ステージ画像を見ただけで、ゾクっと来た。オペラ座の怪人が6人も並んでいる。黒ずくめのトレンチコートに真っ白な仮面が素顔を隠し、不気味なくらい際立つ。もちろん音源も、そのルックスに見合った衝撃を喰らわせてくれる。「あいつらは誰だ?」がいつの間にか「あいつらの正体はいったい何者なんだ!?」に変わっていく感覚。ただの謎が、いつの間にか驚愕と畏怖と熱狂をともなっていく。なにより「Xmas Eileen(クリスマスアイリーン)」は、ただのアーティスト集団ではなかった。
クリスマスの夜、彼らに何が起こったのか。彼らは何を思ったのか。
公式プロフィールは、「2013年クリスマスの夜、強い意志の元に集まったメンバーでバンド結成」という一文で、始まっている。
これだけでも、謎が多すぎる。いろいろ想像を巡らしたくなる。
「クリスマスの夜」に、彼らは何をしていたのか。もしかするとライブ・パーティか?
「強い意志」ってどんな意志だろう。プロフを見る限り、得意としていると思しき音楽ジャンルは、それぞれに違う。ラウド、メタル、ヒップホップ、レゲエ、EDM、ドラムンベースなど…ただ共通しているのは、「皆が楽しめる音楽を追求していく」という目的だけ。
「メンバー」が、問題だ。どう考えたって、皆、只者ではない。それぞれに業界で活躍している、名だたる人物たち…なのは、間違いない。
そんな謎の集団は、明けて2014年1月から楽曲の製作をスタート、4月には大阪の野外フェスでライブデビューを果たした。
それぞれのジャンルの達人揃い。だからこそ完成した「ミクスチャー」
ライブから2ヶ月後、初MV「Kiss me Kill me tonight」を公開。2016年夏には1stメジャーアルバム「ONLY THE BEGININNG」を完成させた。
未だに彼らが何者なのかは、明らかにされていない。謎は謎のまま、そのパフォーマンスの魅力だけがリアルに、話題を呼んでいる。
これまでにリリースされたミニアルバムは、2枚。
本格的なラップ担当と、バラードまでこなす正統派シンガーのふたりのボーカルが、さまざまな楽曲を時に軽快に、時にヘヴィに、時に荘厳に、競うように歌いこなす様は圧巻だ。
ヒップホップ、レゲエとロックを混ぜ合わせた「ミクスチャー・ロック」をコアに、Jポップの要素やEDMのエッセンスまで、それこそボーダーレス。幅広く、しかも奥深さまで兼ね備えたその音楽性は、やはりそれぞれのジャンルを極めた者たちの集合体だからこそ、実現できたものなのかもしれない。
フェスもプロデュース。クリエイター集団としての活躍に期待大!
ユニークなのは、ステージメンバーだけでなく、いわゆる“裏方”的に活動を支える者たちもまた、立派な「Xmas Eileen」であるところ。
楽曲を制作するチームのほか、MV制作などに携わる映像作家、プロモーションほかを担当するグラフィック・デザイナーなど、別ジャンルの達人たちが揃う。
全員が「Xmas Eileen」の魅力を作り上げているエッセンスだ。彼らは単なるアーティスト集団なのではなく、ひとつの世界を根本から共同で生み出すクリエイター集団でもある。
「暁ロックフェス」のように、「Xmas Eileen Presents」の“お祭り”はますます盛り上がりそう。
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