ライヴに対して苦手意識があったのかもしれないです
――2013年は『さよならメモリー』、『ReReハロ〜終われそうにない夏〜』のリリースがありました。
MAIKO : そうですね。
――『さよならメモリー』はBillboard JAPANのアニメチャートで1位を獲得しましたね。
MAIKO : おお、そうなんだ。
――「そうなんだ」じゃないですよ(笑)。僕はブログを読んで、知ったんですから。
MAIKO : あの……記憶がすぐ(笑)。
KEITA : じゃあ、今、新鮮な気持ちで喜ぼうよ。
MAIKO : あははは、そうね!
――(笑)。この時点でアニメの主題歌を3作も担当したことになりますよね。
KEITA : 僕たち自身も漫画やアニメがめちゃくちゃ好きですし、バンドのコンセプトとして4人がそれぞれ曲を作るから、歌詞の世界観がバラバラにならないように1人の主人公像を統一して歌詞を書くのが、漫画だったり小説だったりの作業に似てるねってよく言われてたんですよ。だから、(アニメ作品で)お声がかかるのかなって自分たちなりに分析してましたね。
――『ReReハロ〜終われそうにない夏〜』は、別冊マーガレットとコラボしましたよね。
KEITA : 漫画家の南塔子さんが曲を聴いて、漫画を描いてくれたんですよね。それは初めての経験だったし、嬉しかったです。
――2014年は『この広い空の下で』、『メロディ・メーカー』、『スタートライン』をリリースして、初のホールワンマンをおこないました。
NANAE : えっと、ホールだと……。
KEITA : 一発目のホールはどこだっけな。
――渋谷公会堂ですね。
MAIKO : うわぁ、そっか。結成10周年か。
KEITA : 3年前だね。
NANAE : 3年前の出来事だったの!? とっても前に感じる。
KEITA : NANAEがMCで泣くやつな。
――その泣いた話を教えてもらっても良いですか?
KEITA :
メンバーとしても『スタートライン』は特別な楽曲だったので、ライヴがより感動的になるようにセットリストの一番最後にしてて。NANAEが最後のMCで結成10周年を振り返りながら良いことを言って、だんだん感情的になってきて、「みんながいてくれたから、いや、あなたが、あなたが、あなたがいてくれたから」みたいな。で、お客さんも引き込まれてて、「それでは聴いてください……『スタートライン』」って曲紹介をして。結構ミディアムな曲なんですけど、(MAIKOの)カウントがカッカッ!って。
――アレ? 速い曲だっけ、みたいな(笑)。
MAIKO : 大変失礼いたしました。BPMが123なんですけど132って打ち込んでて。
KEITA : ど頭のイントロでキーボードとギターの演奏が入るんですけど、そのテンポじゃお客さんも感動できないから、2人が徐々にスピードを落としていって。
――あはははは、帳尻を合わせていく(笑)。
KEITA : な、台無しだったな(笑)。
MAIKO : 超焦った。
――そんなMAIKOさんは『メロディ・メーカー』のインタビュー中に泣いて、一時中断するというハプニングがありましたよね。
NANAE : すごい泣いてるじゃん。
MAIKO : もうね、全作品で泣くんですよ。今日も前のインタビューで泣いてたし。
――めっちゃ泣いてますね。
MAIKO : なんで泣いたんだろう……。
――なんか、前のツアーを振り返って「コンディションがあまり良くなくて、お金を払ってくれてるお客さんに申し訳ない」って話してました。
MICHIRU : そんな話をしてたかも。
KEITA : その時期から、「ライヴが怖くなってきた」って言ってたんじゃない?
NANAE : たしかに、その話はしてたかも。
MAIKO : 前までは「楽しいー!」で進んできたけど、それだけでは済まないっていうプレッシャーが凄かったですね。
MICHIRU : リハをしてても、ドラムが日によって全然違う日があったんですよ。
KEITA : ヒステリック・MAIKOだったな。
MICHIRU : 「今日、めっちゃ良いじゃん」と思ったら、次の日は全然出来なくなったりして。周りから見てても不思議な感じでしたね。
――この頃、バンドとして音楽の向き合い方が変わったんですかね。
MICHIRU : お金を払ってもらってライヴをすることの責任感が、このくらいになると分かってくるんですよ。嫌でも「このライヴには、これくらいのお金がかかるから失敗したらどうしよう」って怖くなっていたと思います。それはMAIKOだけじゃなくて、僕もそうでしたし。多分、バンドにとってそういう時期だったと思います。
KEITA : それもあるし、『ドキドキ』って1stアルバムが出て、次の2ndに向けてどんな曲を作っていくかって時に楽曲のクオリティやアレンジが難しい曲もだんだん増えてきて。練習ではできるのに本番ではうまくいかなくて、それでライヴに対して苦手意識があったのかもしれないです。そこで感極まって渋公のMCに繋がるんですよね。
MICHIRU : この時はお客さんが救いだったよね。どんなにこっちが100%のライヴが出来なかったとしても「良かったよ」って言ってもらえたのは大きかったですね。
アニメがとにかく素晴らしかったので、その世界観をどうやって表現するか。
――2015年には『オレンジ』、『センチメートル』をリリース。特に『オレンジ』は7!!にとって、この曲が作れたことは大きなターニングポイントなのかなって。
KEITA : そうですね。これは自分たちにとって特別な曲だし、代表曲と言っても過言じゃない。
MICHIRU : アニメがとにかく素晴らしかったので、その世界観をどうやって表現するか、どうやって自分たちの色を出していくか考えてましたね。あれはクラシックのアニメだったじゃないですか。バンドとしてそういう世界に関わっていけることが凄く楽しくて。例えば、NANAEがクラシックのコンサートにゲスト出演して、ピアノとヴァイオリンに合わせて歌ってるのを僕らが客席で観たり、普段関わることのない声優さん、原作者の方とも会えて楽しかったですね。
――『センチメートル』の時はヒット祈願のために、縁結びの神様で有名な東京大神宮へ行きましたね。
KEITA : そうそう、行きました! 恋に踏み出せないっていう曲だったので、東京大神宮へ行って、絵馬を書いて。最後におみくじを引いたら、僕だけ「恋愛は諦めなさい」と書かれていて「おい!」って。
――東京大神宮で「恋愛を諦めなさい」って、恋愛運はほぼゼロってことですからね。
KEITA : あははは、そうですよね!
――そして2016年は『FLY/世界を回せ!!』、『きみがいるなら』がリリースされました。
MICHIRU : 『FLY/世界を回せ!!』によって、やっと沖縄県内で僕らの名前が届いた。
MAIKO : MAIKO:沖縄ってオリオンビールのCMがめちゃくちゃ流れるんですよ。あのCMに起用されることは本当に誇らしくて、歴代ではBEGINさんとか、HYさんとかそうそうたる方々が担当されていたので「やったー!」みたいな。
MICHIRU : これで、やっと沖縄のイベントにも呼んでもらえるようになったよね。
NANAE : 「沖縄に住んでるの!?」って驚かれたもんね。
――『君がいるなら』は、ドラマ『勇者ヨシヒコと導かれし七人』のエンディングテーマに選ばれました。これは福田雄一監督が『オレンジ』を聴いたのがきっかけだそうで。
KEITA : そうでしたね。
MICHIRU : 『勇者ヨシヒコと導かれし七人』のエンディングなんて、本当に光栄でしたね。
MAIKO : 幕張メッセのイベントも出られたしね。
KEITA : その時に出演者の方にも会えてテンション上がりましたね。
すぐにミッチーが連絡しなくなりそう(笑)
――ここまでで1stシングルから振り返りましたけど、いかがでしたか?
MICHIRU : どの曲にも思い入れがあって、それぞれに思い出もある。ベストアルバムを出すことで自分たちの活動を振り返ることが出来たので、とても良いですね。
MAIKO : その時の気持ちを作品に残せるって良いよね。
――7!!の大きな出来事としては、MICHIRUさんが年内で脱退を発表しました。これはどういう経緯で決断されたんですか?
MICHIRU : 今年30歳になるので、これを1つの区切りとして新しい道を探していきたいなって。メンバーに相談したら背中を押してもらえたので、これを機にということで。ただ、音楽を完全に辞めるわけではなくて、曲を書くことは好きだし「良い曲を書いたら持ってきて良いよ」って言われているので、また新たな形で7!!をサポートしていきたいと思います。
――じゃあ、これで決別なわけじゃないんですね。
MICHIRU : そうですね。
MAIKO : でも、すぐにミッチーが連絡しなくなりそう。
――ええ!
MAIKO : めっちゃ仲は良いんですよ。だけど……思い返せば「KEITAの家で怖いDVD観よう」って言った時も3人だし、「漫画喫茶に行こうぜ」って時も大体3人だし、MICHIRUだけ常に一歩引いているというか。
MICHIRU : よく気づいたな(笑)。
MAIKO : 思い出の中にMICHIRUがいないことが多いわけよ。
KEITA : 4人で遊園地に行った時も先に帰ったしな。
NANAE : しかも、3人がアトラクションに乗って楽しんでいる時に「僕は先に帰ります」ってメールで報告だけして帰ったんですよ。「アイツ帰りやがった」って。
MAIKO : あと……。
――どんだけ不満があるんですか!?
MAIKO : 4人で北海道へ行って、牧場で戯れている時も馬に乗ったの3人だけ。
KEITA : 「俺、動物嫌いだわ」って。
MAIKO : ミッチーだけ、何かいつも変わってて。だからこそ、7!!に新しい風を吹かしてくれたと思います。
MICHIRU : 今の話だけを聞いたら、すごく性格に難がある人みたいですね。
NANAE : 今回、脱退をするって言った時に驚きはあったんですけど、MICHIRUらしいなと思って。悲しいとか気まずいとかはなくて、今まで通り楽しくライヴはしてるし。ミッチーがいなくなっても、前向きに背中を押せる気持ちになってます。だから全然……イエーイ!っていうか。
KEITA : イエーイは違うだろ(笑)。
MAIKO : あははは! でも、今がめっちゃベストじゃん。
MICHIRU : それだと、俺が抜けることがベストみたいじゃん!
一同 : (笑)。
MAIKO : 今は4人で楽しく音楽に向き合ってるし、4人でもこれでやるのが最後っていうつもりでやってます。
MICHIRU : インタビュアーさんは皆さん、脱退について気まずそうに聞くんですけど、全然ラフに聞いてください。
KEITA : さっきの取材でも、「こんなにほのぼのした脱退の話は初めて」って言われたもんな。
――バンドに色んなドラマがあったことは知ってるし、僕も含めてインタビュアーは今日の取材で泣きに来てると思うんですよ。なのに、ふたを開けたら『君の名は。』を観に来たはずが、『クレヨンしんちゃん』を観ちゃった気分です。
MAIKO : じゃあ、泣きのパターンも録ります?
――いらないっす!
【7!!リリース情報】
ALL SINGLES BEST
発売日:2017年10月4日(水)
【初回生産限定盤 2CD+DVD 三方背ケース】ESCL-4918〜20 5,093円(税別)
【通常盤CD】ESCL-4921 2,778円(税別)
(初回生産限定盤CD収録内容)
DISC1
01. フォーリン・ラブ
02. ラヴァーズ
03. バイバイ
04. スウィート・ドライヴ
05. さよならメモリー
06. ReReハロ〜終われそうにない夏〜
07. この広い空の下で
08. メロディ・メーカー
09. スタートライン
10. オレンジ
11. センチメートル
12. FLY
13. 世界を回せ!!
14. きみがいるなら
DISC2
01. ReReハロ〜終われそうにない夏〜 (Acoustic ver.)
02. 弱虫さん (Acoustic ver.)
03. スノーマン (Acoustic ver.)
04. スタートライン (Acoustic ver.)
05. オレンジ (Acoustic ver.)
06. この広い空の下で (Acoustic ver.)
07. きみがいるなら (Acoustic ver.)
(初回生産限定盤DVD収録内容)
01. 「フォーリン・ラブ」Music Video
02. 「ラヴァーズ」Music Video
03. 「バイバイ」Music Video
04. 「弱⾍さん」Music Video
05. 「スウィート・ドライヴ」Music Video
06. 「さよならメモリー」Music Video
07. 「ReReハロ〜終われそうにない夏〜」Music Video
08. 「この広い空の下で」Music Video
09. 「メロディ・メーカー」Music Video
10. 「スタートライン」Music Video
11. 「Myダーリン」Music Video (Short ver.)
12. 「オレンジ」Music Video
13. 「センチメートル」Music Video
14. 「FLY」Music Video
15. 「きみがいるなら」Music Video
(通常盤CD収録内容)
01. フォーリン・ラブ
02. ラヴァーズ
03. バイバイ
04. スウィート・ドライヴ
05. さよならメモリー
06. ReReハロ〜終われそうにない夏〜
07. この広い空の下で
08. メロディ・メーカー
09. スタートライン
10. オレンジ
11. センチメートル
12. FLY
13. 世界を回せ!!
14. きみがいるなら
-BONUS TRACK-
15.弱虫さん
16.ドキドキ
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