阿部真央が待望の7thアルバム『Babe.』を2月15日にリリースした。出産を経て、さまざまな経験を乗り越え生み出されたこのアルバムには「優しさ」や「喜び」「悲しみ」などさまざまな感情が詰まっている。まさに今の阿部真央にしか生み出せないであろうサウンド、歌詞の数々は聴く人の心を強く動かすであろう。今回ミーティアではそんな阿部真央にメールインタビューを実施。『Babe.』を軸にさまざまな話を伺った。
Interview_MIIM
阿部真央 7thアルバム『Babe.』ダイジェスト映像
やはり母親にならなければ感じ得なかった思いがあるので作品の幅が広がりました。
――タイトルの『Babe.』には、阿部真央さんの出産経験や、「作品を生み出す」という意が込められているとのことですが、出産を経て曲づくりにおいて意識の変化があった点はありますか?
阿部:やはり母親にならなければ感じ得なかった思いがあるので、そういった意味では作品の幅が広がったかなと思います。あとは、産休を経ての今回のアルバムリリースや2月からのツアーだったりするので、産後すぐにそのような機会を頂けるのは非常にありがたいことだなと純粋に感じます。
――アルバム制作は今回どのような流れで進められたのでしょうか? 起点となった楽曲はありますか?
阿部:去年の秋頃に、締め切りに追われて…という感じの曲作りでした(笑)。それまでは母親モードからの切り替えがなかなか上手くいかずという感じでしたが、スイッチが入ってしまえばスムーズに書けたなと言うのが今回の楽曲制作の印象です。曲を書き始めて「ノってきたな」と思ったのは、アルバムの1曲目に収録されている『愛みたいなもの』です。
――今回制作にあたって苦戦したところ、また新しく挑戦できたことは?
阿部:苦戦したのは、やはり一番最初のとっかかりです。締め切りにお尻を叩かれなければずっと曲をかけなかったと思います。曲を書いてからのレコーディング等は、今回とてもスムーズに進んだ印象です。新しい挑戦としては、新たな曲の作り方としてフィクションの世界観への挑戦を意識しました。比較的、上手く折り合いをつけられたので、良い試みだったと思います。
――バラードからハードなナンバーまでさまざまな楽曲が並んでいますが、1曲目の『愛みたいなもの』とラストの『背中』、2曲のバラード曲にアルバム全体が包まれているような印象を受けました。『愛みたいなもの』では「この愛よ 永久に散れ」と歌われ、『背中』では「愛してる 愛してる 今日の貴方が一番好き」と歌われています。ともに「愛」がモチーフになっていますが、この2曲は阿部さんにとってどんな存在の楽曲でしょうか?
阿部:まず、『愛みたいなもの』に関しては先に述べましたように、割とフィクションの世界観を大切にしながら書き上げた印象です。核となる悲しみの感情は私の実体験ですが、そこへの肉付けとなる世界には明確なイメージやストーリー設定があって、そこに向かって突き進むのみ!といった感じで作りました。一方『背中』は、母親になって感じた気持ちを素直に綴った歌で、”阿部真央が独り言のように、ともすれば子守唄のように、ポツポツと歌う感じ”というイメージのもと制作しましたので、非常にシンプルな仕上がりになっています。
――激しいロックサウンドを持つリードナンバー『逝きそうなヒーローと糠に釘男』は、ライブでも盛り上がりそうな強い感情が込められた1曲です。この楽曲はどのように制作されたんでしょうか?
阿部真央『逝きそうなヒーローと糠に釘男』MV
阿部:この曲の原案自体は実は2014年の秋頃からあって、その場では書ききれなかったので寝かせておいたのですが、今回のアルバム制作を機に再度着手したという経緯のある曲です。どちらかというと歌詞のメッセージというよりは、歌詞の持つ音としての響きに引っ張られるように書いた曲なので、バンドのサウンドと相まって耳で楽しんで頂ける作品になったと思います。
――『母である為に』がアルバムの中でも特にお気に入りの1曲です。阿部さんのお子さんに対する気持ちが歌詞にストレートに現れていて、不安を抱える一方「母は幸せです あなたが来てくれて あなたの母になれたこと 母はとても嬉しいです」と優しく歌われているところにぐっときました。この曲はどんな思いからつくられていったんでしょうか?
阿部真央『母である為に』MV
阿部:『母である為に』は、先の『背中』同様、私が子供に対して感じている気持ちを書いた歌で、おそらく今回のアルバムの中で一番素直な曲だと思います。誰かに共感して欲しいわけでも、何かを伝えたいわけでもなく、それこそ私の日記のように、着地点もない今の気持ちをそのまま書きました。そんな曲を気に入って頂けているのはとても嬉しいですし、ファンの方にもご好評を頂いているので、様々な意味で大切な曲になっています。
――アルバム全体のサウンド面に関して、聴きどころ、おすすめのポイントはありますか?
阿部:それぞれの曲のテーマが非常にはっきりしているので、そこに沿ったサウンド作りに注力しました。それぞれの曲の世界観に浸って頂けると嬉しく思います。
――最近はどんな音楽を聴いていますか?何か気になっているアーティスト、インスピレーションを受けたアーティストはいますか?
阿部:好きなアーティストさんばかり聴いていますが、最近はBruno Marsをよく聴いています。来世はBrunoみたいに歌が上手くて色っぽい男性になりたいです(笑)。
――2月25日からは大分を皮切りに全国ツアー『阿部真央らいぶNo.7』が開催されます。どんなライブになりそうでしょうか?
阿部:2年ぶりのツアーということで、ファンの方をお待たせしてしまった気持ちが強く、必ずいいステージを届けるぞという思いでいっぱいです。
――『Babe.』をまさに生み出して、今後音楽でどんな表現をしていきたいか、教えてください。
阿部:人生のその時その時を常に正直に切り取り描いて、それを良い曲にして、皆さんにお届けする。そしてそれを持ってライブをする。そういうことが繰り返していけたらとても幸せだと思います。
阿部真央:
2009年1月21日、アルバム『ふりぃ』でデビュー。等身大でリアルのみを綴った歌詞と、バラエティに富んだ楽曲毎に変化する、表現力豊かなヴォーカライゼーションは高く評価され、同世代の女性を中心に幅広い層からの支持を得るシンガーソングライター。デビューイヤーから夏フェスの大舞台でのライブに出演し、その圧倒的な存在感をともなったライブパフォーマンスも高く評価される。2016年5月、産休明け第一弾シングル『Don’t let me down』リリース。7月、東京・大阪でオフィシャルファンクラブイベント『あべまにあ限定イベント2016』を開催。8月20日『WILD BUNCH FEST.2016』、翌21日『SUMMER SONIC 2016』に連日出演し完全復活を果たした。2017年2月15日に7枚目となる待望のアルバム『Babe.』をリリース、2017年2月25日より、約2年振りの全国ツアー『阿部真央らいぶNo.7』(全15会場16公演)の開催も決定している。
阿部真央オフィシャルサイト:
http://abemao.com/
■阿部真央 7thアルバム『Babe.』
発売日:2017年2月15日
【通常盤】(CD only)
¥3,000(税込)/PCCA-04492
【Loppi・HMV限定盤】(CD+DVD)
¥3,500(税込)/BRCA-00078
収録曲:
1. 愛みたいなもの
2. 逝きそうなヒーローと糠に釘男
3. Don’t let me down
4. You Said Goodbye
5. 母である為に
6. この時を幸せと呼ぼう
7. You changed my life
8. Hello,Brand New Days
9. バイバイ
10. gasp
11. POSE
12. 女たち
13. 背中
○Loppi・HMV限定盤特典DVD収録予定
・「You changed my life」Music Video
・「Don’t let me down」Music Video
・「女たち」Music Video
・あべまおらじお~超超番外編~
他
○通常盤 初回生産分封入特典
・あべまおらじお~超超番外編~(DISC PLUSでのDL形式)
■『阿部真央 らいぶ No.7』
2月25日(土) 大分 iichiko グランシアタ
3月4日(土) オリックス劇場
3月5日(日) オリックス劇場
3月11日(土) 神奈川県民ホール
3月18日(土) 新潟県民会館
3月20日(月/祝) 札幌市教育文化会館
3月25日(土) 岡山市民会館
3月26日(日) 福岡サンパレス
4月1日(土) 仙台市民会館 宮城
4月2日(日) 日本特殊陶業市民会館フォレストホール
4月8日(土) 神戸国際会館 こくさいホール
4月9日(日) 京都ロームシアター メインホール
4月13日(木) 徳島あわぎんホール
4月15日(土) 広島アステールプラザ
4月21日(金) 静岡市民文化会館 ホール
4月23日(日) 東京国際フォーラム(ホール A)
チケット料金:全席指定¥5,800(税込)
※未就学児入場不可
チケットなど詳細:http://abemao.com/news/detail/161
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