years(2011年)
前述「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」のカップリング曲である「years」。
東日本大震災直後の人々が抱える不安を表した内容で、カップリング曲ながらも透明感と深さを持ったyearsの完成度は高いです。
曲中2分46秒でいったん沈黙があり、その後大サビに入っていく構成になっているのですが、2:46という数字は東日本大震災ととても関連が深い数字。
2分46秒の前には子供たちの笑い声の描写もあります。
リリースから4年を経た2015年に「都市の感情」をテーマに上記のミュージックビデオ化。
そして2018年にはHondaの新型ハイブリッド車「INSIGHT」のCMソングに起用。
名前の通り、時代を超えて愛され、また私たちに今いる環境や未来のことを考えさせてくれる曲です。
ユリイカ(2014年)
前述「グッドバイ」のカップリング曲である「ユリイカ」。
ミュージックビデオには裸の女性たちが数多く登場し、インパクトがある内容になっていますが、これは山口一郎が意図したもののようです。
2013年にはアルバム「sakanaction」がオリコンチャート1位を獲得、さらに同年には紅白初出場を果たし、当時認知度が急上昇していく最中にあったサカナクション。
その翌年1月にリリースされた本曲で、自分たちらしさを全面に出した内容にして、サカナクションのスタイルや個性を世に示す狙いがあったと後に彼がラジオで語っています。
ミュージックビデオの内容は東京のあらゆる面を切り取った風景と、少しずつ重なった裸の女性たち。
芸術的で美しい、より彼ららしい映像に仕上がっていると感じます。
蓮の花(2014年)
芥川龍之介の児童向けの小説「蜘蛛の糸」をインスピレーションに制作された「蓮の花」。
お釈迦様がある罪人を蜘蛛の糸で極楽まで引っ張り上げようとする小説ですが、そのストーリーの比喩が歌詞のいたるところに散りばめられております。
ミュージックビデオは山口一郎と蜘蛛男が東京の街をドライブしたり、楽しく踊ったりする内容。
落ち着いているけれどもテンポがしっかりあるメロディーで、ファンからの人気も高い1曲です。
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