ただ生きているだけではただ過ぎていく毎日を
無理矢理にでもキラメかせるべく
無茶苦茶なトキメキに飛び込んでいく
連載1月号
「なんか〜別に一緒にいて楽しいんだけど〜
好きってもっと苦しいもんじゃん?」
とか言っちゃうそこのペッペケペーに送ります。
極端な例で申し上げましたが、思い当たる節さえあれば喉元がグッとしたでしょう。
あなたはいつかうっかり出会ってしまった何に「恋」と名付けてしまっていますか?
令和、2020年。
時代を改めしっかりブッ始めていきましょう。
make.9
〜 何に恋と名付けるか 〜
あたしの「恋」は2種類あります。
ひとつは、降り積もる雪の魔力で城で国みたいな「恋」
生まれ育った北海道で数え切れない恋をした背景も影響していると思いますし、あと雪をモチーフにした曲が国で流行るたびに「何がわかるんだ?」と思ってもいました。これは関係のない話です。
好きな人が世界になって、それが幻じゃない、絶対的で確かな「恋」
生涯で数えられるほどしかない瞬間を重ねた人だけが「恋人」のフォルダに記録されています。
もうひとつは、キラキラがダダ流れている「恋」
散々書き留めてきた「トキメキ」や、後述の「色恋」にも含まれるし、前述の「恋」でも起こり得るハッピー状態。
恋愛だけに限らなくても良い、自分を楽しくするためのものかもしれません。
人目も厭わず大好きモードで駆け回り、かつ過ぎ去ったあとも「好き」のフォルダに保存できるものです。
ふたつの「恋」は、超あたし力に変換されて毎日の種になります。
そしてこれらのように、あたし年表にいちいち書かれることはないだろうが、それっぽいニセモノをホントウみたいに楽しんでいた諸々を「色恋」と言うラベリングで分類しています。
フォルダ名は「その他」です。
見ることがなければ見つかりもしない場所に残るだけの欠片たちだとしても、ゴミ箱には入れません。
将来結婚をする相手がどんな人間だろうと絶対に世界一幸せにできるようたくさんの恋をする。と決めたあたしの人生なので。
全部自分のなかでわざわざ言語化する場合にのみ適用される感覚的な定義の話。
近年まで恋人フォルダに保存されるのではなく、ずっっっとデスクトップ背景に設定されていた「恋」があります。
彼を、彼といた時間を「恋」と定義してしまったが故にやべえ感じになっていた時期どころかもはや年月。
冒頭の迷えるペッペケペーにも、きっとそういう「恋」があったのでしょう。
かつて雪の王子様に君臨していた、いやこれからも一生、ていうか本気で王子様だなんて思えることは普通一度だってない、奇跡のたった一人。
一目惚れの瞬間は空気中の粒子がキラキラしたけど、恋愛が大好きだったあたしにとっても未知の衝撃で、一年後に親しくなっていくまでそれが恋だとわからなかった。
終電を逃した静かな雪の帰り道、手を繋ぐとか腕を組むとかじゃなくて、もうほとんど抱き合いながら歩いちゃうくらい好きだった。
彼そのものが好みそのままだったといえばそうだけど、今でも見た目や性格、声や姿勢まで大体の好みは彼で形成されたままだし、流星群の夜にはそっと抜け出して屋上に忍び込みたいし、電話の末に自転車で会いに来ちゃう人にはうっかりテンションを上げてしまう。
瞬間をいくつも覚えている、人生で一番誰かに話したいことの題名で、一番の名画。
あたしの例えは幸せな体験に寄ってしまったけど、それがどんな形でも。
全部みたいな「恋」が、自分最大の思春期に起こってしまったら、それを「恋」と名付けてしまうのは仕方のないことです。
運命の人が、一人につき一人、必ず世界のどこかにいるとして、それが自分にとってどんな存在か、生きているうちに出会えるかどうかすらわからないものだとしたら。
あたしは”最高の時期に出会えてしまった”人だと思っています。
厄介なくらい幸福なトラウマ。
出会ったのならその時点で奇跡なので、超えられるとか比べるとか、馬鹿げたことだと思いません?
つまり偶然出会った違う誰かと、全部が同じ「恋」じゃなくていいし、そんなわけないし、それじゃつまんないでしょう。
とはいえ言葉で解決できるんだったら、とっくに脱出できているってことも知ってる。
どう考えたってなきゃいけなかった存在を消そうとしたり塗り替えようとしたって綺麗にはならないに決まってるんだから、好きなだけ大事に認めて抱きしめ続けたらいいと思います。
ただし今近くにいる人を絶対に傷つけない覚悟もしくは凌駕する魅力を持って振る舞うように。
どんな気持ちにも、自分のなかで名前をつけてあげるのは必要です。
無理矢理カテゴライズしろってことじゃなくて、どうしてとかどんなを丁寧にほどいていくように。
既にあるものに当て嵌めるんじゃ新しい気持ちにも気付けないし、意外と自分のことって真剣に考えようとしないとわからないから。
もしかして彼や恋を忘れられないんじゃなくて、今の自分を守るためにあの頃の自分に縋っているんじゃないかとか。
人生のその瞬間を共にするパートナーという存在をそこに選ぶこともあるので、世間で言う「恋人」という言葉がしっくりこないこともあります。
恋に限らず相手への好奇心や探究心、相手といると楽しいとか学べるとか知らないものに出会えそうとか、自分にとって何か意味があって相手のことも幸せにできるのであればなんだっていいと思っています。
よく考えたら「おもしろ」のフォルダに保存された人もいるな。
いつだって大切な人を笑わせられたらそれでいいし、それを阻む場所で戦うなら手を引くし、それ以上に守るべきことなんてないです。
あたしが名付けた「恋」のような気持ちを、今あたしに向けてくれる人を愛してみてもいいかな。
恋と色恋と好きと大好きと恋人と好きな人は全部違うけど全部本当。多分ね。
ちなみに最近のあたしは、2020年ってなんか楽しいから記念に結婚するとかいいかな週間に続いて、今結婚するとかなんか普通すぎてつまんないからなし週間が来ています。結婚の予定はないです。
そのくらい思うまま生きたっていいと思うけど、その分周りで起こることの回収も自分でできるようにって話はまた今度。
まだ「恋」を定義できていなくても大丈夫。
あなたの運命の人は恋人じゃなくていいし、運命を委ねるのが恋じゃなくてもいいです。
ただ、少女漫画みたいな恋はあるよ。
どうしたって変わっていく毎日をおいていけるくらいに駆け抜けられる自分をつくっていかなきゃならない。
トキメキを知っているあたしたちがトキメキ続けるには、トキメキを更新するしかないのです。
構築でも、開拓でも、滅茶苦茶にでも、自力で。
ここまで読んじゃったあなたが、なりふり構わず信じて駆け出せる自分だけの絶対と出会えますように。
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