男女7人組のスーパーパフォーマンスグループ・AAAに所属する日高 光啓のソロ名義・SKY-HI。彼の魅力を一言で説明してしまうなら”新しいサウンドをポップフィールドに盛ち込み続けているアーティスト”ということになるだろう。安室奈美恵など最新のサウンドをメジャーのポップフィールドで展開しているアーティストは近年少しずつ増えてきたが、まだまだ数は足りていないのが現状だ。
そんな中SKY-HIという人物は最新のサウンドをいち早く取り込み、そのクールなビジュアルと見事な歌声・パフォーマンスで見事にメジャーの場で展開している。今回は、ダンス編に続く後編として、SKY-HIの楽曲の魅力を掘り下げていきたいと思う。
《SKY-HIツアー直前特集~前編~》SKY-HIが絶大な信頼をよせる人物とは?
何回だって踏み潰されて生きよう―「カミツレベルベット」
まず紹介したいのが「カミツレベルベット」だ。「カミツレベルベット」はカミツレという植物とベルベットの合成語。”踏まれれば踏まれるほど丈夫に育つカミツレのように、しなやかで美しいベルベットのように、そんなふうに生きていきたい”というSKY-HIの思いが込められている。
もうとにかくサウンドは”かっこいい”の一言だ。ファンクやディスコの要素を見事に取り込みポップソングとして素晴らしいものに昇華している。特にサビへの入り方(“愛し合いたい”、”間違いじゃない”)は完璧で、ライブでのファンのシンガロングの様子が目に浮かんでくるようだ。また、単体で聴いたときと、アルバム『カタルシス』で聴いたときの印象がまったく違って聴こえる不思議な曲でもある。ぜひアルバムで通しても聴いて欲しい。「何回だって踏み潰されて生きよう」と前向きになれる歌詞もこの曲の魅力だ。
Future Bassをポップフィールドでやってくるとは―「Limo」
次に紹介したいのは「Limo」だ。この曲を聴いたとき正直驚いてしまった。「”Future Bass”のサウンドをメジャーのポップフィールドでやっている人がいる!」と。
厳密にいうとFuture Bassではないが、随所随所にそれを感じられる要素が詰まっている(水音、キラキラしたイルカのようなシンセ、キーをあげたコーラスの声など)。実は『カタルシス』収録の「Count Down」もFuture Bassを取り入れた見事なサウンドになっている。自分はこの2曲ですっかりSKY-HIにはまってしまった人間だ。
日本のメジャーポップフィールドでこういった最新の尖ったサウンドをどんどん取り入れているアーティストは本当にまだ数が少ない。ジャンルなんてどうだっていいが、こうやって新しい音をポップフィールドに放り込み世に広げていく活動は素直に尊敬したい。
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まるでジャスティン・ティンバーレイクのようだ―「スマイルドロップ」
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