福岡出身のシンガーソングライター・戸渡陽太が2016年6月15日にJUSTA RECORDSにてメジャーデビューを果たした。デビューCDは「I wanna be 戸渡陽太」というフルアルバム。楽曲プロデュースに高桑圭やmabanua、深沼元昭。レコーディングに渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)など、豪華なアーティストが集結して作り上げた作品。まさに大注目のアーティストだ。そんな彼の魅力を、経歴、そしてメジャーアルバムから紐解いていこうと思う。
戸渡陽太、サッカーの挫折が音楽に興味を持ったきっかけだった
1992年生まれの戸渡陽太は、小学校1年生からサッカーを楽しむスポーツ少年だった。実力は高く、ユースに入るほどサッカーに熱中していたのだとか。もちろんその頃はミュージシャンではなく、サッカー選手になりたいと考えていた。
だが、高校に入学するとその楽しいサッカーが楽しいものではなくなった。柄の悪い先輩が多かったり、部活内の”上下関係”が厳しかったりなど。そんな理不尽に嫌気がさし、長年続けたサッカーを止めてしまう。
そこで次に見つけた趣味がたまたま”ギター”だった。これが、音楽に興味を持ったきっかけなのだ。今になって戸渡陽太はこう語っている。「ドロップアウトしたほうが美しい瞬間を沢山見れる」と。そういった意味で、この苦い経験は幅広い楽曲テイストを作り出せるようになった要因の1つなのかもしれない。その後、インターネット上にアップした動画を見ていたavexが興味を持ちメジャーデビューの話を持ち掛け、現在に至る。
メジャーデビュー作品である「I wanna be 戸渡陽太」。冒頭でも記述したように数多くの有名アーティストが携わっている。そういうことも相まって、良い意味で曲に統一性が無い。どれを聞いても満足できる仕上がりになっているのだ。
その中の1つ、Beautiful Dayという楽曲は戸渡陽太の良い面が詰め込まれた。武器である「ハスキーボイス」が一曲を通して聞き取りやすいのが実に良い。これはディレクターの番場秀一の工夫によるものだろう。ドラムは入れず、リピアノやタンバリン、そしてシンバルだけでリズムを作る。そうすることで、歌に集中できるようにしたのだ。またガラリと雰囲気が変わる「ギシンアンキ」という曲も良い。Beautiful Dayとは真逆のロックテイストを基調とした作品だ。
このように、幅広いテイストの作品が詰まっている。まさに様々なアーティストの価値観が詰まったも曲集なのだ。音楽好きにはたまらない作品に違いない。
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