福岡を拠点に活動する6人組アイドルグループ・ばってん少女隊が、2ndアルバムとなる「BGM」を6月19日にリリースした。ももいろクローバーや私立恵比寿中学、TEAM SHACHIなどのアイドルグループを先輩に持ちながら、「スターダストプロモーションの100年に1組の逸材」として2015年6月にデビューした彼女たち。今回のアルバム「BGM」では製作陣にJUDY AND MARYのTAKUYAやKEYTALK⼩野武正、CHAIのユウキなど豪華なメンバーが集結! 音楽として・アイドルとして、日々レベルアップしていく彼女たちに「BGM」について、そしてこれからの活動について聞いてみた。
Photography_Kiruke
Interview & Text_Fumika Ogura
Edit_Miwo Tsuji
ばってん少女隊とは
2016年4月「おっしょい!」でメジャーデビュー。2ndシングル「よかよかダンス」が、アニメ「ドラゴンボール」の主題歌になり、バリバリの博多弁で歌うアップテンポな楽曲とアグレッシブなダンスが世界中から注目を集める。その後も、作詞に元チャットモンチー・高橋久美子、作曲にflumpool・阪井一生を迎えた「無敵のビーナス」をはじめとし、豪華制作陣による楽曲を次々に発表。
ばってん少女隊の『BDM』
ばってん少女隊の音楽性を示すシンボルとして掲げられる『BDM』とは、世界中のダンスフロアを熱狂させる『EDM』へのカウンターミュージック。B=Battenn × D=Dance × M=Msucicのこと。昨今のヘビメタ×アイドルのスタイルに対し、ばってん少女隊は「アイドル×SKA」で表現する。彼女たちのスタイルである「SKA」は、1970年代に英国で誕生した“2トーン・スカ”だ。モッズ、パンク、ロックがジャマイカ生まれのスカと融合して生まれた巨大ムーヴメントカルチャー。強烈な疾走感と爆音でフロアをダンスの渦に巻き込む。
ばってん少女隊 BDM(YouTube Ver.)
そんな中、ばってん少女隊第2章のスタートと共に「BDM(BATTEN×DANCE×MUSIC)」のテーマを掲げ、昨年11月に6thシングル「BDM」をリリース。スカバンド「メイソンズパーティ」を携えての、ド迫力ライブも話題になった。「BDM」のテーマはそのままに、6/19に2ndアルバム「BGM」をリリースする今回。タイトルは、“BackGround Music”の略で「場所や時間を選ばず、さらに多くの⼈の⽣活のとなるように」との想いが込められている。
そんな、アイドルの型にハマる事なく「最高に踊れる音楽」を発信し続けるばってん少女隊。彼女たちがホームグラウンドとする九州(博多)のおおらかさと熱は、アジア各国を始め中南米、さらには北米からも注目の的。日本から世界へ、さらなる飛躍に期待大、なのだ。
豪華な楽曲制作陣。パフォーマンスで応えていきたい。
左から、星野蒼良、春乃きいな、上田理子、西垣有彩、希山愛。
(この日、メンバーの瀬田さくらが体調不良のため5人でのインタビューとなった)
――今回6月19日にリリースされる2ndアルバム「BGM」は元JUDY AND MARYのTAKUYAさんをはじめ、KEYTALKの小野武正さん、CHAIのユウキさんなどが楽曲製作に携わっているそうですね。
春乃きいな(以下、春乃) : はい。あまりにも豪華で驚いています。父親がJUDY AND MARYさんのファンなので、小さい頃から曲をよく聴いていましたし、私自身も大好きなんです。まさかこうやって関わることができるなんて本当に嬉しいですね。父親に報告した時、とても喜んでいました。
西垣有彩(以下、西垣) : 私は去年、福岡の野外フェス “NUMBER SHOT”でCHAIさんのパフォーマンスを初めて観たのですが、もう観た瞬間から一目惚れをしてしまって。かっこいいし、可愛いし、おしゃれだし。そこからCHAIさんの音楽に興味を持ちはじめて、よく聴くようになったんです。そんな中で今回CHAIさんが作詞してくださることになったので、話を聞いたときは、びっくり仰天でした!
星野蒼良(以下、星野) : きいなと有彩が話すように日本の音楽を引っ張っている方々に、とってもかっこいい楽曲を作っていただいたので、その分私たちもパフォーマンスで返して応えていかなきゃなって思いました。かっこいいものを、私たちの力でさらにかっこよくしていきたいです。
――普段からJUDY AND MARYさんやCHAIさんの音楽を聴いていたとのことですが、みなさんは普段どんな音楽を聴くことが多いんですか?
春乃 : 今まではアイドルの曲をよく聴いていたんですが、ばってん少女隊として活動を始めてからはバンドの曲をよく聴いています。最近はELLE GARDENさんが好きです。
希山愛(以下、希山) : 私もきいなと一緒で、ばってん少女隊はロックなどを意識したかっこいいテイストの曲が多いので、前に比べてKEYTALKさんなど、バンドの音楽を聴くようになりました。
――アイドル活動をする中で、普段聴いている音楽から影響を受けることはありますか?
希山 : ありますね。私が高校2年生の頃に、ばってん少女隊で“ビクターロック祭り”に出演させていただいたのですが、自分たちの出番が終わった後に、はじめてKEYTALKさんやサカナクションさんのパフォーマンスを近くで観ることができたんです。その時に「ロックってこんなに楽しいものなんだ」と身体で感じることができて、自分たちもこうやってお客さんに楽しんでもらいたいって思うようになりました。
「BGM」=2年間を集約した映画のサウンドトラック
――1stアルバム「ますとばい」から2年が経って、みなさんの見た目もぐんと大人っぽくなっていますが、今回のアルバムは、1stアルバムと比べてどんな作品になったと思いますか?
上田理子(以下、上田) : 1stと比べて、曲もさらにかっこいいものが増えて、一曲、一曲にそれぞれ色がついているなと思います。それぞれの曲に変化があって、カラフルな内容になったなって。
西垣 : 理子が言うように、一曲ごとに変化があるので、アルバムを通して一つの物語になっている気がしますね。
星野 : たとえるなら「ますとばい」から「BGM」が出るまでの、この2年間の私たちの映画という感じ。1曲目から12曲目まで順番に聴いてもらって、サウンドトラックのように楽しんでもらいたいです。
――それぞれ「BGM」の中での推し曲を教えてください。
春乃 : 私はTAKUYAさんが作詞と作曲をしてくださった「崇シ増シ×××物語」です。メロディやサビの勢いのある感じが私たちらしくて好きです。
西垣 : 私は「Number Shot」が好きです。3月のZEPPツアーで私たちのライブを一緒に盛り上げてくれたスカロックバンドのメイソンズパーティーさんが演奏してくださっているんですが、生バンドでのパフォーマンスは本当に楽しくって! 歌ったり聴いたりするたびにその時の思い出が蘇って、また一緒にやりたいなぁって。
希山 : あのライブはとても楽しかったよね! 「Number Shot」は歌詞に福岡の方言も出てくるし、歌っている私たちにとっても、歌いやすくて。親近感が湧く一曲です。
上田 : 私はCHAIのユウキさんが作詞してくださった「Killer Killer Smile」が推し曲です。事前にユウキさんが私たちにアンケートをとってくれたんですが、自分の好きなことだったり、その時の悩みだったりを答えたんです。自分たちの気持ちがリアルに歌詞に反映されていて、 “いま”のばってん少女隊がわかる一曲だなと思います。
星野 : アルバムの最後に収録されている「FORCES」はテンポもゆっくりで、ラストを締めくくるのにぴったりな曲。ライブでも最後に歌ったら気持ちいいだろうなって思います。みなさんにも順番にアルバムを聞いてもらって「FORCES」でラストの余韻に浸ってほしいです。
我が街「福岡」から、海外へ
ばってん少女隊 – 「よかよかダンス」ミュージックビデオ(スペシャルVer.)
――「よかよかダンス」が、アニメ「ドラゴンボール」の主題歌になったことをきっかけに、海外でもばってん少女隊の曲が、たくさん聴かれているそうですね。
希山 : そうなんです! もうとにかくびっくりの一言です。想像ができない……!
西垣 : けどYouTubeのコメント欄に海外の方からコメントがあって、ちゃんと聴いてくれて観てくれているんだなって実感しました。
ばってん少女隊 Killer Killer Smile(YouTube Ver.)
星野 : 新曲でもある「Killer Killer Smile」のミュージックビデオは衣装が着物だったりするので、外国の方から見ても日本っぽくて面白いのかなと思いました。勝手に日本の文化を発信している気になっています(笑)。
春乃 : もっとヨーロッパやアメリカの人にも聴いて欲しいから、夢は海外公演!でも、まずは地元・福岡の認知度からあげていきたいですね。
――現在メンバー全員が九州在住とのことですが、福岡を拠点に活動していく予定ですか?
春乃 : そうですね。みんなにもっと九州を好きになってほしい。ファンの方が、「ばってん少女隊を知ってから、福岡に行くことが増えた」と言ってくれるんです。「あの食べ物が美味しかった」とか喜んでくれたり、そういうのがとても嬉しい。
星野 : 東京にいた方が、メディアに出れる機会も多いのかもしれないけれど、「九州をもっと盛り上げたい!」という気持ちが強いので、これからも福岡を拠点にしていくと思います。
西垣 : そうだね。福岡の街でゲリラライブもしてみたいな。不意に通りすがった人にも聴いてもらえたら嬉しい。とにかく今は、みんなに私たちの曲を聴いてもらう機会を増やしたいです。
上田 : 地元・福岡でライブやイベントの回数を重ねていって、ゆくゆくは地元で自分たちのテレビ番組やラジオなどもできたら嬉しいよね。
希山 : 福岡の野外フェス「NUMBER SHOT」にも連続出演できるような、説得力のあるグループになりたい!
「ばってん少女隊」として、新しい形のアイドルを
――同じアイドルでも、AKBグループなどは「卒業後の芸能活動」を見据えてのアイドル活動というイメージが強いですが、みなさんにとっての「アイドル活動」とは?
春乃 : せっかく「ばってん少女隊」としてアイドル活動をし続けていくのだから、自分たちにしかできないことをしていきたいです。
――なるほど。例えば、どんなことにチャレンジしていく予定ですか?
春乃 : 特にやってみたいのは、自分たちだけでライブを作ること。以前ライブ構成を一緒に考えさせて頂く機会があったのですが、それがすごく楽しくて。ライブ衣装やグッズも含めて、私たちプロデュースのライブを作ってみたいです。
星野 : ロックフェスもゲリラライブも、路上ライブもやりたい! 今までアイドルがやってこなかったようなことをたくさんやりたいと思っています。
上田 : ロックフェスに連続出演とかも憧れるなぁ。でも今はまだ私たちのことを知らない人ばかり。まずは福岡から、私たちのことを知ってもらうための活動を頑張ります!
ばってん少女隊
公式サイト
https://but-show.com/
Twitter
https://twitter.com/sdfukuokagirls/
Instagram
https://www.instagram.com/but_show.insta/
2nd Album「BGM」
2019年6月19日 Release
聴きんしゃい盤(通常盤)
仕様:CD Only
品番:VICL-65217
価格:2,800円(税込)
【収録楽曲】
1.Prologue -Message from Outta Space-
2.BDM
3.Killer Killer Smile ※
4.6STARS ※
5.崇シ増シ×××物語 ※
6.己MY self
7.MEGRRY GO ROUND
8.無敵のビーナス
9.ハカタダンスホールベイベー
10.スターダスト
11.Number Shot ※
12.FORCES ※
※…新録
見んしゃい盤(初回限定生産盤)
仕様:CD2枚組+Blu-ray+ブックレット+専用イベントチケット
品番:VIZL-1609
価格:8,100円(税込)
【収録楽曲】
1.Prologue -Message from Outta Space-
2.BDM
3.Killer Killer Smile ※
4.6STARS ※
5.崇シ増シ×××物語 ※
6.己MY self
7.MEGRRY GO ROUND
8.無敵のビーナス
9.ハカタダンスホールベイベー
10.スターダスト
11.Number Shot ※
12.FORCES ※
※…新録
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