこともあるぐらい。ひとことでいうと“感情を揺さぶられる”音楽です」
Hanna Takahashi
世代でいえば、ブラックミュージックから影響を受けていたり、シティ・ポップと呼ばれるバンドが多いように思える。そのあたりのことは、意識はするのだろうか?
「最近は、いろんな音楽を聴いています。ただ、僕は田舎で育っていて、パンクバンドに囲まれていると、今流行っているような音楽って全く聴いてこなかったんです」
「自分の音楽のベースを築く時期に聴いていた、90年代の王道のロックバンドたち。そこがいちばんかっこいいっていうのは変わってなくて。日々あたらしい音楽が生まれますけど。自分たちがいちばんかっこいいと思うものを継いでいきたいと思っています。この世代では、Lenny code fictionが、王道ロックで一番やなっていうところに行きつくのが理想です」
大の映画好き。邦画洋画、旧作新作問わず年間200本以上鑑賞
曲作りにおいても、映画からインスピレーションを得ることも多く、とにかく映画が好きだという片桐さん。オールタイム・ベスト!な3本について教えてもらった。
「ダントツいちばんがあって。『ミスター・ノーバディ』というややマイナーな映画なんですけど、自分が曲を通して伝えたい世界観がすべて詰まってるというか。過去も未来も含めて、人生そのものを描いている映画です。その次は、シンプルに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も大好き。グッズとかポスターも家中に溢れています」
「3つ目は、『パルプ・フィクション』。バンド名のフィクションはそこからきてます。ライブで使う照明の色使いや、男らしいムード、ちょっとした狂気感はあの映画から影響を受けています」
片桐さん、どんな映画みているんだろう?どんな映画が好きなんだろう?と気になるかたは>>映画レビュー「Filmarks」片桐さんのページをぜひ観てみよう。片桐さんが4.6以上をつけたものはもれなく観たくなります。
どこかで、一歩引いて物事を見ている。片桐航のまなざし
Lenny code fictionの音楽は、聴いていて奮い立たせられたり、高揚するものが多い。だけど歌詞を言葉だけで眺めてみると、ポジティブとネガティブ、さまざまな解釈をできるような表現がよく用いられている。
「どこか、物事をいつも一歩引いてみている感覚があります。同じものや風景をみていても、昔こういうことがあったから、今こういったことにつながっている。だから未来はああなっていくのかな、とか、時間軸も常に意識してしまうんです。歌詞にはそれが自ずと出ているとおもいます」
「今悔しかったり悲しいことでも、未来からみればポジティブなことだったり、その逆もあります。明るい曲調で切なさを歌ったり、ゴリゴリに攻めた曲でも不安さを歌っていたりするのは、自分が作る曲の特徴のひとつですね」
音楽は、聴いてくれる人が主人公
Hanna Takahashi
最後に、Lenny code fictionの音楽が、どのように聴いてもらえると理想なのかを聞いた。
「聴いてくれた人が、自分自身の物語を重ねてくれることが理想です。野球の試合前とかで何を聴こう?って考えているときとかって、主人公は自分自身なんですよね。恋をするときも、本当に自分のことを歌っているような音楽って、聴いている瞬間はバンドの情報とかってわりとどうでもいい。とにかく、聴いてくれる人が主人公になるような音楽を生み出していきたいです」
そして、最新作のタイトルは、まさしく「Make my Story」。
「この曲には、デビュー以降活動してきて、紆余曲折ありつつあらためて気づいたことをメッセージとして込めています。それは、”自分の本当にやりたいことは、自分自身が知っている”ということ」
「主題歌に採用していただいている『僕のヒーローアカデミア』もまさしく、個性がキーワードになっていて、バンドの状況とかけあわせてできたのが「Make my Story」です」
「Make My Story」はまさに、片桐航が、Lenny code fictionが目指す「聴く人が主人公になる」ことを力強いメッセージで訴える曲だ。まだ彼らの音楽を聴いたことがないという人も、まずは本作をぜひ聴いてみてほしい。
おまけ情報その1
片桐さんは、アルバイト時代めっっちゃくちゃ蕎麦を打っていたので、おそらく「蕎麦を打つのが上手いバンドマンNo.1」でもある。
おまけ情報その2
インタビュー開始時、「ミーティアというメディアです。よろしくおねがいします」というと、「そういえば僕、ミーティアという曲をつくったことがあります。たしか、流星って意味なんですよね。素敵な響きやと思って」が第一声だった。
運命的ですやん!と取材チームの気分がぶちあがったことは言うまでもない。
Lenny code fiction 公式サイト
Lenny code fiction Twitter
片桐航 Instagram
Lenny code fiction 最新リリース情報
4th Single「Make my story」
■発売日:8月22日(水)
■通常盤(CD)
●価格:¥1,204(税抜)
●品番:KSCL-3079
収録曲
M01. Make my story
M02. 影になる
M03. Wonder
■期間生産限定盤(CD+DVD)
●価格:¥1,389(税抜)
●品番:KSCL-3080~3081
●オリジナル描き下ろし絵柄デジパック・ジャケット
●特典DVD内容:
01. 「Make my story」Music Video
02. 「僕のヒーローアカデミア」ノンクレジットオープニングムービー
収録曲
M01. Make my story
M02. 影になる
M03. Wonder
M04. Make my story (TV size)
ライブ・イベント情報
<Lenny code fiction LIVE TOUR 2018-2019>
チケット全公演共通
前売り¥2,500(オールスタンディング・税込み・ドリンク別)
オフィシャル先行受付
受付期間:8/2(木)18:00~8/19(日)23:59
受付URL:http://w.pia.jp/s/lennycodefiction18of/
<SCHEDULE>
2018/10/19(金)仙台 enn 2nd<対バンあり>
Open 18:00 / Start 18:30
キョードー東北 022-217-7788
2018/10/20(土) 秋田 LIVE SPOT2000<対バンあり>
Open 16:30 / Start 17:00
キョードー東北 022-217-7788
2018/11/10(土)石川 金沢 GOLD CREEK<対バンあり>
Open 16:30 / Start 17:00
FOB金沢 076-232-2424
2018/11/11(日)長野 LIVEHOUSE ALECX<対バンあり>
Open 16:30 / Start 17:00
FOB新潟 025-229-5000
2018/11/15(木)東京 duo MUSIC EXCHANGE<ワンマン>
Open 17:30 / Start 18:30
SOGO TOKYO 03-3405-9999
2018/11/25(日)滋賀 U☆STONE<対バンあり>
Open 16:30 / Start 17:00
キョードーインフォメーション 0570-200-888
2018/12/1(土)神奈川 横浜Bay Jungle<対バンあり>
Open 17:00 / Start 17:30
SOGO TOKYO 03-3405-9999
2018/12/2(日)千葉 千葉LOOK<対バンあり>
Open 17:00 / Start 17:30
SOGO TOKYO 03-3405-9999
2018/12/8(土)栃木 宇都宮Hello Dolly<対バンあり>
Open 17:00 / Start 17:30
SOGO TOKYO 03-3405-9999
2018/12/9(日)埼玉 西川口Hearts<対バンあり>
Open 17:00 / Start 17:30
SOGO TOKYO 03-3405-9999
2018/12/14(金)兵庫 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎<対バンあり>
Open 18:00 / Start 18:30
キョードーインフォメーション 0570-200-888
2018/12/15(土)広島 Hiroshima CAVE-BE<対バンあり>
Open 16:30 / Start 17:00
キャンディープロモーション広島 082-249-8334
2019/1/19(土)福岡 DRUM SON<ワンマン>
Open 17:00 / Start 17:30
BEA 092-712-4221
2019/1/26(土)大阪 梅田Shangri-La<ワンマン>
Open 17:00 / Start 17:30
キョードーインフォメーション 0570-200-888
2019/1/27(日)愛知 ell.FITS ALL<ワンマン>
Open 17:00 / Start 17:30
サンデーフォークプロモーション 052-320-9100【「Make my story」リリース情報】
【Amelie「ビューティフルライフ」Release Tour 2018(愛知)】
日程:2018/9/16(日)
会場:名古屋APOLLO BASE(愛知)
出演:Amelie / Lenny code fiction
お問い合わせ サンデーフォークプロモーション TEL:052-320-9000
【バンドハラスメント presents PAPAFES 2018 七都市TOUR(大阪)】
日程:2018/9/17(月・祝)
会場:アメリカ村BEYOND(大阪)
出演:バンドハラスメント/Lenny code fiction/PENGUIN RESEARCH/BOYS END SWING GIRL
お問い合わせ キョードーインフォメーション 0570-200-888
【イナズマロック フェス 2018】
日程:2017/9/22(土)・9/23(日)・9/24(月・祝)
会場:滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場 (滋賀県琵琶湖博物館西隣 多目的広場)
★Lenny code fictionの出演日は9/22、雷神ステージのオープニングアクトとなります
【Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2018 ~20th Anniversary~】
日程:2018/10/6(土)・10/7(日)・10/8(月・祝)
出演:400組以上を予定
会場:knave / club vijon / hillsパン工場 / SUN HALL / FANJ twice / DROP / VARON / BEYOND / AtlantiQs / Pangea / BRONZE / CLAPPER / -Eggs STAGE- BIGCAT / CONPASS / OSAKA MUSE / FootRock&BEERS / RUIDO / JANUS / soma / FANJ
※各インフォメーション、本部機能としてBIG STEP 1Fを使用予定
※各会場は現時点での予定です。会場は変更になる場合があります。
FM802 MINAMI WHEEL 2018 Official web site
https://minamiwheel.jp//
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