ONEPIXCEL(ワンピクセル)はアイドルじゃない? じゃあ、なんだ!?
2018年、飛躍が期待されるライブユニットとしてアイドルファンや耳の早い音楽ファンのあいだで名前があがるのが、ONEPIXCEL(ワンピクセル)。略称はワンピク。アイドルだけど、アイドルじゃない。では、いったいどんなユニットなのか?
ONEPIXCEL(ワンピクセル)とは
2015年に結成された女性3人組ボーカル&ダンスユニット。東宝芸能に所属し、同事務所初の音楽ユニットとして誕生。
「FREE &EASY〜自由に自然体で〜」をコンセプトとし、自由なダンスに自然体なMC、高い楽曲クオリティなどが話題で、じわじわと支持を獲得してきた。2017年には『TOKYO IDOL FESTIVAL2017』や『@JAM EXPO 2017』などの大型アイドルフェスに出演し、さらに注目を集めている。
メンバーは田辺奈菜美(たなべ・ななみ)、傳彩夏(でん・あやか)、鹿沼亜美(かぬま・あみ)。
田辺奈菜美は、王道アイドル的なビジュアルと歌唱力が特徴。元ハロプロ研修生で、『ハロプロ研修生 発表会2013〜春の公開実力判断テスト〜』(@中野サンプラザ)ではトップに選ばれるなど、当時から人気と実力を兼ね備えていた次期スター候補。
傳彩夏は、ダンスパフォーマンスの高いクオリティと、カッコ良さ、キレイさが特徴。AAAのツアーやバラエティ番組に出演していたキッズダンサー集団chibikkoAAAの元メンバーであり、モデルとしても活動していた。
鹿沼亜美は、3人のなかでいちばん身長が低く、かわいさとキャラの強さが特徴のメンバー。トークの面白さにも定評がある。他のメンバー2人とは違って過去の芸能活動歴はないが、オーディションを受けてから3ヶ月でステージデビューするなど、その才能は高く評価されている。
アーティスト集団ONEPIXCEL(ワンピクセル):ハイクオリティな楽曲
田辺奈菜美、傳彩夏、鹿沼亜美の3人で構成されるONEPIXCEL(ワンピクセル)だが、タイトルにもある通り、本記事では「ONEPIXCELはアイドルではない」と、あえてはっきり言ってしまいたい。なぜか。彼女たちの最大の魅力はそのかわいさでもカッコ良さでもなく、楽曲の素晴らしさにあるからだ。
正確に言えば、アイドルとはそもそもジャンルではないし(評論家・中森明夫による「アイドルとはジャンルへの憑依体」という発言などを参照されたい)、楽曲の素晴らしいアイドルも多く存在する。また、ONEPIXCEL(ワンピクセル)にアイドル的要素があることも否定できないが、それとは別の面にフォーカスしたいので、本記事ではあえてONEPIXCELをアイドルと呼ばず、広義の意味でのアーティスト集団として捉えていく。
まずはONEPIXCEL(ワンピクセル)の代表曲のなかから、アルバム『monochrome』の表題曲『monochrome』を聴いてもらいたい。
(ONEPIXCEL『monochrome』MV Short ver.)
イントロを数秒聴くだけでもわかる通り、音楽のジャンルでいうならオルタナティヴ・ロック。あるいはポップ・ロック、ポスト・グランジ、エモ、あたりに分類される楽曲。ミシェル・ブランチ、アヴリル・ラヴィーンなどを彷彿とさせる。
分厚い音質と、メロディアスで叙情的なフレーズが特徴。もしこの曲がラジオから流れてきたら、かなり硬派でシリアスなガールズバンドが現れたなと思うだろう。音楽に相当強いこだわりを持った人間が制作に関わっていることが容易に想像できる。
次に、『Analoganize』を聴いてほしい。
(ONEPIXCEL『Analoganize』ライブ映像 Short ver.))
これもかなり分厚い音質だ。パワーコードが男らしい。メロはラップに近く、ミクスチャーロックの範囲に入るだろう。現在はラップメタルやラウドロックといった言い方が主流だが、あえてDragon Ash(ドラゴン・アッシュ)やTHE MAD CAPSULE MARKETS(ザ・マッド・カプセル・マーケッツ)、山嵐などが台頭してきた頃の「ミクスチャー」という言葉を使いたい。歌っている3人がかわいいので映像を見ると騙されそうになるが、かなりハードな楽曲であることは間違いない。デスボイスを入れても違和感がなさそうだ。
さて、以上の2曲を聴いた上で、今度は『sora』という曲に注目してほしい。
(ONEPIXCEL『sora』MV))
えっ、完全打ち込み? エレクトロ?
そう、『monochrome』のオルタナロックや『Analoganize』のミクスチャーロックとは打って変わって、こちらはエレクトロ、ハウス、テクノポップに分類されそうな曲。前述の2曲とは曲調が全然違う。重みよりも軽やかさが特徴で、明るく開けてポップで身体を動かしたくなる。
この3曲を聴くと、ONEPIXCEL(ワンピクセル)が楽曲に相当力を入れていて、さらにカバーしている幅が広いユニットなのだということがおわかりいただけると思う。アルバム『monochrome』には、ほかにもファンクやトロピカルハウス、クラブ・ダンスミュージック系の曲も収録されており、とにかく射程距離が広い。
それだけの幅広さの上に、3人全員が歌って踊れるところもポイント。
一般的なアイドルの場合、歌担当、パフォーマンス担当、キャラ担当、美少女担当etc……といった感じで役割分担されていることが多いが、ONEPIXCEL(ワンピクセル)は、全員歌がうまくダンスのスキルが高い。もちろん、そのなかでも特に歌唱力に特化しているメンバーやダンスに特化しているメンバーはいるが、総じて高い水準に3人全員がいる。それはONEPIXCELが音楽をやるために集められたメンバーだからだろう。メンバーたちも、フジロックやロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)といった夏フェスに出演することが当面の目標だと発言しており、そうした姿勢からも音楽ユニットとしての意識の高さが感じられる。
まとめると、「クオリティの高い楽曲+幅広さ」に「3人の歌唱力+ダンススキル」が重なり合うことによって、他のバンドやアイドルとは一線を画したユニットになっているというわけだ。
オリジナリティが高く、したがって「〇〇に似ている」という表現が難しいわけだが、しいて言うとすれば、”BABY METAL(ベイビーメタル)とPerfume(パフューム)のおいしいところを両取りしたユニット”とでも表現すればいいだろうか。
ライブが楽しくなるONEPIXCEL(ワンピクセル)の絶妙なダンス
これだけ楽曲クオリティが高い音楽ユニットなので、ライブでは『Analoganize』の映像のように、生バンドでの演奏+打ち込みといったスタイルが基本となる。ときにはhide with Spread Beaver『ROCKET DIVE』をカバーすることもあり、やはり90’年代〜’00年代のロック系音楽をベースにしているのかもしれない。
ONEPIXCEL(ワンピクセル)のライブは後ろで鳴っている音を楽しむのもひとつの楽しみ方だが、ダンスを覚えることで楽しさは倍増する。次に紹介する『TONDEKE』という曲はライブでは定番で、ファンからの人気も高い曲。
(ONEPIXCEL『TONDEKE』MV))
もちろん楽曲自体が素晴らしいし、みんなでノれる楽しい曲なのだけども、重要なのはこの絶妙なフリ。
まず、誰にでもできるジャンプで始まる。これが『TONDEKE』のベースとなるので、とりあえずこの曲のあいだはずっとジャンプしていればみんな楽しめる。公式で振付完コピ用ver.の動画も出ているのでぜひ参考にしてほしいのだけれど、ポイントとしては、「楽しさとカッコ良さの両方があるフリ」ということだろう。
『TONDEKE』のフリには、誰にでもすぐマネできる箇所と、結構頑張らないとマネできない箇所が混在している。そのさじ加減が「頑張れば誰でも完コピできそうで、かつ、完コピしたら絶対にカッコ良い」という絶妙なバランスを生んでいる。そして何よりも3人のパフォーマンスを見ていると「一緒に踊りたい」という欲望が刺激される。
たとえばこちらのライブ映像を見ればわかるように、曲が始まった瞬間に何人ものファンがジャンプし始め、歌が始まると多くのファンが一緒に踊り出している。結果、ステージとフロアに一体感が生まれ、歌詞の通りどこまでも「トンデ」いけそうな気がしてくる。
圧倒的なダンススキルがありながら、ただそれを見せるのではなく、ファンと一緒に楽しめるようにアレンジしてちょうど良いところに落とし込む、そのうまさ。シンプルに、これはイイ。楽しい。絶妙なところを狙ってきている。
ONEPIXCEL(ワンピクセル)『LAGRIMA』でメジャーデビュー。TVアニメ『ドラゴンボール超』エンディングテーマに抜擢。
(ONEPIXCEL『LAGRIMA』MV))
そんなONEPIXCEL(ワンピクセル)が2018年3月7日、シングル『LAGRIMA』でメジャーデビューする。しかも、フジテレビ系列のTVアニメ『ドラゴンボール超』エンディング主題歌にいきなり抜擢されて、だ。
『ドラゴンボール超』と言えば説明するまでもなく世界的な人気を誇るアニメであり、デビュー曲がそのEDに抜擢されたことは、ONEPIXCEL(ワンピクセル)にとってこれ以上ないスタートとなるだろう。
タイトルの『LAGRIMA』はスペイン語で「涙」という意味。『ドラゴンボール超』×スペイン語の効果だろうか、2月9日にMVが公開されて数日で、YouTubeには海外からの応援コメントが相次いでいる。このままONEPIXCEL(ワンピクセル)は一気に世界的な人気を獲得するかもしれない。
さらにこのシングル、リミックスを気鋭のクリエイターが担当している。
Type-Aは、クラブミュージックを生演奏で表現するバンド・Mop of Head(モップ オブ ヘッド)の中心人物Georgeが『TONDEKE』を大胆にリミックス。Type-Bは、ダンスミュージックレーベルTREKIIE TRAX(トレッキー・トラックス)のMasayoshi Iimoriが『be with you』を、これもまたかなり大胆にリミックス。両曲ともにまったくあたらしい、都会的なエレクトロミュージックに仕上がった。
この2曲を聴いて、これがもともとアイドルフェスに出演していたユニットの楽曲だと気付く人はほとんどいないだろう。それくらい大胆に再構築されていて、むしろ、渋谷のクラブが似合う曲になった。やはり、音楽への強いこだわりが見える。
楽曲に尋常ではないこだわりを持ち、歌もダンスもルックスもトップレベルで、ライブが楽しい音楽ユニット・ONEPIXCEL(ワンピクセル)。2018年、要注目である。
ONEPIXCEL(ワンピクセル)
2018年3月7日(水)発売 メジャーデビューシングル
『LAGRIMA』
・Type-A
M1. LAGRIMA (フジテレビ系TVアニメ「ドラゴンボール超」エンディング主題歌)
M2. Howling
M3. TONDEKE George(MOP of HEAD)Remix
M4. LAGRIMA(Instrumental)
M5. Howling(Instrumental)
COCA-17429 ¥1300(tax in)
・Type-B
M1. LAGRIMA(フジテレビ系TVアニメ「ドラゴンボール超」エンディング主題歌)
M2. Howling
M3. be with you Masayoshi Iimori Remix
M4. LAGRIMA(Instrumental)
M5. Howling (Instrumental)
COCA-17430 ¥1300(tax in)
ONEPIXCEL(ワンピクセル)
オフィシャルサイト
Twitter
田辺奈菜美 Twitter Instagram
傳彩夏 Twitter Instagram
鹿沼亜美 Twitter Instagram
SHARE
Written by