恋愛と作品の関係性
――恋愛と自分自身の作品の関係をどう捉えていますか?
MICO: 恋愛するのがすごい好きなんです。自分でするのも好きだし、人の恋愛話をきくのも好きだし、人生の中で恋愛の順位が高いです。基本的に映画とかもラブストーリーが好きだし、ラブストーリーじゃない映画でもその中にちょっと出てくる恋愛模様をすごい見ちゃうし、それによって巻き起こるいろいろとかも含めて楽しいなって思って。アトラクションでもなんでもないのにこんなに面白いことってほかにないなと思っているから、あんまり恋してないことがないし、恋してないとしても恋について考えてるタイプ。わたしは恋愛すると好きな食べ物まで似てしまうくらい影響されちゃうんですよ、だからなるべくこの人みたいになりたいという人を好きになりたいって最近は考えてます。
根本: 意外とわたしは関係なかったりします。もちろん好きな人がいて、楽しい気持ちが作品に乗るとかはあるけど。
MICO: 女性アーティストは恋愛がうまくいってると作品がつまらなくなる」ってよく色んな人に言われるんですけど、どうなんでしょうか。
根本: でも人によるよね(笑)。わたしは劇作家で、もちろん歌手ではないじゃないですか。歌を歌う人のほうがイメージがつきやすい。たとえば、1曲ヒットしたらその曲のイメージがつくし、MICOちゃんがソロになりましたってなっても、やっぱりふぇのたすのイメージが残っている人もいるわけじゃん。恋愛の歌をずっと歌い続けている人もいるけど、それはすごいなと思って。わたし恋愛のことをずっと書き続けろって言われたらたぶん書けなくなっちゃう(笑)。
MICO: それはちょっと意外かも。
根本: お芝居の1個の要素としてカップルが出てくるとかがあったとしても、「メインのストーリーを恋愛にして書き続けてください」とかいわれたら無理ってなっちゃうかも。恋愛がうまくいってないほうが面白いものができるみたいなのはわかる部分もあるし…一昨年くらいまでは自分がそうだったかも。そばにいる人に頭にきたこととか、ささいなこととかにすごく敏感だったから、それを書くととてもリアリティがあるって言われたりもしたんだけど、作風が日常劇だから、あんまりそれを続けても劇場のキャパが広がると対応しきれないというか。七列目くらいしかすごいミニマムなものは伝わらないなっていうふうになってきて。書くものとキャパが合わないなって思ったときに、”忍者になりたい女の子”とかそういう要素がやっぱり最終的に物語を飛ばすものとして使いやすかったりするんです。今稽古しているやつも会場が大きいから、いろんな仕掛けがないと伝わらないし、やっているお話は今までと同じなんだけど、見せ方を変えていくみたいな。さっきMICOちゃんも言ってたけど、最近は、自分よりも経験があって、自分が負けないように頑張ろうと思える人と付き合おうっていうのはすごく思ってる(笑)。
MICO: それまではあんまりそうじゃなかったんだね(笑)。
根本: そこにはこだわってなかったかなぁ。
MICO: こだわってるっていうとね、なんか嫌なやつみたいだからね(笑)。
根本: 惹かれた人がそうだったらいいなって感じですね。
MICO: この話をすると「仕事のために恋愛してるの?」ってきかれるんだけど、そうでもないよね?
根本: 一緒に住むとか、長く一緒にいることは一応経験したから、そうじゃない形で人を愛せる自分はどこだろうなっていうのを知りたいなって最近思ってます。実践しようと思ってもなかなか難しいんだけどね(笑)。最近は、”思ったら言う”っていうのも心がけてます。好きだなって思ったら好きっていってる。とっても良いなって思ったら良いって素直に言うし、それって自分で言われても嬉しいことじゃないですか。
MICO: わたしは”この度のわたしの目標”というのを決めて生きてることが多いんだけど、みんなやっぱりやってるんだな、安心した(笑)。
根本: でも特殊な人間だと思うよ(笑)。
MICO: 実践しようと思って実践していくタイプだから、純粋な体験にならないのが悩みで。たとえば大失恋したことがないときに、大失恋をめちゃくちゃしてみたいって思って、それでいざ大失恋したときに、「うわー大失恋できた!」って思っちゃう(笑)。その時点で純粋な体験ではないじゃないですか。でも、たまにそれを超えてくるときがあって。自分がこういう気持ちになりたいと思って、いざそういう気持ちになったときに、「やっぱりこういう気持ちだ」って思ったときはあんまり良い体験にならないけど、ときどきそういう体験したいと思っていたことも忘れちゃうくらいすごい気持ちになるときがあって。やっぱりそうじゃないと、ダメなんだと思います。
根本: 自分は役者もやるから、役者として感情を表現するために、いろんな体験をしてみたいというのはあるかもしれない。「自分の中にない感情だからやれない」みたいなことを言う役者さんがけっこういるんだけど、わたしとしては、普段やれないものをやれるからこそ楽しい。自分に近い役しかやりたくない人って自分のことがすごく好きだし、それだったら一人芝居を自分で書いてやったらいいんじゃないですかって思っちゃうから。
MICO: ミュージックビデオとかってありえないことの連続だから、それが楽しいのはすごくわかる。
根本: 洋服屋で急に歌い出さないしね(笑)。
MICO: 歌い出さないし、カフェの椅子に立たないし、ソフトクリーム投げないし(笑)。全部、本当はやりたいっていうわたしの願望です(笑)。
EVENT INFORMATION (MICO)
”SIS”展示イベント
「SIS ~LOVELY AUTUMN#1 ~ 」
MICO本人が在廊する1日限りの展示イベント
写真の展示やイラストレーターのYUGO.がロゴを担当した新作グッズやSISとして初めて製作するZINEの先行販売
—–
2016年10月16日(日)
at kit gallery http://kit-gallery.com/access/
OPEN 12:00 – 19:00
入場:無料
グッズをお買い上げの皆様に直筆サインを致します。
LIVE INFORMATION (MICO)
LIVEHOLIC presents knitting vol.2
2016年10月29日(土)
OPEN 18:00 START 18:30
at 下北沢 LIVEHOLIC
前売り/当日/(D代¥500別/込) ¥2,500/¥3,000(D別)
出演アーティスト: SHE IS SUMMER/ YOUR ROMANCE / Orland / Omoinotake
EVENT INFORMATION (根本宗子)
渋谷ヒカリエ ShinQs 「CULTURE WEEK」
『実演劇販売』
作・演出 根本宗子
2016年10月27日(木)~11月2日(水)
渋谷ヒカリエShinQsB1F~5F
http://www.tokyu-dept.co.jp/shinqs/event/detail.html/?id=1486
STAGE INFORMATION (根本宗子)
M&Oplaysプロデュース
『皆、シンデレラがやりたい。』
2017年2月
本多劇場
http://www.morisk.com/
SHARE
Written by