ただ生きているだけではただ過ぎていく毎日を
無理矢理にでもキラメかせるべく
無茶苦茶なトキメキに飛び込んでいく
連載8月号
今回は“初体験”をお送りします。
知らないことに飛び込む瞬間のドキドキとその先で出会うトキメキの連鎖、いくつになっても更新・体感し続けないと人生ってつまんないでしょ。
make.4
〜 初体験・コスプレ編 〜
巡音ルカになりました。
一度は着たいドレスみたいな憧れと、きっと体系が映えるからという邪さでいつかしてみたかったコスプレ。
ボカロは、そういうものに興味もなかったあたしを惹き込んだ衝撃的な存在で、実行するなら初めては絶対に彼女が良かったのでできてよかったし、してよかったなと思っています。
ちなみに初見の方々の困惑にお答えしますと身長は170cm、頭身は実寸ままです。よろしくお願い致します。
高校生のあたしは典型的な「アニメ?ゲーム?はあ?プリ撮ろ!」なタイプでした。
ボーカロイドに出会うまで。
きっとあのときも「ボカロの…」「初音ミクって…」と切り出されていたら聴かなかった。
ただ「絶対好きだから聴いてよ」と渡されたのが、恋愛モノの名曲ばかりを集めた“歌ってみた”だったのでした。
実はボカロと由縁のある高校で、そんなことは知る気すらなく恋と音楽とその他全部をアホ丸出しで愛し騒ぎ散らかしていたあたしを何故か撃ち落とす先輩の策略にまんまと嵌り、翌日の彼氏とのプリクラは読めないくらいにキラキラな「世界で一番おひめさま♡世界でわたしだけのおうじさま♡」で埋め尽くされていました。
これがどういうことかというと、調子に乗った状態でsupercellの「ワールドイズマイン」を聴いた後、やさぐれた気持ちで倖田來未の「人魚姫」を聴いてもらえばわかると思います。
思い描く姿形に差はあれど、ギャルもオタクも恋をしている瞬間が一番可愛いお姫様。万人共通。大体一緒。初音ミクは倖田來未。
双方と密に思春期を駆け抜けたのでそれは違うんですけど、そういうことです。
わからなかったら恋でバグって出直してください。
何より、後日「はつねみく」を調べて素直にのめり込んでしまえたのは、未知の文化と単純な衝撃。
毎日を野性と体感で取り込むばかりだったから、そんなところに誰がつくったのかもわからない、とんでもなくかっこいい世界が無限に広がっているだなんて思いもしなかった。
いろんなものと繋がって、抵抗がなくなって、こんなにかっこいいんだって思えて、今だってアニメやゲームにさほど興味があるわけではないし、プリ撮ろ!に変わりはないのだけど、あたしにとってはあの衝撃そのものが大きな変化だったのです。
興味を持って好きになれるものに制限がなくなったってそれだけで。
知らないものとか、知らない好きなことを楽しそうに話し続けるオタクとか。
遭遇と衝撃ってきっと自分が止めない限りは一生尽きない。
もう飛び込みもせず「若かったからだよね」なんて言えるから止まってるだけ。
なんだってひとつ素敵が手に入るとその先も捕らえたくなって止まらなくなる瞬間が好きに決まってるんだから、興味のないことほど迎えに行きましょう。
いざ今回踏み出したキッカケは、自分でピンクになったことと、この連載にかこつけて今までより広く飛び込みたいと思ったこと、ちょうどルカさんが十周年でこの記事の公開日がミクの誕生日だってこと。
そして周りの人たちの愛にラスボスのお言葉が君臨したから。
どんなに、それはもう頭がおイカレになられてんのかと思うほどに好き勝手しても、あたしが本気で決めたことには一度も口を出してこなかったお母様が、ルカのライブ映像を観て「あんたじゃん。やんなよ。」「実写化とか、ある意味あんたほど合う人はいないよ。」って、あれ、こういうの初めてじゃないかなって思ったからです。
今までもいろんな人から熱心に勧めてもらうことは多かったし、じゃあやんなきゃなって気持ちだったんですけど、感想は「良いんでしょ」でした。そうですか。
今は「踊ってる映像も載せな」と言っています。お母様、考えてはおきますが、それは”踊ってみた”といいます。
他人が勧めてくれることって客観的に向いていることであり、誰かが自分をちゃんと見つめて見つけてくれるってだけでも応えて広げてみるべきなのでとっても大事。
そういえばどうしてミクからルカさんを好きになったかって、とびきりかっこいいピンクだったからで、今あたしが黒髪だったらなっていたのは迷う余地なくセーラーマーズでした。
また誰かになってみようかな。
今回は靴だけ超感覚でつくったけど、一歩目で壊れたけど、そもそも思い描く誰かを丁寧につくってみたいな。
自分のままで自分じゃない誰かになる楽しさって、少しモデルと通じてるかも。
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