現代の息苦しさを痛切に歌った「東京酸欠ヒロイン」でメジャーリリース!
長きに渡りインディーズで活躍し、多くのファンを獲得してきたthe Raid.。もはや彼らの名前はインディーズシーンを超えて、メジャーシーンにまで波及しているといえるでしょう。そんなthe Raid.が2021年4月28日に新レーベルとして設立された「Nova Records」からメジャー第1弾シングル『東京酸欠ヒロイン』をリリース。全4形態でのリリースとなっており、人気YouTuberのてんちむがジャケット写真とMVに出演したことでも話題となりました。
表題曲の「東京酸欠ヒロイン」は、メジャーデビューという重荷を感じさせない普段どおりのthe Raid.らしい歌詞とメロディとなっており、女性が抱える生き辛さを描きながら、新型コロナウイルスによる世の中の閉塞感みたいなものからの救いの手を差し伸べてくれるような楽曲が心強いです。the Raid.といえば、難しい単語の羅列ではなく、あえて平易な単語を用いることで、よりストレートに歌詞の背景や思いが感じられるのが特徴。「東京酸欠ヒロイン」というタイトルも字面だけ見ると難解ではあるものの、歌詞を聞いたあとであればすっと頭に入ってきます。
同曲は『Love music』(フジテレビ系)の4月度エンディング・テーマにも起用され、メジャーデビュー曲が多くの音楽ファンに届いたことでしょう。V系バンドに対するイメージを良い意味で裏切ってくれる、実力派バンドであることは間違いありません。
the Raid.の人気曲
「病んでる君に贈る歌」
2016年に会場限定シングルとしてリリースされた楽曲。the Raid.を代表する楽曲のひとつで、YouTubeに公開されているMVは246万回再生を記録しています(2021年5月現在)。V系らしい激しくエッジの効いたサウンドに乗せて、星七の優しいボーカルがしなやかに響きます。いわゆるメンヘラを題材にした歌詞となっており、病みを抱えているリスナーから多くの共感を呼んでいます。
「歌舞伎町レイニー」
2019年にリリースされたシングル。新宿を舞台にホストに入れ込んでしまった女性の心情を歌っています。ホスト経験者である星七の視点から書かれた歌詞に注目。V系バンドというとメイクや衣装などスタイル的なところに目が向いてしまいがちですが、リアルな背景を鮮明に描いた歌詞こそ彼らの真骨頂とも言えます。
「殺したくなるほど誰かを愛した事はありますか?」
先に紹介した2曲はいわゆるV系らしい激しい曲でしたが、この曲はミディアムテンポなナンバーとなっています。お互いを愛しすぎるあまり依存関係に陥ってしまった恋人の関係が描かれた歌詞は刺激的。ここまで鮮明に描写しながらも重々しく聴かせないのは、バンドとしての力量が優れていることの証左でしょう。MVには引地敬澄とざわちんが出演しているので、2人の演技にも注目してほしいところ。
the Raid.、メジャーデビューはまだまだ序章にすぎない
「純潔ピラニア」や「未完成レプリカ」、古くは「JUDGEMENT(ジャッジメント)」など、まだまだ名曲が控えているthe Raid.。メジャーデビューというこの機会に彼らの過去曲が多くの人に聴かれることを願ってやみません。彼らの快進撃はまだ始まったばかりです。
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