ストーリー性の有る演劇的な世界観をジャズダンスとJ-POPで創り上げるエンターテイメント集団「梅棒」がお届けする、新作公演梅棒 6th OPUS『GLOVER』が10月27日に千秋楽を迎えた。
シェークスピアの名作『ロミオとジュリエット』を梅棒テイストにリメイクし、まったく新しい物語を繰り広げた注目の舞台。作・演出を担当した、梅棒リーダー・伊藤今人も「過去最高の舞台になる」と明言したとおり、観劇した観客からは「こんな舞台見たことない」、「笑えるところもあるし感動して泣ける」、「セリフのない舞台でここまで魅せれるなんてすごい」など絶賛の声を集めていた。
平日を含めた全公演は満員を記録し、梅棒エンターテイメントを余すことなく届け切った今作の『GLOVER』。
主演の大貫勇輔、梅田彩佳などの豪華ゲストにダンス業界の第一線で活躍するプロダンサー達のダンス演劇も多くの感動を呼んだ。
今回は、感動の渦を呼んだ新エンターテイメント!梅棒 6th OPUS『GLOVER』のイベントレポートを紹介しよう。
梅棒 6th OPUS GLOVER ストーリーは古典「ロミオとジュリエット」をモチーフ
今作は誰もがその名を聞いたことある『ロミオとジュリエット』をモチーフにした作品になっている。
ロミオとジュリエットといえば、敵国同士で惹かれあう男女の悲恋話だ。本舞台は、その部分をロボット軍団・レジスタンス組織・地底民族の3者で取り巻いて進んでいく。
人間を滅ぼし、ロボットの世界にするのが目的である、中田カウンタック率いるロボット軍団には梅田彩佳演じるジュリエッタ。
国を人間たちの手に取り戻すために戦う吉田兄弟のもとに集まった、レジスタンス組織には大貫勇輔演じるロメオ。
敵同士、人間とロボット。相反する状況に置かれた2人が生み出す愛のストーリーは温かい笑いと現実の辛さと、最後には愛の素晴らしさを伝えてくれた。
ロボットとレジスタンスの戦いに関わりたくない地底民族も、地底に落ちたロメオとジェリエッタと一緒に過ごすうちに、誰かを愛し守りたいという感情を取り戻し、最後にはレジスタンスと共にロボット軍団と戦うなど、人は愛で成長する姿もシーンとして盛り込まれている。
そして、もう1つ注目したいのが、地底民族のアレックスとロボット軍団のウラッコとの友情だ。
レジスタンスに命を助けられ、面倒を見てもらっているアレックスとロボット軍団の中でも試作品だったためか、優しさを持つウラッコ。この2人も敵国同士で友情を引き裂かれるという、サイドストーリーを展開している。
ロボットとレジスタンス率いる人間の戦いに終止符を打ったのは、ロメオとジュリエッタの悲恋の末の死と、すべてを壊すためにミサイルを投下しようとした中田カウンタックの暴走を、自らの身を犠牲にしてその場を救ったウラッコの活躍によるものであった。
男女の愛だけでなく、友情という名の愛も存在することを教えてくれる。無限大の愛を伝えるストーリーとなっていた。
原作のロミオとジュリエットであれば、悲恋の死で終わる2人であるが、GLOVERでは愛の力なのか2人は死を免れ、最後には和解したロボットと人間の懸け橋になるかのように抱き合い愛を確かめ合う。
まさに超ハッピーエンドで舞台を、そして、会場を愛で幸せに包みこんだ。
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