南青山に突如出現した音楽とカルチャーの楽園「PARA-」のイベント模様をプレイバック
空気が夏の終わりの匂いを纏うようになってきた今日この頃。過ごしやすいけれども、何だか大事な何かをやり残したような気にさせる。そんなことを思いながら家の扉を開いた9月1日の午後、向かった南青山にはまだ夏の楽園が残っていた。日本からRIRIとKEIJU、台湾からJulia Wuを召集、大盛況のなか幕を閉じた「PARA-」のイベント模様をお届けする。
Photography_ Ryohei Anbo
Text_Sota Nagashima
青山一丁目駅から徒歩4分、乃木坂駅からも徒歩4分ほど。高層ビルなどが並ぶまさしく大都会という言葉の似合うこの街に、緑あふれる広場「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」はある。時刻は16時頃。ちょうどイベント開始時刻に到着すると、入り口には既に長蛇の列ができていた。まずは橋本翼(cero)率いるSOM TAM CLUBによるDJでイベントはスタート。和洋ミックスされたグッドミュージックたちが来場者たちを非日常空間へ誘う。
そして、ライブのトップバッターには今や日本を代表するHIP HOPクルーへと成長したKANDYTOWNのラッパー、KEIJUが登場。昨年メジャーデビューし、様々な経験を得てきただろうその姿には風格すらも漂う様になってきた。まずはクルーの曲である「Paper Chase」でご挨拶。他にもメジャーデビューファーストシングルである「Let Me Know」をBACHLOGICによるRemixバージョンのトラックで披露するなど、KEIJUらしいメロディアスなヒップホップで会場の雰囲気を掌握していく。ラストにはtofubeatsの楽曲に客演しフロアアンセムとなった「LONELY NIGHTS」を披露。会場のボルテージを最高潮まで引き上げた。
お次はこの日が日本初パフォーマンスとあって注目が集まる台湾のシンガー、Julia Wu。先日、RIRI×KEIJU×小袋成彬による「Summertime」のカバーを配信開始したことによる縁があっての今回のイベント。1曲目の「撥接」からオーディエンスは初めて生で聴く彼女の歌声にうっとり。MCでは英語で丁寧に楽曲を説明していた。ライブ終盤には「你是不是有點動心」や「買榜」という人気曲を立て続けに披露。そのメロウでセクシーなパフォーマンスに、台湾の新しい歌姫としての実力を見た。
すっかり外は暗くなり、夜も更けてきた。ライブは次で最後の1人。観客が一斉にスマートフォンのカメラを取り出しざわつくその目の先には、まだ若干19歳の歌姫RIRIの姿があった。1曲目からヒットナンバー「That’s My Baby」を披露し、エンジン全開でスタート。3曲目の「Maybe One Day」では完全に日本人のR&Bのそれではないと呆気に取られていると、続けて「HONEY」で披露した力強い歌声には、彼女が尊敬するビヨンセの影すらも見えてくる。
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