「激情派」と呼ばれ、その個性たっぷりの風貌とインパクトの強いパフォーマンスでその名を知らしめた、大森 靖子(おおもりせいこ)。芸能事務所や大手レコード会社とも契約せず、フリーでの活動を続けていた彼女は、音楽界でも異端な存在でありつつも、常に注目される人物のひとりだ。彼女が歌詞に込めた音楽への想いと、そのスタンスとは。
「激情派」と呼ばれた大森靖子(おおもりせいこ)とはどんな人物なのか
大森靖子(おおもりせいこ)は弾き語りを基本的なスタイルに活動するシンガーソングライターである。2014年にはフジロックフェスティバルやロックインジャパンなど、音楽好きでなくても耳にしたことのある大型人気音楽イベントにも出演するなど、最も注目される人物のひとりだ。彼女の音楽の原点は、SPEEDやモーニング娘。などのアイドルグループから、浜崎あゆみや椎名林檎などの女性シンガーソングライターと多岐に渡る。個性が強く、印象深い風貌の彼女。中学・高校時代は変人扱いされていたり、出身である武蔵野美術大学ではクラスに馴染めなかったなど、子ども時代には苦労を経験したとも語っているようである。
音楽との出会いが、彼女の持て余した「個性」を生かすことになる。
そんな彼女の最初の0転機が、大学在学時の19歳の頃。ライブハウスでたまたま人数合わせのためにギターとして参加した友人のライブをきっかけに、そのライブハウスでのライブがルーティーンワークとなった。すると、彼女の演奏やパフォーマンスの評判が口コミで広がり、2011年ごろからはオリジナル楽曲をバンドスタイルで演奏し始める。そこで出会ったのが、その後2015年まで継続して活動することとなる4ピースバンド、「大森靖子&THEピンクトカレフ」で、着実にその名を知らしめて行った。その後2012年までは全国各地を巡り、精力的にライブを続け、2013年にさらなる転機が訪れる。
音楽関係者との密な関係で、孤独な「激情派」からメジャーデビュー。
2013年5月、ついにソロワンマンライブを敢行。会場は渋谷CLUB QUATTOROで、なんと満員という大成功のうちに終了した。翌年2014年3月には再びワンマンライブを行い、その最終公演で大手レコード会社「エイベックス」より、メジャーデビューすることが発表されたのだった。彼女の音楽の魅力のひとつが、感情を揺さぶるストーリー性のある歌詞にある。一見ふざけたタイトルに惑わされがちなのだが、よくよく聞くと、後ろから迫る彼女の想いが散りばめられており、何度も聞きたくなるから不思議だ。2014年には結婚、翌2015年には出産を経験。人として、女性としての幅の広がりが、これからの彼女の音楽に強い影響を与え、より一層精力的な活動を行ってくれることを願う。
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