1月26日に渋谷クアトロで開催され、大反響を呼んだ『MUTANT CAMP 2017』が、本イベントのホームタウン・大阪でも開催! 3月30日の大阪・梅田クアトロでの同イベントでは、東京で開催された際のメンバー・BASI & THE BASIC BAND、KOPERU & ISSEI、RUDE-α、KEN THE 390らに加え、SHINGO☆西成、HISATOMI、ちゃんみならの出演も決定している。今回は主催者・ISSEIと、KEN THE 390にインタビューを敢行。イベントの見どころはもちろん、昨今のHIPHOPシーンについてもたっぷり話を伺った。
TEXT Yuji“RASCAL”Nakamura(NaNo.works)
『MUTANT CAMP 2017』におけるヒップホップとレゲエの邂逅を ISSEI&KEN THE 390が振り返る
――まずは1月に渋谷クアトロで開催された時の感想や、イベントの総括を聞かせていただけますか。
ISSEI : とにかく“いろんなモノが混ざってる”イベントというテーマにおいては、目的を達成できたのかなと。ヒップホップだけじゃなく、レゲエだったり、フリースタイルバトルもですけど、いろんな要素をひとつのイベントで見せられたと思っています。僕は音楽もアパレルもずっと大阪でやってきたので、このイベントを渋谷で…“大阪感”全開でできたっていうのはめっちゃよかった。KENさんにはフリースタイルバトルの司会をしてもらったんですが、お客さんの中にはバトルを見たことがない人も多かったはず。そういう普段見ていない人に「バトルっておもしろいね」って思ってもらえたなら嬉しいし、その逆でバトル好きの人に「ライブよかったね」って言ってもらえるイベントにしたかった。終わった後にTwitterなどでもそういう声が多かったので、やってよかったなーと思いました。
――KENさんはいつぐらいにオファーが来たんですか?
KEN THE 390 : 司会やる話は…3日前ぐらいですね、フフ。ただKOPERU & ISSEIも出るし、RUDE-αとか仕事で付き合いのある人も出てるから、行くつもりでスケジュールは空けていたので問題はなかったです。
ISSEI : すいません…いろいろ考えることが多すぎて。たださすがの司会ぶりでした。でも(司会したこと)ないんですよね?
KEN THE 390 : うん、審査員ばっかり。ただ普段からバトルはけっこう見てるし、出てるメンツも知ってるやつらだったしね。
ISSEI : ただあの時に「賞品はないけど代わりにISSEIくんのハグかな」って言ったじゃないですか? だから俺、梅田サイファーチームにハグしに行ったんですけど、華麗にスルーされるっていう…。
全員 : アハハハー!!!
KEN THE 390 : 別にいらねえよみたいな。
ISSEI : ハグされる人にもスルーされ、KENさんにもスルーされ…その時に舞台袖見たらR(R-指定)がおって。Rが出てきたときの方がおーってなるっていう…まあお客さんはRも見たかったと思いますけどね。
KEN THE 390 : まあそんな甘くないよね。
――ひとりは難しいと思いますが、個人的に印象に残った出演者はいますか?
ISSEI : やっぱり…BASIくんかな。すごい近い先輩として音楽はもちろん、モノづくりをいっしょにやらせてもらってるんですけど、そういうのを抜きにしてもカッコよかった。リハーサルとかも見ることはできたけど、あえて見に行かなかったんですよ、当日楽しみたかったんで。特に印象に残ったのは、誰かの熱心なファンだと思われる最前列にいた女の子たちが、BASIくんの音楽に“持ってかれてる”感が見ててわかった瞬間。それをできるラッパーってスゲえなって。しかも(客に)寄せてない。まんまの姿でお客さんをキャッチできるBASIくんのステージはさすがでした。
KEN THE 390 : このイベントはBASIくんがトリだったからよかったんだと思う。東京だとヒップホップとレゲエが混ざるイベントってレアだし、カルチャー的には近いんですけど、そのふたつはけっこう分かれてるんですよ。その両方のファンが来てる中で、BASIくんは“Good Music”をやってた。ジャンルとかではなく、純粋にいい音楽がこういう複合イベントの最後にあると、イベントとしての説得力が一気に増しますよね。
BASI [1/26 MUTANT CAMPより]
――そういう意味でも来た人に新しい発見を与えられる場所なのかも知れませんね。
ISSEI : そうですね。僕の店のお客さんでも、レゲエを少し聴くぐらいの人がBASIファンになったり、逆にBASIファンがレゲエを好きになったりっていうのがあるんですよ。そういうことができるミクスチャーなイベントにしたかったので、それは成せましたね。
期待に沸く『MUTANT CAMP OSAKA』の”濃い”仲間たち
――そんな大成功を経て、満を持してのホームタウン・大阪での『MUTANT CAMP』ですが、また“濃さ”が変わってきそうですね。
ISSEI : もう…(名前に)地名入ってる人がいますからね。
全員 : ハハハハー!
ISSEI : 代表みたいな人が。SHINGO(☆西成)さんとBASIくんがそろうイベントって大阪でもなかなかないです。SHINGOさんはトラック提供したり、PV撮ったりで昔からお世話になってるんですが、イベントに呼ぶのは初めてで。SHINGOさんに依頼するのって、いい意味で腰が重いといいますか…こっちが失礼のないように迎えなきゃっていう。
KEN THE 390 : 中途半端な覚悟じゃ呼べないんだよね。
ISSEI : はい。でも今回大阪でやるにあたって、さっきBASIくんが“Good Music”だって話が出ましたけど、それはSHINGOさんもそうなんですよ。スタイルは違いますけど、「ラガ&ラッパー」を生み出した人ですし。
KEN THE 390 : ヒップホップとレゲエの両方を体現できるのは、全国的にも見てもSHINGOさんぐらいしかいないよね。
ISSEI : そういう意味でも声をかけさせていただいて。普段からMUTANTのキャップとかも被ってくれてるんで、二つ返事でOKいただきました。僕もばあちゃんちが西成で、ちっちゃいころよく遊んでたんですよ。ただあんな人がおるとは子どものころは思ってなくて…たぶんこのイベントでは“大阪感”を一番出してくれるはずです。
――KENさんは次回の大阪に関して、どんな期待がありますか?
KEN THE 390 : 僕からしても新鮮なメンツですし、大阪のレゲエのお客さんの前でライブすることはほとんどないので楽しみですね。
ISSEI : 僕は個人的に楽しみがあって。HISATOMIくんとKENさんってすごいキャラが被ってたんですよ、その“王子感“じゃないですけど。それがやっと紹介できて、いっしょに曲つくることになって。
KEN THE 390 : 似てるっていうのはけっこう全国で言われたんですよね。
ISSEI : 僕が初めてPV撮ったのがHISATOMIで、けっこう付き合いも長くて。今回はHOTな状態でお見せできるので楽しみです。
――いまはイベントの準備段階でいうとどのくらいなんですか?
ISSEI : いまは…祈るっていう…フフフ。ちゃんみなの出演も決まって、ほかにもいろいろ考えてますよ。レゲエとヒップホップが半々ぐらいになるかもしれません。あとは動画や出演者のPVをつくったりもしてます。イベントのためにPVつくるのってあんまないと思うんですよね。
KEN THE 390 : MUTANTならではだよね。映像もやるし、服もやるし、音楽もやるしっていう。
次のページは「東京・大阪 二つの「シーン」 ISSEI & KEN THE 390のファーストコンタクト」
SHARE
Written by