ふぇのたす解散後、現在はソロプロジェクト・SHE IS SUMMERとして活動中のMICOによる、「恋愛とクリエイティブについて考える」3ヶ月連続対談企画『LOVELY CREATION』がスタート! 第一回は、劇作家として、月刊「根本宗子」を主宰、映画「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」の脚本・出演など多方面で活躍している根本宗子。お互いに打ち解けあい、リスペクトしあっている空気が伝わってくる対談現場で、”恋愛”と”クリエイティビティ”、この2つのキーワードを軸にお二人にいろいろな面からお話をきいてみた。
インタビュー:三角
撮影:みてぃふぉ
出会いとお互いの対する印象
――そもそもお二人の出会いはどこから?
根本宗子(以下 根本): もともとわたしがふぇのたすを聴いていて、MICOちゃんが舞台稽古を見に来てくれてたんだよね。
MICO: ごとうゆりかちゃんっていう画家の友だちに誘われて、舞台稽古場を見にいったのが一番最初です。「見に行くんだけど一緒に来る?」みたいなことを言われて、会ったことないのに行っていいのか分からなかったけど見に行ってみました。その後、ゆりりんが猫を飼い始めて、それを見に行く会みたいなのもあって、そこでも会ったりしたよね。そのときは確か東佳苗ちゃんとかもいた気がします。ゆりりんは、誘ってくるのも唐突だし、すごく面白くて。まったく知り合いじゃない人同士を、さも当然のように同じ現場に呼ぶっていう(笑)。ゆりりん通して知り合った人はけっこう多いけど、そのうちの一人がねもちゃんです。わたしはもうただねもちゃんが好きだったから、どうしようと思って。プライベートで会ってるのにファン感出してもうざいだろうなとか思ったりして(笑)。
――お互い劇作家、音楽アーティストとして活動されていますが、それぞれの作品に対してどういった印象を持っていますか?
根本: わたしはひたすら”可愛い”っていうイメージがあって。本人がちゃんとアイコンになっているというか、MICOちゃんが歌ってないとダメっていうのがすごくいいなと思って。
MICO: それふぇのたすのときからですか?
根本: そう。ふぇのたすの頃からしっかり真ん中にいる人っていうイメージで、だからMICOちゃんのグループみたいな印象だったんですよ。ミュージックビデオとかでもちょろっと踊ったりするじゃん(笑)。ああいうのがすごく好きで。ふぇのたすの時からMICOちゃんがやってるっていうイメージが強かったから、SHE IS SUMMERになっても、楽曲の内容は違うんだけど、イメージとしてはあんまり変わらなかったです。いろんな人の意見が入ってるのがふぇのたすで、MICOちゃんがセルフプロデュースっぽいのが今なイメージ。
MICO: それは、間違いじゃないかも。むしろ、ふぇのたすに関してはわたしの意志はあまり入ってないです。ビジュアルくらいかな、曲と歌詞については一切何も言わないって決めていたから。言ったのはメジャーデビュー盤の「今夜が終わらない」のときだけ。「どういう曲がいいかな?」っていうのをショウさんからきかれたから、「可愛いのと、ニューウェーブを意識したもの、それの間みたいなのをつくって」って言っただけで(笑)。
――今のSHE IS SUMMERはよりMICOさんが主体になっている印象がありますね。
MICO: いろんな人に自由に考えてもらっているけど、その自由に考えてもらっている部分もわたしが選んでるというか。ここはわたし何も言わないんで好きにしてくださいという部分も全部選んでる。だから、よりわたしっぽくなってるなと思って。CDとか見るとちゃんと自分だと思えて嬉しい(笑)。
――逆にMICOさんから見て根本さんの印象は?
MICO: 仲の良い音楽ディレクターでねもちゃんのファンが多くて、「本当に1回見たほうがいい」って言われていて。すごく気になっていて、やっと行ったのが「今、出来る、精一杯。」の再公演、去年の秋くらいかな。そのときは、いろんなつらいことがあった時期で、バンドも解散しているし、プライベートもうまくいかないというか…わたしどっちも一緒になっちゃうんですよ、仕事が良ければプライベートも良いし、みたいな。波が一緒で、救いがないときは本当に救いがなくなる感じ。だから、救いがない感じの時期に、ちょうどわたしが悩んでいたようなことが劇に散りばめられていて…台詞とかがかなり刺さってめちゃくちゃ泣きました。わたしの中にある気持ちを残したいと思うときに、わたしは歌詞を書くけど、それを何かの物語にして、そういう体験をしていない人にもそういう体験をしたかのように書けるってどういうことなんだろうってすごい不思議に思って。自分の中には絶対にないというか、できないことで、単純にすごいなって思います。
根本: SHE IS SUMMERになってからはすごく歌詞に物語性が増した感じがする。
MICO: 確かに。ふぇのたすの曲は本当は深い意味がいっぱいあるんだろうけど、一見言葉遊びっぽい歌詞だしね。「とびきりのおしゃれして別れ話を」のミュージックビデオで、初めてストーリーものができたこともすごく嬉しかった。ずっとミュージックビデオでストーリーものをやってみたかったけど、やっぱりふぇのたすには合わなくて。今回はもっと生っぽいというか、今までカメラの前では恥ずかして出せなかった顔とかも出そうと思ってあのビデオを撮って。見出しとかがつけやすいようなミュージックビデオを撮りたかったから、一番最初にわたしが出した案は、男の子を100人いろんな振り方で振っていくミュージックビデオ(笑)。「それけっこう衝撃的だねー!」って盛り上がってたんだけど、「さすがに違うんじゃない?」ってなってボツになりました(笑)。
根本: MICOちゃんは本当にストーリーものが好きだよね。
MICO: 好きだな。ストーリーがある歌詞のほうが好きなことが多いし、ストーリーが見えてくる歌詞、ただ単語を並べているだけなんだけど、その二人の関係性がわかるというか、そういう歌詞も好きだし。
根本: アーティストだと誰が好きなの?
MICO: 歌詞が好きなアーティストはSMAP。昔のSMAPの歌詞がめちゃくちゃ好きで。どの曲もちゃんと架空の”SMAPくん”みたいな男性像があって、「たいせつ」「しようよ」「セロリ」とかめちゃくちゃ聴いてます。わたしがリアルタイムに経験していない時代だからより憧れがあるというのもあるけど、どの曲を聴いても同じ二人な気がするように思えて、その感覚がめちゃくちゃ好きです。
根本: ドライブしているところが見えるとかだよね(笑)。やっぱりストーリーがあるよね。
MICO: かなりある。全部が全部同じ人が作詞してないと思うんだけど、考え方が同じ男の子だなって思うっていうか。いろいろな楽曲を聴いているうちに、ドラマ一本分見たくらいの気持ちになれるからすごく好きです。
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