UA,チャット,阿部真央ら女性アーティストがカバー。ウルフルズの新たな角度を見つめ直す
2017年5月13日にデビュー25周年を迎える国民的ロックバンド、『ウルフルズ』。 記念すべき25周年イヤーの幕開けを告げる企画として、ウルフルズ初のトリビュートアルバム『Best of Girl Friends』が、去る2月22日に発売! リリースに先駆けるカタチで、全曲の視聴ができるティザー動画が公開となった。もう既に観たよ! 聴いたよ! な方もいるだろう。
アルバムを彩る参加アーティストは、阿部真央、UA、片平里菜、木村カエラ、JUJU、Superfly、チャットモンチー、ハンバートハンバート、ふくろうず、BONNIE PINK、松崎ナオ、ルルルルズ。個性的な12組の アーティストがズラリ。
男前なウルフルズを女性がうたうこと。
ウルフルズを聴いていつも想うのは、決してスマートとは言えない「男がどっかで憧れる男」 の姿だ。不器用で頑固、呆れるほど単純で、プライドだけは高いが、世渡り上手には決してなれず、一本筋で、熱しやすく凹みやすく、お調子者で、時に羽目を外して怒られて、時に悔し涙をまぶたに浮かべ、負けじと歯を食いしばる。多くの男性たちが、一度はウルフルズの歌う「男」の強さや弱さに心を揺さぶられ、思わず涙したこともあるのではないだろうか。
「キング・オブ・オトコ」と言っても過言ではないウルフルズの曲を、全て女性がカバーするという今回の試み。往年のウルフルズファンの方々の中には、「トータス松本が歌わないウルフルズなんて!」と思う人もいるかもしれない。しかし、決してそんな偏見で聴かず嫌いをするなかれ。今作には先ほど上記であげた 男性の持つ独善的なヒロイズムにも共通するような、女性の「強さ」が随所に散りばめられている。またそれに合わせて、女性にしか表現することのできないウルフルズの世界があることに気づく。
思えば、ウルフルズの曲の多くには、「きみ」や「お前」といった、その歌声の先に女性がいるように感じる言葉が含まれている。目を閉じると、必死に語りかける男の姿と、そんな不器用な男を優しい瞳で見つめる女性の姿が浮かぶ。そして、今作のトリュビュートはそんな不器用な男への、女性からのアンサーソングのように聞こえる。澄んだ歌声の先には、肩を落とした男の丸まった背中があるような、そんな気がするのだ。
写真家・松木宏祐が捉える少女の肖像。
ウルフルズ25周年にして初、そしてすべての楽曲を女性アーティストが歌い上げるというこれまた初の試みのアルバム。そんな作品のジャケットがこちら。光に照らされ佇む少女の印象的な姿。撮影したのは、僕たちミーティアでも多くの写真を撮りおろしてくれているフォトグラファーの松木宏祐だ。
下記2つは、松木氏撮り下ろしによるミーティアの特集企画。
ひなげしのように佇む少女。物憂げな表情 に思わずゴクリと固唾を吞む。かと思えば、大きな口を開けて笑ったり、ふくれ面でこちらを見つめたり、そのまま消え入ってしまうかのような恍惚とした表情を浮かべたり、ブックレットを手繰るたび、まるで音楽と呼応するかのように少女の表情は移ろっていく。松木氏の写す写真には、今作の内容にも通じる、女性の持つガラス細工のようなきめ細やかさと強さが見事に切り取られている。
全ての曲が終わると同時にブックレットを閉じると、まるで一冊の写真集を読んだような満足感を得た。 デジタル配信が主流となり、“CDを所有する”ということへの意識が希薄化している昨今において、「音楽と写真」を同時に味わうことで得る幸せはとても貴重な体験と言える。 往年のウルフルズファンはもちろん、いままでウルフルズを聞いてこなかった紳士淑女にも是非手を取って いただき、女性シンガーが歌うウルフルズの新しい視点を感じいただきたい。また、男性に関しては、普段 お世話になっている彼女や奥さん、はたまた母親といったあなたの「かわいいひと」にひとつプレゼントしてみてはいかがだろうか。
そこには四半世紀、時代に流されず粛々と受け継がれてきた「いい男」そして「いい女」になるヒントがつまっているかもしれない。
text_HYUGA KOIKE
edit_ADO ISHINO(E inc.)
「ウルフルズTribute~Best of Girl Friends~ 」
1 Superfly / ヤング ソウル ダイナマイト
2 チャットモンチー / かわいいひと
3 UA / 歌
4 JUJU / 笑えれば
5 ハンバートハンバート / SUN SUN SUN’95
6 ふくろうず / バンザイ~好きでよかった~
7 片平里菜 / サムライソウル
8 阿部真央 / ええねん
9 松崎ナオ / 暴れだす
10 ルルルルズ / 大丈夫
11 BONNIE PINK / 僕の人生の今は何章目ぐらいだろう
12 木村カエラ / ガッツだぜ!!
参加アーティストからのコメント
いつかカバーを歌うならウルフルズさんの「ええねん」が歌いたいとずっと思っていたので、今回の記念作 品でこの楽曲を歌わせて頂くことが出来て本当に光栄です。 これからも日本を代表する最高に格好良いバンドであり続けて下さい。ずっとファンです! (阿部真央)
この『歌』を唄うとき、胸の奥が熱くなるのは、若かった頃へのノスタルジックな想いもされど、まだ青春は終わっていない!ことの証しにちがいない、とめっちゃ思いました。 名曲をありがとう!ストーンズみたく、Rock’n’ Soulし続けてください。 (UA)
今回ウルフルズさんのトリビュートアルバムに参加することが出来てとても嬉しいです。 “サムライソウル”はとにかく男臭くて率直でちょっと恥ずかしい気もするけれど、トータスさんの気迫のこもった歌にグッときてしまいます。 どんなにへこんでもかっこ悪くても、それを肯定するほどのパワーに人間の深さを感じます。 今回、ミュージシャンも全て女性にお願いしました。 ドラムの山口美代子さん、ベースのTOKIEさん、ギタリストでシンガーソングライターのReiちゃんと、スタジオでアレンジを詰めるところからレコーディングまで4人で作ることが出来ました。 尊敬するミュージシャンでもあり、かっこいい女性だと思える3人とのセッションははとても貴重な時間でした。地に足がついた強かさも感じれる”サムライソウル”になったと思います。是非聴いてください。 (片平里菜)
「ガッツだぜ!!」は自分が困難に立ち向かっていたときに勇気づけられた思い出の曲です。今でもこの曲を聴くとその時のことを思い出して頑張ることが出来ます。大切な曲を歌うことが出来てとても嬉しく思います。ウルフルズ25周年バンザーイ! (木村カエラ)
ウルフルズ25周年おめでとうございます!今回「笑えれば」を歌わせていただいたのですが、本当にウルフルズのシンプルな強さにやられてしまいま した。これからもトータスさんの素敵な歌とウルフルズについて行きます!!カッコいいなぁー♡ (JUJU)
25周年おめでとうございます。トリビュートアルバムに参加できて、とても光栄です!歌レコーディング時、ひさびさに体中が熱くなって、とても興奮しました。個性的でクールな曲をカバーで きて、とても楽しかったです。これからもウルフルズの楽曲で、日本中を熱くさせてください! (Superfly)
お話を頂いた時、とてもうれしくて、迷わず「かわいいひと」を選ばせてもらいました。 アレンジは、私たちの地元徳島とウルフルズのイメージをどうにかMIXできないかと練りに練って仕上げま した!ウルフルズ公認で、ウルフルズの曲を演奏できる日が来るなんて!! (チャットモンチー)
高校のとき、ウルフルズのコピーをやろう! と同級生と盛り上がったことがあり、それぞれの芸名も考え、バンドスコアも買ったのに、残念ながら実現しませんでした。それがまさか20年越しに叶うなんて。ちなみに私は鼻炎持ちだったので、ズルズルビェンスケという名前でした。 (ハンバートハンバート/佐藤良成)
夏感の無い私たちがどうこの曲を乗りこなせるか頭を悩ませた結果、こんな風に仕上がりました! タイムマシンに乗れるなら、1995年の私(大学1年生)に、「将来ウルフルズの25周年トリビュートに参加するんだよ」と耳打ちしてあげたいです。 (ハンバートハンバート/佐野遊穂)
ばんざーい!
トリビュートに参加できて
本当に光栄です。
ありがとうございます。
より自分の気持ちを込めて歌えるよう少しだけ歌詞を変更させてもらいました。
そこが1番のききどころだと思います。
ほんと、すけべ!
私の頭ん中! (ふくろうず)
30代のトータスさんが当時50代の吉田拓郎さんの為に書いた曲が、今40代の私の胸にすとんと落ちてきたので、気分に合わせてオフビートで歌わせて頂きました。ウルフルズはシャウトがよく似合う男気ソングの 印象が強いけど、そこに見え隠れする女々しさや悲哀が人を惹きつける魅力なのだと思います。これからも、 ずっとファンです。 (BONNIE PINK)
何十回とくり返し聞いても これ以上がない音楽は 力強く、美しいです。 (松崎ナオ)
詩や楽曲とじっくり対話しているうちに見えてくる繊細でナイーブな一面。 もろく崩れてしまいそうな気持ち、人、情景。 音楽の裏に隠れているメッセージを引き出せればと思い、唄いました。 この作品を通して 多くの方々にウルフルズの素晴らしさが伝わることを願っています。 (ルルルルズ)
ウルフルズ ツアー2017(仮)
6月24日(土) 埼玉 戸田市文化会館
6月27日(火) 大阪 フェスティバルホール
7月2日(日) 新潟 新潟県民会館
7月8日(土) 宮城 東京エレクトロンホール宮城
7月15日(土) 広島 アステールプラザ 大ホール
7月16日(日) 香川 サンポートホール高松 大ホール
7月19日(水) 京都 ロームシアター京都
7月30日(日) 愛知 愛知県芸術劇場 大ホール
8月3日(木) 東京 中野サンプラザ
8月6日(日) 北海道 わくわくホリデーホール
8月11日(金祝) 鹿児島 鹿児島市民文化ホール 第2ホール
8月13日(日) 福岡 福岡サンパレスホール
2017年9月ヤッサ開催決定!今回は9月開催!!
開催日:2017年9月23日(土・祝)
会場:大阪万博記念公園もみじ川芝生広場
※詳細は後日発表!
詳細はウルフルズ公式HPにて。
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