世界的DJ「マシュメロ」、その覆面に隠された素顔とは？

謎多き覆面DJ、マシュメロとは？

「Marshmello（マシュメロ） 」、彼の姿をなんとなく知っている人も少なくないだろう。でも「彼の音楽」ならば、誰もが一度は耳にしたことがあるはずだ。

Marshmello ft. Bastille – Happier (Official Music Video)

「Happier」「Alone」などの世界的ヒット曲を量産し、世界中のビッグフェスに出演。様々なアワードでその名が上がるマシュメロは、SNSやYouTubeチャンネルも大人気。

さらにはつい先日、ヨーロッパのクラブチームNo.1を決める欧州随一の大会「UEFAチャンピオンズリーグ 2020-2021」の決勝戦でパフォーマンスするなど、ダンスミュージックのみならず、今や世界のエンターテインメントシーンで注目を集めている。

Marshmello – Alone (Official Music Video)

マシュメロといえば、そのトレードマークは“覆面”。

また、YouTubeでの活躍はもとより世界最大級のオンラインゲーム「フォートナイト」内で初めてライヴを行うなどデジタルの世界でも一際大きな存在感を放ち、さらにはメジャーレーベルに属することなく、インディペンデントを貫いていたり、他のアーティストとは一味違うパーソナリティの持ち主だ。

Marshmello Holds First Ever Fortnite Concert Live at Pleasant Park

果たして、そんな彼の根底にあるものとは……？
そして彼がスーパースターへとなりえた所以とは……？

今回はマシュメロ本人の言葉とともに、あまり語られることのない彼の魅力を紐解いていく。まずは、誰もが気になる「覆面」について。

マシュメロが「覆面」をしている理由

マシュメロが覆面を被ることになったきっかけ、それは彼の「マネージャー」だった。

（覆面を被って活動している理由は）とてもシンプル。僕のマネージャーであるMoe Shaliziが他のDJとの差別化を図り、ファンとの間にポジティブな関係を築く（安全な）場所を作るために考えたアイデアなんだ。初めてその話を聞いたとき、面白いアイデアだなと思ったよ（Marshmello）

「覆面を被る＝正体不明」であることは、ある種、人間性や個性などを切り捨て、この世界で埋没してしまう可能性がある反面、アニメや映画のヒーローのように大きな広がりを見せることも可能であり、マシュメロは見事にそれをやってのけた。

グローバルなフェスで活躍し、自身のYouTubeチャンネルは5,000万人の登録者を誇る（2021年7月現在）。多岐に渡る活動を経て「マシュメロ」というブランドを構築していったのだ。

Marshmello – Shockwave (Official Music Video)

マシュメロの覆面は、覆面の持つ可能性を最大限に発揮している。覆面を被れば誰もがマシュメロになれる面白みがそこにはある。「マシュメロ＝覆面」というアイコンを共有することでファンを繋ぎ、ポジティブな関係性を築いてきたと言えるだろう。

また、覆面であることで彼は「自由」をも手に入れた。

（覆面のメリットは）覆面をとることができることだ。しかも、そうすれば普通の人になれる。それが僕が成功した理由の1つだと思う。これを着ければ自分自身の全てが消えて、僕はただのMarshmelloになれる（Marshmello）

今やスーパースターであるマシュメロは、人前で徹底して覆面を被るからこそ、脱いだ時に“普通の人”でいられる。それはきっと彼のクリエイティビティにも大きな影響を与えていることだろう。彼は匿名性をうまく使いこなした、まさに現代的なアーティストなのである。

（覆面の有無を問わず）僕のパーソナリティは同じだ。今では覆面を被っても被らなくても本当の自分でいられるようになったよ。結局のところ、それは今も昔も僕の一部なんだ（Marshmello）

つまり、マシュメロはあくまで「マシュメロ」でしかないのだ。