「クズ」を叩くんじゃなく、ジタバタ戦う僕らの姿に「負けた!」と言わせたい。
――ちなみに、作詞・作曲の田邊さん以外の方が、気に入ってるフレーズはどれですか?
田邊:初めて聞かれました、それ。大喜利第2弾ですね(笑)。
高村:僕はやっぱり、さっきも話に出た「死ぬ気で生きろよ」ですね。人それぞれ基準が違うと思うんですよ、「死ぬ気で生きる」の度合いは。他人が見て、「お前頑張ってんな」じゃなく、自分が本気で「頑張ってるんだよ!」と言えるかどうか。それが大事だということをこの言葉ですごく自覚させられたし、毎日そう考えて生きてたらもっと人生が充実するなと気づいてハッとしました。
江口:いちばん熱いの選んだな、ずるいよ(笑)。僕は、「どこまでも僕はずるい奴で 気がつけばマニュアルロボットだった」が、けっこう田邊自身が、過去の嫌いだった自分のことを言ってるようだし、僕にも言われている気がして。現代社会にも投げかけてる、刺さるフレーズでしたね。
辻村:僕は、ラストのサビ直前の「新たな世界はすぐそこ 覚悟ができてるから 〈逃げてたまるか〉と 掲げた今この手を今武器に変えて」。ここのセクションの歌は、裏声と地声が両方入ってて、向こうから手招きしてくれてるような感じがするし、「この手を武器に変えて」が刺さるんです。自分は楽器を手で弾いてるから、まさしく手がベースとシンクロして武器になるんだと感じるんです。先に向かってケツ叩かれる歌詞だと思いますね。
江口:歌詞書いてる田邊はあるの? 思い入れのあるフレーズ。
田邊:うん。俺は、いちばん最初に出てきた歌詞が、サビの「このまま世界がクズでも ジタバタして意地でも倒せ」だったから、そこですね。まさにブルエンのあがきのことだなと思います。あと、ゴールデンタイムのドラマで「クズ」って言葉が出てくるの、斬新ですよね(笑)。
――確かにそうですね(笑)。
田邊:「クズ」っていうのもいろんな意味があるんですよ。他のバンドに負けたくないと思う自分もそうだし、それこそ武道館やるって1月に発表したとき「絶対ソールドしないよ」と勝手なことをわざわざ言ってきたヤツもそうだし……。そういうクズを叩いてボコボコにするんじゃなく、俺らがジタバタして戦って、夢を叶えていく姿で倒したいと思ったんです。汗かいて泥だらけになってる姿を見せることで、「負けた」と言わせたい。この歌詞をド新人が書いたら、たぶんウソくさいけど、俺らは同じ気持ちで12年間ブルエンをやってきてる。だから、あえて言いたいことでもありますね。
ブルエンの4人にとっての「ヒーロー」とは?
――そしてもう1問、大喜利を(笑)。『LAST HERO』とかけまして、あなたのヒーローは誰ですか?
田邊:これは、ボケなくていい大喜利だな……。
江口:フリっぽいこと言わないの!(笑)
高村:じゃあ大真面目に言うと、ELLEGARDENがそもそも僕ら4人のすごいヒーローで、なかでも細美(武士)さんという存在は、10年間、変わらないヒーローです。
田邊:僕は、昔から付き合いのあるback number。ボーカルの(清水)依与吏さんは、お互いお客さんが20人くらいしかいないインディーズの対バン時代から、ずっとリスペクトしてます。ソングライティング力も素晴らしいし、依与吏さんはニクイ人で、「お前ら何してんの?最近」とか言うくせに、誰よりもブルエンの最新情報知ってて(笑)。昔から「お前らがちゃんと活躍できるように、俺らがレール敷いとくから待っとけよ」と言ってくれる、いちばん身近なヒーローですね。
辻村:俺のヒーローは、バンドマンの先輩以外だと、地元の友達ですね。小柳友という俳優。最近ドラマにもけっこう出てるし、どんどんカッコ良くなってるんで、彼に負けないよう自分も頑張んなきゃって思います。
江口:僕は……9mm Parabellum Bulletの滝(善充)さんですね。ギタープレイもパフォーマンスも、すべての音楽面、ライブ面で影響を与えてくれた人なので。
田邊:僕らがインディーズの頃、全然お客さんもいなくて、俺もMCせずにめっちゃクールにやってた時代、江口も淡々と弾くのがギタリストとしてカッコいいんだって言ってたんですよ。ところがある日、彼が急にエモくなったんです。ギターをバンバン振り回して。「え? 何なに?」と思って部屋に行ったら、9mmのDVDがあったっていうオチが(笑)。
江口:影響されやすいんです……(苦笑)。
田邊:エグいほど影響受けてますね(笑)。
辻村:それが今では、対バンやらせてもらってますからね。
――何年後かには、「『LAST HERO』を歌っていたブルエンが、僕のヒーローなんです」という若いバンドと対バンするかも知れないですよ。
辻村:そうですよね。俺らも先輩バンドに憧れて、今ここにいるんだし。
田邊:そっか。そんなときが来るまで、あがきながら生き残らなくちゃな!
BLUE ENCOUNT 100時間限定『LAST HERO 武道館 Ver.』
BLUE ENCOUNT / 熊本発、都内在住 4 人組エモーショナルギターロックバンド。
熱く激しくオーディエンスと一体となる<熱血>なパフォーマンスがライブシーンで話題を呼び、共感型次世代エモロックシーンを担うバンドに成長した BLUE ENCOUNT。
数多くの夏フェス、年末イベント等、いまや大型フェスには常連参加となり、注目度もフルMAX状態の中、2016年10月初の日本武道館ワンマンライブを成功させた。駆け上がる彼らから目が離せない!!
[リリース情報]
<セカンド・アルバム『THE END』詳細>
■タイトル:『THE END』
■発売日:2017年1月11日(水)
■初回生産限定盤(CD+DVD)
●価格:¥3333(税抜)
●品番:KSCL-2818~2819
■通常盤(CD)
●価格:¥2600(税抜)
●品番:KSCL-2820
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