倉田裕也ワールドを味わえる見ごたえ十分の個展が3年ぶりに国内にて開催
Hiroya Kurata ‘Bridge Fishing 2’ 60 x 48 x 1.75in (152.4 x 121.9 x 4.5cm), 2022
原宿に位置するアートギャラリーThe Massにて日本では3年ぶりとなる倉田裕也氏による個展「Summer Hours」が2022年8月27日から9月25日まで開催される。
本展では新作キャンバス作品が計18点発表され、身近な日常の風景を描く倉田氏の作品は、その素朴な光や一瞬の光景、言葉では例えられない内面的な感情を絵画に浸透させることで”今しか描けないもの” を表現しているものばかりだ。
本展覧会のタイトル、「Summer Hours」という言葉の通り、夏の明るく眩しいほどの陽の光や、大きな木々から降り注ぐ木漏れ日、はしゃぐ子供たち、水面に映る景色や満月の月明かりなど、どれも季節感と風情を反映させた作品群となっており、作品に登場する人物たちの表情はあえて単純化されている。
デフォルメを用いたその自由な描写によってより馴染み深く、キャンバス一面に広がるユーモラスな絵画世界は要注目だ。
Hiroya Kurata ‘Wild thing’ 183 x 147.5 x 4cm, 2022
倉田氏は世界中を混乱させたCOVID-19のパンデミック以降、自然の中で家族と過ごす時間が多くなる中で、身近な景色を被写体とし自身が撮影をした写真をベースにドローイングを描き起こし、以前のフリーハンドで描くスタイルから徐々に変化を遂げ、キャンバスに落とし込む現在の表現にたどり着いている。
油彩による丁寧な筆のタッチと日常生活の様々な場面からインスピレーションを受け描く構図は時に漫画的であり、馴染みのある風景と融合させ、23年間ニューヨークを拠点にしている自身の生活を投影しながら、日記を綴るように描いてきたという。
Hiroya Kurata ‘Into the Creek’ 183 x 229.5 x 4.5cm, 2022
環境やコンセプトは出来るだけ固定せず制作に挑み、常に柔軟に自身と向き合いながら描いてみたいものを描いてきた倉田氏の自由で個性的なスタイルは、作風に変化は見られるものの一貫して身近な存在を観察し、マスメディアや大衆文化と対極に潜む内面的な魅力や豊かな感性から見出される景色を独自の目線で解釈し、自身の制作の中で常に探究を続けているものと言えるだろう。
倉田 裕也(くらた・ひろや)
1980年 大阪府生まれ。2003年にパーソンズ美術大学を卒業し、約23年間ニューヨークを拠点に制作を続けている。
近年の展覧会では、Ross + Kramer Gallery(ニューヨーク、2018)、Monya Rowe Gallery(ニューヨーク、2019)、Over The Influence(香港、2021)での個展をはじめ、SPRING/BREAK Art Show(ニューヨーク、2019)での展示に参加している。
日本での展覧会は、Destroy Your Habits(東京、2021)でのKoichi Satoとの2人展、PARCEL(東京、2021)でのグループ展に参加。
国内での個展はKOKI ARTS(東京、2019)での展覧会以降、約3年ぶりの開催となる。
Hiroya Kurata ‘Summer Hours’
会期期間:2022年8月27日(土) – 9月25日(日)
営業時間:12:00-19:00 ※月曜日・火曜日定休
会期場所:The Mass 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-11-1
お問合せ:03-3406-0188
info@themass.jp
themass.jp
美しい情景と人物のコントラストが生み出すどこか懐かしく、ユーモラスな作品群を夏の締めくくりとして覗きに行ってみてはいかがだろうか。
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