新メンバーオーディション『なれんの!?夢アド!?』を開催していたアイドルグループ・夢みるアドレセンス。ユメトモ(※夢アドのファンのこと)による投票で新メンバーが決まるオーディションもついに終結の時を迎えた。今回、新メンバーには3人が決定。定期公演の様子を毎回レポートしていくミーティアの『週刊夢アド』第10回は、12月18日に行われたYUME LIVE最終回の模様をお届けします。
Text_Sotaro Yamada
『YUME LIVE』最終回
8月13日に新メンバー募集を発表し、10月7日から始まった最終オーディション。その最終回を見届けるため、AKIBAカルチャーズ劇場にはこれまでにないほど大勢の人々が集まった。座席は空きなし、立ち見席もパンパンで、身動きを取るのが困難なほど。まるで満員電車のような混み具合で、異様な熱気が漂っていた。
これまでの定期公演とは違い、リーダーの荻野可鈴と上々軍団のさわやか五郎の2人が最初に登場。荻野可鈴は楽屋に漂う緊張感を伝えつつ、「約3ヶ月間、候補生のみんなは本当にがんばってくれた。正直、最初は大丈夫かな?という感じもあったけど、だんだん成長していって歌もダンスもうまくなったし、表情も柔らかくなった」と振り返った。
この時点で、すでにフロアには絶叫が飛び交っていた。「まるで親のカタキみたい」とさわやか五郎が形容するほどの盛り上がりのなか、『YUME LIVE』最終回のはじまりが告げられたのだった。
オープニングSEの『OVERTURE』が流れ、4人の現メンバーが現れて『ステルス部会25:00』が始まると、ぶちあがったユメトモは凄まじい熱狂を見せる。“声援”や“歓声”という言葉がぬるく感じられるほどで、会場には熱気と絶叫の渦が巻き起こっていた。それはちょっと異常に感じられるほどの盛り上がりだった。開演前からそこはかとなく漂っていた緊張の糸が、メンバーのパフォーマンスによって切れたのかもしれない。もちろんその緊張の糸とは、「いったい誰が新メンバーに選ばれるのか? 落ちるのか?」という緊張である。
荻野可鈴は「わたしたちもドキドキしている。4人で夢みるアドレセンスですって言うのはこれが最後で、30分後には新しい7人の夢アドになってる」と感慨深そうに語り、京佳は「楽屋の空気がいつもと違って落ち着かなかった。朝起きてからずっとソワソワしてる。自分たちも新メンバーが誰か知らされてないけど、14人のうち、誰が選ばれてもやっていけると思う」とコメント。
「でもさ、発表する前に、4人でもうちょっと楽しみたくない?」
そう荻野可鈴が述べると、『アイドルレース』と『ファンタスティックパレード』を続けて披露。
結果としてこの曲が夢アド4人体制のラストパフォーマンスとなったわけだが、今年1年、いや5年間の夢アドの集大成となるような、素晴らしいパフォーマンスだった。メンバーとファンとの一体感という言葉はこういうときに使われるべき言葉だろう。
最後の「Who Is Next?」。新メンバーはこの3人!
そして、ついに新メンバー3名の発表である。
候補生たちが一人ずつ名前を呼ばれ、ステージに現れる。続いてプロデューサーである伊藤Pが登場。伊藤Pは「ついさっき結果が出たところ。10月といまとでは、みんな顔つきや目つきが全然違う。本当に成長した」と、まずは候補生たちをねぎらった。
一人ひとり、最後のあいさつを行う。みんな相当緊張していたはずだが、落ち着いた表情だった。たった数十秒の持ち時間だったが、すべての候補生が、これまで応援してくれたファンや支えてくれたスタッフ、メンバーへの感謝の気持ちを、自分の言葉で、しっかりユメトモの目を見て伝えていた。涙をこらえて明るく振舞っていた候補生たちだったが、このあたりから、フロアからすすり泣く声が聞こえてきていた。メンバーの目も心なしか潤んでいたように思う。フロア後方からは「可鈴ちゃん泣いてない?」という声も聞こえた。
会場の誰もが息を呑むなか、投票で上位となった3名が発表された。
まずは1位から。
1位:水無瀬ゆき(9,686票)
最後の中間発表で5位と順位を落としていた水無瀬ゆきが、最後は一気にまくりあげ、逃げ切った。
彼女の名前が呼ばれた瞬間、会場のあらゆるところから、絶叫と驚きと歓喜の声、そして大きな拍手が湧き上がった。その声と拍手はしばらくやむことがなかった。
水無瀬ゆきは目に涙を浮かべ、一瞬言葉に詰まりながらも、「感謝の気持ちでいっぱいです。この2ヶ月半、候補生たちと、この日を迎えるために一生懸命がんばってきました。自分の努力が間違ってなかったと思いました。これから夢アドをより大きく、世界に広めていけるようにがんばっていきます。これからも応援よろしくお願いします」と、堂々と決意を述べた。
伊藤Pは水無瀬ゆきに関して「僕もびっくりしました。これから彼女と一緒に仕事できるのがすごく楽しみです。これからよろしくお願いします」とコメント。荻野可鈴と志田友美からは“夢アドの証”であるティアラとマントが贈られた。
続いて、第2位の発表。
2位:山下彩耶(7,294票)
2位に選ばれたのは、先日誕生日を迎えたばかり、最年少16歳の山下彩耶。
自身の名前を呼ばれると、両手で顔をおおい、「夢なんですかね……」と信じられない様子。「呼ばれないんじゃないかと思っていて……自分は負けず嫌いだとか強気だねって言われるんですけど、本当はめっちゃ泣き虫で。いままでこらえてきたけど、今日は嬉しくて……。歌が目立ってうまいわけでもないし、ダンスも踊れてるわけじゃないけど、これから夢アドさんのメンバーに混ざってひとつでも目立てるところを作っていきたいなって思います。これからよろしくお願いします」と泣きながらコメント。大きな拍手に包まれた。
最後に、第3位の発表。
3位:山口はのん(6,820票)
今回、最大のサプライズのひとつはここだっただろう。
山口はのんは、中間発表で一度しか上位に入っておらず、それも6位というギリギリの位置だった。しかし終盤に追い上げを見せ、最終的に3位でゴールイン。フロアからは驚きの声があがり、それはすぐに祝福へと変わった。
「ダンスや歌の経験がまったくなかったのに、こんなに応援してくださる方が増えて、もし夢アドのメンバーになれなくても、この候補生期間が人生の大きな思い出になると思っていた。ユメトモのみなさんの暖かさを感じている。これから歌とダンスをたくさん練習して上達するので、見守ってください。よろしくお願いします」と涙ながらに語った。
伊藤Pは「めっちゃ失礼なんですけど、一番意外でした。自分でも言ってたけど、歌とダンスがんばろうな。しっかり叩き込みますのでよろしくお願いします」とコメント。会場は一気に和やかな雰囲気に。
志田友美は「はのんちゃんがいちばん確変かな? でも、初めて会ったときから、この子は絶対夢アドになるなと思っていたので嬉しいですね。おめでとうー!」と喜んだ。
候補生たちのコメント
この結果を受けて、惜しくもメンバー入りを逃した11名が一言ずつあいさつをした。
以下、候補生たちのコメント。
石井里奈「この2ヶ月半、たくさん投票してくださって、本当にありがとうございます。悔しい気持ちでいっぱいなんですけど、いろんなことにまだまだ挑戦してがんばっていくので、これからも石井里奈を応援していただけると嬉しいです」
上杉らん「悔しい結果になってしまったんですけれども、絶対に夢をあきらめないでがんばりますので、そのときはまたぜひお願いします! ありがとうございました!」
永戸真優「応援してくださったみなさん本当にありがとうございました。中間発表からずっと3位以内で名前を呼ばれてたんですけど、その気持ちに応えることができず、本当にすみません。たくさんの思い出をありがとうございました。これからもよろしくお願いします」
岡村茉奈「すごく悔しい気持ちでいっぱいですけど、この2ヶ月間で、夢みるアドレセンスさんが大好きになりました。これからわたしは、いちファンとして、ユメトモとして、一緒に夢アドさんを応援したいと思います。まだまだ夢を追い続けていきたいと思うので、これからもどうか、応援してくださると嬉しいです」
上崎ゆい「何もできないわたしを2ヶ月半応援してくださった方々、本当にありがとうございました。みなさんが本当に大好きです」
白崎乃愛「応援してくれた人に感謝の気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、選ばれた3人の魅力は、いちばん近くにいたわたしたちがいちばん知ってるので、これからも新しくなった夢みるアドレセンスを応援し続けたいと思っています」
立花華「水無瀬と彩耶ちゃんとはのんちゃん、本当におめでとう。みんなが裏ですごく努力してるのをいちばん知ってるので……。水無瀬が呼ばれたときすごい嬉しくて……。自分というより、みんなが選ばれたことがめっちゃ嬉しい。……でも、わたしもこれからがんばっていこうと思うので、夢みるアドレセンスさんの応援も、わたしの応援もよろしくお願いします。これから岩盤浴で汗と涙を流したいと思います!」
内藤もゆの「わたし笑ってますけど、実はすごく、悔しいです。でも、この2ヶ月半、候補生として学んだことを活かして……。夢アドになるという夢は叶いませんでしたけど、明日から、次の自分の夢に向かってがんばっていきますので、みなさんどうぞよろしくお願いします!」
望月朱音「わたしを応援してくださったみなさんには本当に申し訳ないです。でもこれが一生懸命がんばった結果なので、受け入れたい。この2ヶ月半、すごく貴重な経験をさせていただいたので、それをこれからの人生に活かして、絶対またステージに立つという夢をあきらめないでがんばりたいと思います。本当に2ヶ月半ありがとうございました」
山本日菜子「すごく悔しいですけど、夢アド候補生としての山本日菜子を笑顔で終わらせたいので今日は泣きません。2ヶ月半本当にありがとうございました。またみなさんに会えるようにがんばりますので、今後ともよろしくお願いします」
若松来海「最初からずっと泣いてばっかりだったんで、今日は泣かない予定だったんですけど、泣いちゃいました……すみません。……でも今日は化粧してないので泣き放題かな。わたしが夢アド候補生として活動してきた2ヶ月半は、消えることも変わることもないし、応援してくださったみなさんがいたことも絶対忘れません。すごく、すごく楽しい2ヶ月半でした。本当にありがとうございました」
この日、いちばん大きくて長い拍手は、この11名に送られた。
11名が退場する際にも、それぞれの候補生たちを呼ぶ声、彼女たちに感謝を伝える声がしばらく続いた。
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