オランダのwebメディア「ANOTHER MAGAZINE」に公開された若き日のミック・ジャガーの写真。撮影は1968年、フォトグラファーのセシル・ビートンによるもの。ミック・ジャガーは言わずもがな、ザ・ローリング・ストーンズのボーカリスト。2016年12月2日、ストーンズは11年ぶりとなるアルバム『ブルー&ロンサム』を全世界同時リリース、そしてミック・ジャガーにおいては現在73歳にして、アメリカ人バレリーナの恋人メラニー・ハムリック(29歳)との間に子供を授かったとのニュースに沸きました。(ミックにとっては8人目の子供)。
撮影者であるセシル・ビートンは、20世紀前半のファッション写真界に大きな足跡を残した偉大な写真家。ビートンが撮影した数々のポートレートスタイルは時を経ても全く色褪せることなく、シーンに多大なる影響を与え続けています。
1960〜’70年代全盛期のミック・ジャガーは地球上でもっともフォトジェニックな人間の1人でした。非伝統的な美しさ、実行能力と不可能なスタイル。数百ものフォトグラファーたちがミック・ジャガーの写真を撮影しましたが、セシル・ビートンほどミック・ジャガーの魅力を捉えた人物はいません。
撮影が行われたのは1968年、ドナルド・キャメル、ニコラス・ローグ監督による映画『パフォーマンス/青春の罠』のセット。27歳だったミック・ジャガー初主演の作品です。衣装デザイナーでもあり(オスカー賞受賞)セットデザイナーでもあるビートンにとって、このセットはモロッコの布地、宝石の壁や豪華な家具などが非常に刺激的なものでした。
一方でミック・ジャガーはザ・ローリング・ストーンズとして多忙を極めながら順調な活動を続けていましたが、メンバーであるキース・リチャーズとブライアン・ジョーンズが麻薬所持の疑いで逮捕。活動を一旦停止せざるを得なくなります。毎年行われていたツアーなどもすべてキャンセル。公判で決着がつくまでイギリス国内に留まるよう裁判所から命じされました。1968年5月、ミックは映画に出演することを決めたのです。バンド活動ができなくなったこのタイミングで、かねてから興味のあった映画業界への挑戦だったのです。それ以降ミックは映画業界で俳優、監督業も行うようになりました。映画『パフォーマンス/青春の罠』のサウンドトラックに提供された『メモ・フロム・ターナー』はミック初のソロ・シングルとしてもリリースされました。そんな時代背景を理解しながらこの写真たちを眺めてみるのもきっと楽しいはず。
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