4人組ニューエイジ・ポップ・ユニット、Maison book girlがついにメジャーデビューアルバム『image』をリリースする。変拍子を使った特異なリズムが取り上げられることが多いグループだが、その音楽性は決してマニアックなものでなく、ポップに広く開かれている。この傑作アルバムでさらにその活動の勢いを増していくことだろう。今回ミーティアではそんな彼女たちにインタビューを実施。今作を中心にさまざまなお話を伺った。

Interview_MIIM

頭から離れなくなるアルバム『image』

――ブクガのメジャーデビューアルバム『image』がいよいよ4月5日にリリースとなります。まずはそれぞれ完成してみていかがでしょうか？

矢川葵

井上唯(以下 井上)：単純に良いアルバムだなって思います。今までの作品って実はプライベートであまり聴けなかったんですよ、自分の声が入っているのがあまり好きじゃなくて。でも今回のアルバムは普通に聴いちゃってます。

矢川葵(以下 矢川)：今回は特に早くみなさんに聴いて欲しいなって思います。それくらいの自信作です。初めてブクガを聴く人でも好きになってもらえそうな曲がたくさんありますし、アルバムらしい曲も入っているので、この1枚でより深くブクガを知ってもらえるかなと思います。

コショージメグミ(以下 コショージ)：春にリリースするからか、今までの作品と比べてアルバム全体の音が明るいんですよね。弾んでる感じもして、そういった面が新しいと感じました。

和田輪(以下 和田)：聴き込み甲斐のあるアルバムに仕上がったと思います。仮歌の段階で、よくわからなかった曲もあったんですけど、ふと気がつくと腑に落ちて頭から離れなくなるんです。なので、全曲通して何回も聴いてもらえたらいいなと思います。

――印象的なリフレインフレーズなど、何度も聴き返したくなるようなすごく中毒性の高いアルバムに仕上がっているなと感じました。今作で何か新しいトライができたところはありましたか？

矢川：曲によって歌い方を分けられるようになったのは大きいなと思います。

コショージ：レコーディングのとき、プロデューサーのサクライケンタさんに「ここはもうちょっと感情的に」とか歌い方に関してアドバイスをいただきました。そういうのってあまりなかったことなので、サクライさんの目指す方向性を考えながらレコーディングは進めましたね。あとは、ほかのメンバーが歌っているのを聴きながら、あわせるところはあわせて、個性を出すところは個性を出すように意識しました。

――アルバムタイトルの『image』はどんなところから決まっていったんでしょうか？

矢川：これもサクライさんが決めたんですけど、いろいろ想像力を膨らませてくれる曲たちが集まっているので、それを総称して『image』というタイトルにしたのかなと思っています。

コショージ：歌詞も、具体的に誰が何かしてどうなったとかじゃなくて、心の中の話だったりするので、受け取り手のイメージにゆだねるところも大きいと思います。そういうことも表しているタイトルなんだと思いますね。

井上：なので、アー写もジャケットも人をあまり写さずに、「ここから何かイメージできる？」と問いかけるようなものになっているのかなと。

Maison book girl『image』ジャケットアートワーク

――想像の余白が残されていて、すごく想像力をかきたてられるビジュアル・作品に仕上がっているなと感じます。今回もリズムが変わった曲が多く、レコーディングはとても難しかったように思いますが、特に『townscape』は苦戦されたんじゃないですか？

井上唯

井上：そうですね、みんなすごく練習して挑みました(笑)。

和田：複雑で、どれか一個の音を聴くとタイミングがずれちゃうんですよね。この曲って儀式みたいな変な振り付けがついているんです。正面を四人とも向くことがなくて、中心をぐるぐるまわる…みたいな。なので振り入れもすごく大変でした。

矢川：本当に大変だったね(笑)。