こんにちは、雨のパレードのボーカル、福永浩平(ふくなが・こうへい)です。
「漫画deトランス」の連載も、今回で3回目なので、記念すべき第1回目のゲストを呼んでみました。同級生の、福永誠(ふくなが・まこと)。僕の親友です(笑)。『Story』という曲のMVに出演してもらったから、雨のパレードを聴いてくれている人のなかにはピンと来た人もいるんじゃないかな。
(雨のパレード『Story』MV。冒頭から1サビまでに使われている結婚式の映像が、誠さんの実際の結婚式)
マコ(福永誠)とは小学校3年生の時に同じクラスになって以来の仲。たまたま名字が同じで、当時は身長もほぼ一緒だったので、名前順でも身長順でも近くて自然と仲良くなりました。今回の『漫画deトランス』は、そんな地元の親友と共通の大好きな漫画『鋼の錬金術師(荒川弘)』について語ります!
福永、親友の家を出禁になる
――というわけで、ここからは聞き手が入ります。お2人は小学校時代からの親友ということですが、お互いの家を行き来することもあったんでしょうか。
福永 : よく遊びに行ってました。遊びに行きすぎてマコの家を出禁になったことがあるんですよ(笑)。僕は昔から、友達と遊ぶ時は100%でずーっと遊びたい人で。マコはそれに嫌々言いながら付き合ってくれるんですよね。その時はマコに家族の用事があった時で、でも家族に嘘をついて僕とずーっと一緒に遊んでいてくれていたんです。その嘘がバレて「もうあの子とは遊ぶな」と言われてしまって(笑)。それ以降は隠れて一緒に遊んでましたね。
マコ : 高校生の頃には秘密基地つくったよね。
福永 : そうそう(笑)。竹で2階建ての秘密基地をつくってね。めっちゃ本格的にやった。
マコ : あれで建築を学んだよね。
――福永さんは、マコさんの奥さんにはまだ出禁にされてないんですか?
マコ : 良いとこ突いてきますね(笑)
福永 : そこなんですよ!! そろそろマコの奥さんが僕に愛想つかしてきてる感じがする(笑)。マコとは昔から、同じゲームを同時に始めてどっちが強くなれるか、ということをよくやっていたんですけど、今はアプリだから遠隔でもできるじゃないですか。朝までオンラインでしょっちゅうやってるんです。そういうのを見てるからそろそろ出禁になるんじゃないか……。遊びだけじゃないということを今回の対談で証明しようと思います!!
――2人とも名字が同じ「福永」ですが、表記どうしましょうか。
福永 : じゃあ、(浩)と(誠)でお願いします。僕ら、テニス部でダブルス組んでいた時期もあったんですけど、その時のゼッケンに(浩)と(誠)と書かれていて。マコ1人だけフルネームで書かれるという(笑)。
――じゃあここからは福永(浩)と福永(誠)でいきましょう。
ダークファンタジーの入り口としての『鋼の錬金術師』
福永(浩) : 『鋼の錬金術師』は、僕らが少年から大人になる時期に読んだ少年漫画のひとつなので特に思い入れが強いんです。今も少年漫画は読んでいるけど、少年時に読む少年漫画ってすごく人格形成に影響すると思うから。読み始めたのは確か小学6年生の頃。7巻まで出ていたと思います。連載媒体だった『月刊少年ガンガン』は月刊誌だから、コミックスがなかなか出ないんですよね。『鋼の錬金術師』は半年に1冊でした。だから本屋に新刊が並んだ時はもう、お祭り騒ぎ。
福永(誠) : その時の『ハガレン』って、予約して買ったらオマケがついてたんですよね。
福永(浩) : 7巻のオマケは、タイトルが金色になった特別仕様のものでした。あれがカッコ良くて、この時初めて予約したなぁ。
福永(誠) : 福ちゃんにそれ聞いて、俺も負けじと同じものを買ったの覚えてる。
福永(浩) : 僕らにとってはダークファンタジーの入り口になった作品だよね。ちなみに当時の『月刊少年ガンガン』はこの『鋼の錬金術師』と『ソウルイーター』という漫画が2本柱で、どっちも大好きでした。『ソウルイーター』の大久保篤さんは今、『週刊少年マガジン』で『炎炎ノ消防隊』を連載しているんですけど、雨のパレードを好きでいてくれて、ライブにも来てくれたんです。大久保さんについては別の回で語るとして、今回は『鋼の錬金術師』。あらすじはこんな感じです。
あらすじ
幼い頃、亡くなった母にもう一度会いたいという想いから錬金術において禁忌とされる人体錬成を行った兄、エドワード・エルリックと弟、アルフォンス・エルリック。その結果、錬成は失敗……。
エドワードは左足を、アルフォンスは全身を失ってしまう。エドワードは自分の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成し、鎧に定着させることに成功し命だけは助かることができた。体を失うという絶望の中、それでも兄弟は”元の体に戻る”という決意を胸に、その方法を探すべく旅に出るのだったーー。
(少年ガンガン『鋼の錬金術師』オフィシャルサイトより引用)
福永(浩) : エドとアルの兄弟が錬金術師になるきっかけは、亡くなったお母さんを生き返らせたかったから。このテーマだけでも胸が痛いんですけど、いざお母さんを蘇らせようとすると……。
――……もしかして、泣いてます?
福永(浩) : いや、すいません……。復活させようとすると、とてもお母さんとは思えない肉塊ができてしまうんです。錬金術の原理は等価交換。何かを得るには何かを失わなければならない。お母さんを復活させる代償は、エドの左足とアルの身体全部でした。それが最初のページで起きる出来事です。
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