2010年結成、兵庫県出身のインディーロックバンド「The fin.(ザ・フィン)」は2012年に現在の4人からなる体制となり、翌年にはネット上での音楽ファイル共有サービスサイトである「SoundCloud(サウンドクラウド)」に公開した「Night Time」が国内だけでなく、海外からも大反響を呼んだ。90年代のシューゲイザーサウンドやチルウェーブの影響もあるのか? 淡く、ぼんやりとした雰囲気でありながらも洗礼されたロックバンドだ。
1991年生まれ? 疑いたくなるThe fin.の構築された音楽
The fin.のメンバーは全員が兵庫県宝塚市出身で、1991年生まれである。注目されるキッカケとなった楽曲「Night time」を発表した時は21歳くらいだったという事になるが、「Night time」では年齢を一切感じさせない安定感、そして自分たちの音を見いだせているように感じた。ぼんやりとした朝靄の視界の中を、ふわふわと歩いていくような音、そしてイレギュラーに歪んだスパイスが降り注ぐ。楽曲、MVの構成ともに、オトナな知的なお洒落感を醸し出している。
この楽曲を発表した翌年には日本の大型音楽イベントでもある「フジロックフェスティバル」の「ROOKIE A GO-GO」ステージで演奏し、そのまた翌年2015年にはアメリカ、テキサスで開催された大規模カルチャーイベント「サウス・バイ・サウスウエスト」にも出演し、海外でも高い評価を得た。
世界を音を奏でながら歩いたThe fin.
その後も国内、海外とワールドワイドに様々なジャンルの音楽イベントへと出演するようになったThe fin.は、今年5月には、リリースされたシングル「Through The Deep」のUKリリースツアーと題して、イギリスで5カ所でのライブを行った。そして今年の夏は北海道で行われる野外フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL」に出演するようだ。The fin.の最新作となる「Through The Deep」は、今まで持っていたユニーク、かつ柔軟な姿勢は勿論、これまで彼らが吸収してきた、ロック、アンビエント、チル、エレクトロ、ハウス、ダンスミュージックect…多方面なジャンルの音楽を彼らなりに解釈、自己表現しているように感じる。更に丁寧で繊細な印象を受けるが、人を惹き付ける得体の知れない「魅力」はロンドンやアメリカ、台湾など…国外のフィールドで演奏した経験によって、更に磨きがかかっている。
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