恋愛とクリエイティブの関係性
―でんぱ組.inc以外で衝撃を受けた人はいますか?
東: 前に付き合っていた人がけっこうスパルタで、ぜんぜん褒めてくれないし超毒舌で、最初から全否定みたいな。その人はわたしのことをSNSとか雑誌で見ていたらしく、格好が当時派手だったのに「こいつはリア充感がする」って思っていたらしくて(笑)。それで最初の出会いの時点からディスられてました(笑)。製作も一人だと弛んで怠惰になってしまうタイプだから、ちゃんとそういうのを言って指摘してくれる彼氏が良くて。今は別にそうでもなくなったけど、学生のときは彼氏が出来たらほぼ半同棲みたいな感じが多かった。
MICO: ディスられて、それが原因で喧嘩になったりしなかった?
東: 最初はなんかマネージャーの役割に近かったかな。車も出してくれるし、遠くの本屋さんに行くときも送り迎えをしてくれたり、すごい助かってて。ぜんぜんその気もなく、そういうふうに過ごしていたけど、向こうは虎視眈々と時期を狙っていたみたいで(笑)。社会に出てたら普通上司とかが叱ってくれるじゃないですか。「上司がいない代わりに身近な人が叱咤した方が為になるんじゃない?」って感じでめちゃくちゃ厳しくいろいろ言ってくれて。
MICO: お互い同じような職種、近い場所にいても、その話を一切しないカップルもいるよね。
東: わたしはずっと話している感じだった。でも逆にそっちのほうが有益というか。
MICO: わたしも自分の仕事の話めっちゃするけど、それが原因で余計な喧嘩になったこともあったから。でもそれが自分の人生の大部分すぎて、その話を交えないでどう付き合えばいいかわからない(笑)。
東: 私達のやっていることは定時であがるような仕事じゃなくて、永遠と続く自己と向き合う仕事だからねぇ。
MICO: 何しててももしかしたら何かしらと繋がるかもしれないしね、避けて通れない本当に。
東: その人のことは信頼していたから相談はしやすかったかな。ファッションのこととか詳しいし、頭もいいし、性格以外はめっちゃ尊敬していた(笑)
MICO: それわかるなあ(笑)。
東: 根本的にわたしがやってることは女の子ど真ん中の文化だから、交わるところが少ないが故に理解出来ない部分はいっぱいあっただろうなって。わたしは自分のことを全肯定してくれる人とは絶対に付き合えない。そんな甘やかされた環境だったら一生そのままになっちゃう。だから縷縷夢兎の何が良いのかわからないくらいのテンションでいてくれたほうが、「いつかお前にわからせてやるからな!」くらいの気持ちになって良いのかなって思う。
―そういう意味では当時付き合っていた人のスパルタ的な部分は助かっていたんですね。
東: でも実際、その次に付き合った人もわりとそのタイプで。わたしのやっているクリエイションを支持してくれているというよりかは、普通にわたしを女子として見ていたから。
MICO: 逆にいうとクリエイティブだけが好きで、女子としては好きじゃない子とは付き合えないもんね。その逆は付き合えると思うんだけど。どっちも好きっていうのはすごくまれで(笑)。
東: まれだよね。クリエイションは好きでも内面は…っていう人は多いよね。まぁぜんぜん好きじゃないクリエイションやっている人とは付き合えないけど、ある程度共通部分があれば、メンタル的に通うところがあればね。やっぱり見ている映画が全部一緒じゃない人のほうが良いから。
MICO: 見ている映画が一緒の人は楽しいしリラックスできるし、そういう自分のことを甘やかしてくれる人と付き合いたいと思いつつも、絶対実際付き合う人はそういう人じゃない(笑)
―なるほど(笑)。
MICO: 恋愛がうまくいってると作品もうまくいくとか、逆に恋愛がうまくいってないと作品がうまくいく、っていうのはある?
東: 恋愛がうまくいってないときのほうが良いものができるかなぁ。
MICO: わたしは逆で、うまくいってるときのほうがやる気が出てうまくいくんだよね!
東: わたしは根底がマイナスから生まれるクリエイションだから。でんぱ組の「マイナスからのスタート舐めんな!」的な(笑)。幸せだと、これだけでいいんじゃないかと思っちゃう。
MICO: 幸せだと「やばいやばい!」みたいになるよね(笑)。
東: その人がすごい売れている人だったら家庭に入ろうと思うもん。
MICO: 結婚願望はある?
東: もう超ある。高校生くらいからあるね。考え方が古くて、付き合う人は結婚前提に意識しちゃうし、遊ぶ暇は無い…(笑)「本当にそれ将来のこと考えて行動してる?」っていう気持ちになっちゃう。
MICO: そういう気持ちになるのがわたしは怖いかな。
東: この人がすべてって思える人ができたら全然自分のことはどうでもよくなりそうな気はする。子育てのほうがクリエイティブだと思っちゃう。わたしがやっていること自体が、誰かミューズを決めて、その子の所属する物語を考えて一緒に売り出すっていう、おせっかい愛、母性がベースだから、子どもだったら子どもでいいんじゃないかと思っちゃう気はする。でも一生それだとつまらないなっていうのもある。でもそれくらいの人に出会いたいですね、この人の為なら全てを捨ててもいいぜっていう。でもそういう人は、こんな重い女は嫌なんだろうけど。(笑)
MICO: わたしこれまで影響されがちで、好きになった人の好きなものが好きになっちゃうし、なんなら好きな食べ物まで似ちゃうくらいだったけど、本当にそれってつまんないなと思って。逆だったら超嫌だもん。「何食べに行く?」って言って「MICOの好きなもの食べに行こう」とか言われても、たまには違うものでもいいよという気持ちになっちゃう。ちゃんと自分を持っていないと何にもならないなと。佳苗ちゃんは好きな人には影響されやすいほう?
東: 彼氏の好みのビジュアルには結構寄せちゃう。(笑)その人に「金髪が良い」って言われたらすると思う。できればその人の理想の状態でいたいから。わたしも男の人のことは変えちゃうほうで。
MICO: そういうのはしたことないな。相手が勝手に変わっていったら、「あ、この人ここがあたしと付き合って変わったな」って感じて面白いと思うけど、自分からはないかな。
東: 高校で一番長く付き合った人が、当時わたしがバンドをやってたころのギターの人で。その人はすごく優しいんだけど格好がダサかったら、「わたし色に染めていい?」ってヤバいこと言って変身させた(笑)。
MICO: 何その決め台詞!(笑)。
東: ぜんぜん自分に自信のない人だったから、「佳苗がいうなら好きに変えてください」みたいな従順な感じで、誕生日プレゼントとか記念日の贈り物も全部服にしてた。その人を初めとし、けっこう自分が好きな方向性に彼氏をプロデュースするし、向こうが言ってきたらこっちも寄せるっていう感じかな。どっちもお互いの理想に近い良い状態の方が円満かな、と思うから。私はだいたいロン毛にさせるか髭を生やさせるか服装を変えてますね(笑)。最初はめっちゃ好青年みたいな感じだった人も、ミステリアスな色気系に変身させたり。(笑)
MICO: わたし好奇心が旺盛すぎて最近好きなタイプとかないんだよね。いろんな人にいろんな魅力を発見できてしまいすぎてわからなくなっちゃった。
東: 仕事関係の人とは中々そういう事にならないから、今となっては今までどうやって恋をしてきたんだろうって思う。わたしは、恋愛は恋愛でクリエイティブはクリエイティブで、何かしら影響するとしたら、モチベーションの部分なのかなと思います。そこははっきりと分かれている気がしますね。
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