人気シリーズ『十二国記』。ファン待望、18年ぶりの新作長編がついに発売。
小野不由美の人気シリーズ『十二国記』の新刊「白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)」が、2019年10月12日、新潮文庫から発売されました。
同作は、全4巻から構成される新作長編。今回発売となったのは、その第1巻・第2巻です。新刊が出るのは、実に18年ぶりのことで、4月にTwitterにて告知された発売情報は、あっという間に拡散され、現在では6万RTを超えています。Amazonの9月月間書籍ランキングでは、第3巻・第4巻(2019年11月9日発売)を含めた全4冊が1~4位を独占(文芸・評論ジャンル)。あらためてシリーズの人気が浮き彫りとなりました。反響を受けて新潮文庫では、史上最高となる初版50万部を用意し、大ヒットに備えています。同作が2019年を代表するベストセラーとなるかもしれません。
お待たせしました! 待望の「十二国記」新作長編の発売日が決まりましたので、お知らせいたします。今作の大長編は全四巻で、10月、11月二ヶ月連続刊行となります。一、二巻が10月12日(土)、三、四巻が11月9日(土)発売です!(通常の新潮文庫新刊発売日とは異なるので、ご注意ください) pic.twitter.com/kj1JUZQDRj
— 小野不由美「十二国記」/新潮社公式 (@12koku_shincho) April 19, 2019
『十二国記』シリーズとは
『十二国記』は、神仙や妖魔の存在する異世界を舞台にした小野不由美のファンタジー小説。異世界に存在する十二の国がタイトルの由来となっている。これまでに長編・短編など含め、10作以上が発表されているが、シリーズ全作品に共通する主人公はおらず、どれを本編、どれを外伝とするかは意見が分かれる。過去に講談社から最初の出版がなされた作品もあるが、現在は新潮文庫から出版されており、過去全作品が同社から再出版されている。2002年にはNHKでアニメ化。小説に続き、こちらも高い評価を受けた。同アニメのDVD・Blu-ray化のほか、ゲーム化やコミック化、脚本集・画集の発売、ドラマCD・音楽CDの発売など、さまざまなメディアミックスを展開。今回の最新作発売を受けて、同作はまた新たなフェーズを迎える可能性がある。
小野不由美のプロフィール
大分県中津生れ。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に在籍。「東亰異聞」が1993(平成5)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり、話題を呼ぶ。2013年、『残穢』で山本周五郎賞受賞。著書に『魔性の子』『月の影 影の海』などの〈十二国記〉シリーズ、〈ゴーストハント〉シリーズ、『屍鬼』『黒祠の島』『鬼談百景』『営繕かるかや怪異譚』などがある。
「白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)」あらすじ
第1巻
戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!
第2巻
民には、早く希望を見せてやりたい。国の安寧を誰よりも願った驍宗(ぎょうそう)の行方を追う泰麒(たいき)は、ついに白圭宮(はっけいきゅう)へと至る。それは王の座を奪い取った阿選(あせん)に会うためだった。しかし権力を恣(ほしいまま)にしたはずの仮王には政(まつりごと)を治める気配がない。一方、李斎(りさい)は、驍宗が襲われたはずの山を目指すも、かつて玉泉として栄えた地は荒廃していた。人々が凍てつく前に、王を捜し、国を救わなければ。──だが。
第3巻
李斎(りさい)は、荒民(こうみん)らが怪我人を匿った里(まち)に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗(ぎょうそう)の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒(たいき)は、妖魔によって病んだ傀儡(くぐつ)が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選(あせん)に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。
第4巻
「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。地の底で手にした沙包(おてだま)の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒(たいき)は数奇な運命を生き、李斎(りさい)もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗(ぎょうそう)の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎(けだもの)を玉座から追い落とすため。──戴国の命運は、終焉か開幕か!
11月9日(土)発売、第三巻、第四巻の書影を公開します。三巻は、命を賭して王の行方を追う女将軍・李斎。四巻は、驍宗から地位を奪い取ったはずの阿選が描かれています。それぞれの負う人生を彷彿とする圧巻のイラストです!https://t.co/aQagk1eMN8 pic.twitter.com/EuMwdInlo8
— 小野不由美「十二国記」/新潮社公式 (@12koku_shincho) October 12, 2019
十二国記
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