メンバー全員が曲を作り上げるロックンロールバンド。それがThe Songbards
神戸発の4人組バンド、The Songbards。結成からわずか2年ながら、荒々しいバンドサウンドと美しいメロディで注目を集めています。彼らの特徴は往年のUKロックバンドのように、4人全員がソングライティングやハーモニーに関わっていること。メンバーそれぞれのセンスと、バンド愛から生まれる音楽の魅力を、結成秘話や音楽のルーツ、そして作品を通して紐解いていきます。
ルーツはビートルズ。友情と結束から生まれたバンド結成秘話
The Songbardsはツインギターボーカルの、松原有志と上野皓平、ベースコーラスの柴田淳史、ドラムコーラスの岩田栄秀の4人で2017年の3月に結成されたバンドです。結成のきっかけは遡ること5年前、松原と上野が大学の授業で出会ったことから始まります。二人ともビートルズとandymoriが好きだったことから楽譜を貸し合うようになり、やがて二人を中心にバンド Ant Lily を結成。カバー中心のライブを定期的に行なっていたこともあり、現在の彼らが作る音楽を改めて聴くと、コーラスワークやラフでソリッドなバンドサウンドからは、ビートルズやandymoriからの影響を色濃く感じます。
「青の旅」
Ant Lily を始め4年を経た頃、柴田に加え岩田がリズム隊として正式加入が決まり、バンドは転換点を迎えます。上野の「全員が初期メンバーと言えるようにしたい」という想いから2017年3月に改名。「さえずる鳥」という意味の「Songbird」という言葉と、「吟遊詩人」を指す「bard」という単語を掛け合わせ、「The Songbards」として再出発を果たします。バンドとしての結束力を深めた4人は、その年の7月に初の作品『The Songbards First E.P.』をリリース。さらにROCK IN JAPAN FESTIVALの出場権をかけたオーディション「RO JACK 2017」で優勝を果たします。ライブハウスシーンの中で、破竹の勢いで人気を集めた彼らは翌年には初の全国流通ミニアルバム『Cages in the Room』をリリース。
The Songbardsは松原と上野の友情から始まり、四人の異なる個性が集まり結集したことでロックンロールバンドとして成長していきます。
メンバー4人の素直なセンスから生まれるThe Songbardsのロックンロールソング
The Songbardsの楽曲の特徴は、上野と松原の作り出すメロディと歌詞、そしてそれぞれのメンバーの個性が出たバンドサウンド。『Cages in the Room』に収録された代表曲「太陽の憂鬱」は、そんな彼らの魅力を凝縮したような楽曲です。
「太陽の憂鬱」
ネガティブな感情とそれに相反するような神々しい風景を描いた歌詞と素朴で真っ直ぐなメロディ。そしてシンプルでありながら、各々のパートが際立つアレンジが光ります。まさにメンバーの4人が、バンドとして音楽を鳴らす必然性を感じさせます。松原はアルバムをリリースした当時「CINRA.NET」でのインタビューで、バンドとしての理想をこのように語っています。
「今の段階ではここ二人(上野と松原)が曲と歌詞を書いて歌っているんですけど、理想としてはひとつのライブやアルバムのなかに、四人それぞれ書いた曲や歌う曲があるThe BeatlesとかQueenみたいになれたら、創作的だし面白いなって。」
その言葉の通りライブを重ね、各々のスキルや志向を探求しながら、次なる作品制作へと向かっていきます。そうして完成したのが、2枚目のアルバム『The Places』です。
このアルバムは松原が愛媛に、上野がインドへとそれぞれ旅をしたことから着想を得て制作されたアルバムです。共同プロデューサーにASIAN KUNG-FU GENERATIONやチャットモンチーを手がけたサウンドエンジニア、古賀健一を迎え、マスタリングをビートルズのベストアルバム『LOVE』を手がけたティム・ヤングが担当するなど、メンバーの4人が理想とする最大限の環境で作られたアルバムになったのです。リード曲「Time or Money?」からは、The Songbardsの進化したグルーヴを聴くことができます。曲のテーマは固定概念や当たり前が正しいのか、という問いかけ。これは上野がインドへと旅をした時に生まれた感情を歌ったものです。
「Time or Money?」
他の4曲からも、メンバーそれぞれのアイデアや個性を感じることができ、まさに「メンバー全員が曲に関わる」というバンドのコンセプトを体現したアルバムです。
ビートルズの聖地でも演奏。進化し続けるThe Songbards
『The Places』のレコーディング後、彼らは「International Beatle Week」に日本からのアクトとして出演します。このイベントは世界中からビートルズに影響を受けたバンドたちが、リバプールに集まりビートルズがデビュー前に演奏していたライブハウス「The Cavern Club」などでアクトを繰り広げるという一大イベント。The Songbardsは結成前から演奏していたビートルズの楽曲に自分たちのオリジナル曲を交え、1週間で11本ものライブを行いました。憧れのバンドが演奏していた地でライブをするという興奮と、ロックの本場イギリスのオーディエンスの前で演奏した経験は、彼らがバンドを続ける上でさらなる自信になったそう。メンバー全員の持ち味を生かしながら、バンドとして進化し続けるThe Songbards。彼らがこれから作り出す音楽は、必聴です。
【ライブ情報】
2019年8月21日
The Songbards presents
『ミックステープ vol.2』| 新代田 FEVER
【HP2次先行】
受付期間:〜6/30(日)23:59
https://l-tike.com/st1/thesongbards-mixtape2
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