SHE IS SUMMERのMICOが「恋愛」と「クリエイティブ」についてさまざまなゲストを迎え対談する企画「LOVELY CREATION」。第二回に登場するのはニットブランド・縷縷夢兎の東佳苗。でんぱ組.incや大森靖子、LADYBABYなどの衣装を手がけ、映画『Heavy Shabby Girl』では初監督に挑戦するなど、常に話題をふりまく彼女がMICOとさまざまなトークを展開。元彼との話、二人の恋愛観まであまり普段聞けない話を語ってくれた。
インタビュー:MIIM
撮影:松永つぐみ
出会いのきっかけ、でんぱ組.incという衝撃
―お二人はそもそもどこで出会ったんですか?
東佳苗(以下 東): 最初はthe Virgin Maryで出会ったんだっけ?
MICO: そこだったかも。
東: お互いお客さんで来てたんだよね。
MICO: 店長のありさんから「佳苗ちゃんにふぇのたすの曲を教えてもらった」ってきいていて。そのとき「知ってくれてるんだ!」っていうことにびっくりしたのを覚えてます、純粋に縷縷夢兎のファンだったから。
東: MICOちゃんの存在自体はふぇのたすの「東京おしゃれタウン」のころから知ってました。SoundCloudとかにあがっている曲を聴いたのがきっかけだったかな。
―そこからこれまでどういう関わりがありましたか?
MICO: 仕事は直接したことがなくて、友達って感じですね。
東: 「おんなのこきらい」のときには間接的に関わったりしたよね。
MICO: うんうん。たまにご飯行ったりもしてます。
東: MICOちゃんとはプライベートで遭遇することも多いです。行く場所が似ていたりするから。
MICO: 通ってるお店が一緒だったり、映画もお互い好きだしね。共通の知り合いもいろんな分野で多くて。
東: MICOちゃんってもともと東京の人だっけ?
MICO: ううん、兵庫県。
東: なんで友だちの界隈が近いんだろうね?
MICO: 1個のフィールドじゃなくて、ぽつぽつっといろんなところで共通の友人がいるよね。
東: わたしもMICOちゃんもカルチャーに跨いでいるからかな。あと多趣味だから?
MICO: 総合的なことに興味があるからね。わたしも歌だけじゃなくて服も映像も好きだし。
東: 演劇も見にいったりするしね。それこそねもちゃん(根本宗子)とかね。
MICO: わたしが初めて見に行ったねもちゃんの演劇のパンフが佳苗ちゃんの衣装でした。
―お互いの最初の印象はどうでした?
東: 歌手として出会ったというよりかは、おしゃれな可愛い子として出会ったという感じだったかな。なんか年々性格が明るくなっていってるよね。
MICO: 年々明るくなってるんですよ(笑)。あのころも「高校生のころよりは明るくなったね」って言われてたんだけど、今はそれよりも明るくなってて最後どうなっちゃうんだろう(笑)。タイの映画のエンディングみたいに最後みんなで踊って終わるみたいなテンションになっていくのかな(笑)。佳苗ちゃんは最初から憧れみたいな存在でした。出会った2013年あたりってもうでんぱ組.incの衣装やっていた?
東: やっていたかな。
MICO: わたしが一番最初に佳苗ちゃんを知ったのはZeppのアンコールで、でんぱ組.incが縷縷夢兎を着て出てきたとき。衣装が可愛すぎて、曲とかダンスとか耳に入らなくなっちゃったのを覚えてます。その後めっちゃいろんな人にあの衣装についてきいて、縷縷夢兎というブランドの存在を知りました。初めて会ったときには「わ!この人が!」みたいな感じで(笑)。それまでのアイドル衣装ってちょっとコスプレっぽかったりして、あのときもセーラーモチーフなはずだったんだけど、コスプレっぽさとかをぜんぜん感じさせなかったし、それを電波ソングを歌っているアイドルが着ているっていうのが衝撃でした。
東: でんぱ組に出逢うまではアイドルは割と苦手だったんです。ネオコスっていう文化が最先端だったころで、そこから派生して生まれた象徴のような存在がでんぱ組.incなのかな?わたしはアイドル始まりというよりかは、ファッション始まりで、新しいアイドルの形だ!と衝撃を受けて、でんぱ組.incと関わり始めました。
―でんぱ組.inc以降でアイドル全体の衣装の流れは変わっていったんですかね?
東: 特に地下は超変わったと思います。みんなでんぱとかももクロにかぶらないようにするけどどこか既視感があるような。アイドルだけどクリエイターくらいの知識量とか力量がある人たちがチラホラ台頭して来て、ただ可愛くて愛想が良いだけで愛でられるアイドルの時代は終わったのかな、と思った。そういう意味で、アイドルとして見ていたというよりかはアーティストとして好きという感じでした。でんぱ組以降はアイドルの衣装はほぼやってなくて、LADYBABYもアイドルとしてよりアーティストとして見ています。アンチアイドルっぽいアイドルが好きなんですよね。BiSとか清竜人25とか。
MICO: こないだその話をきいてけっこう衝撃があった。
東: 可愛い子は本当に尊いなと思うんですけど、着せ替え人形みたいに見えちゃうことがあって。何事もプロ意識が高い人は業種問わず尊敬してるんですけど、外見の自分磨きはするけど内面は…?っていう子もよく見かける。
MICO: それを教えてくれる人も周りにいないからそうなっちゃってるのもあるよね。わたしも途中まではぜんぜんそれに気づけてなくて、わかりやすいところしか磨こうとしてなかった。高校入ってからちょっとずつって感じだったかな。そこに気づけるか気づけないかは大きいよね。
東: でんぱ組.incはそういう意味で衝撃でした。こんなアイドルもいるんだと思って視野が広がりました。同時期にBiSとか反抗精神のあるアイドルも出てきて。苦悩しつつも戦ってるのがカッコよかったし痺れた。あの頃アイドル史を更新した人たちは本当に凄い。今では色んなアイドル好きなので、乃木坂、欅坂、HKTとか王道なアイドルも好きになりました!多分昔より考えが柔軟になったからだと思います。(笑)
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