(ステージ直後のONIGAWARAよりコメント動画を頂いてまいりました!!)
バンもん!Fesでは様々な女性アイドルたちがステージ上で華を咲かせた一方で、白一点こんな男性アイドル(?!)も、WWWのステージに姿を見せた。
(バンドじゃないもん!のステージ。ライブレポはこちら)
そんな彼らの名こそ<ONIGAWARA>。元竹内電気の『竹内サティフォ(Vocal,Guitar,Programming)』と『斉藤伸也(Vocal,GAYA,Programming)』からなる2人組のユニットだ。こちらは自らをSUPER J-POP UNITと称し、アイドルでもないし、バンドでもない完全に独自のパフォーマンススタイルを貫いている。
90年代のJ-POPのサウンドテイストを基盤にしながらも、そこに電子音のアレンジと、現代の文化を象徴するようなフレーズが盛り込まれていて、懐かしいけど今っぽい。そんな彼らのGIGの様子を、ここではレポートしたい。
懐かしいけど今っぽい!ファン急増中。噂のGIG!
まずはオープニング。あのジュリアナ東京のイメージを彷彿させる音楽とフラッシュライトに照らされて登場するONIGAWARA。
彼らの1曲目は今年の3月にリリースされた1st mini album『欲望』の中から『ボーイフレンドになりたいっ!』
前列を占めるファンがサイリウムを振りながら、なんとも器用にスマホでパシャパシャステージ上の様子を撮影している様子が目に映る。(※ONIGAWARAのGIGの公式ルールとしてスマホでの撮影&SNSでの拡散はOKとされているのだ!)
竹内サティフォの弾くギタリズム柄のギターから響くリフ、カッティングはファンキーで非常に格好良い。岡村靖幸ら、1980年代末から90年代初頭のJ-POPの影響を感じさせる音作りだ。サウンドだけでなく、ビジュアルも凝っている。前述のギタリズム柄のギターだけでなく、ONIGAWARAの二人の蝶ネクタイはよく見ると8bit柄であった。渋谷系なのかビートロックなのか8bitなのか、ギミックを詰め込みまくったルックはもはやONIGAWARA的としか言いようのない、強烈な個性を放つ。
続いて2曲目に『チョコレイトをちょうだい』。
バレンタインデーに大好きな女の子からチョコレートをどうしても貰いたい!という気持ちだけがひしひしと伝わってくるこの曲に合わせ、今度は前列のファンがバッチリ「踊りながら」写真を撮っている。
グルーヴィーでゴージャスなサウンドに恋愛やボーイ・ミーツ・ガール的な要素がたっぷり詰まった歌詞が載りつつも、全体に「モテなさ」がブレンドされているところがONIGAWARA印の面白いところ。この曲の主人公は結局、女の子からチョコレイトを貰えないのであろう……。
そんなONIGAWARAのGIGの楽しみ方を知ってから入る3曲目、『恋のメリーゴーランド』。THE・王道のヒットチャート仕様(※ただし、25年前のチャート)のロックナンバーという感じの曲調だ。90年代初頭のチェッカーズのカバー曲だと言われたら、それはそれで信じるかもしれない。
ものすごく売れそうな曲だなあと思いながら聞きつつも、よく考えるとここまで90年代の王道っぽい曲は最近あまり無い気もする。このちょっとした、いまの売れ線とのズレの感覚もONIGAWARAの特徴なのだろう。
MCでは『バンもん!Fes』に出演叶った背景として斉藤がかつてバンもんの曲のバックでギターを弾いていたことを明かすと、会場からは「おお~~~」という声が上がったりもした。
そして、年の瀬にちなんだ4曲目は『Chistmas~ONIGAWARAの場合~』。小沢健二 featuring スチャダラパーばりのメロウでスイートな曲調でラップも披露、日常と刹那を歌ってみせる。
前の3曲とは打って変わった歌詞に、会場の空気がガラッと変わる。なにせ30代独身、ひとりきりのクリスマスの様子をリアルに歌う歌詞が、まず切ない。自身に歌詞を投影してみたオーディエンスが多かったのだろうか。ここで妙な一体感に包まれる。
(楽曲はいずれもグルーヴィー!ONIGAWARAの二人はステージで振りやダンスも披露する)
ここで妙な一体感の中から続く5曲目が12月7日にリリースされた、1st写真集シングルから『GATTEN 承知之助~We can do it~』。
(あの人気バラエティ番組を模したPV映像は必見。今だからこそ、見て欲しい)
フリッパーズ・ギターにオマージュ!?『シャッターチャンス93’』
6曲目は『シャッターチャンス93’』。
『カメラ!カメラ!カメラ!』を始めとする、フリッパーズ・ギターのセカンド・アルバム『カメラ・トーク』をオマージュしたと思われる一曲だ。
Flipper’s Guitar / カメラ・トーク
『カメラ!カメラ!カメラ!』は「ずっと欲しかったカメラ」を手にした「僕」が「君」と、「カメラの中三秒間だけ」恋をする一曲。
一方、『シャッターチャンス 93’』で歌われるカメラは「アプリ」や「タイムライン」、「自撮り」という単語が歌詞に出てくる通りおそらくはスマホに搭載されているもの。
「ずっと欲しかったカメラ」は既にスマホに搭載されており、カメラの中の「君」の顔はアプリで「まるで別人のプロポーション」といった具合に、この二曲を比べると時代の変化が浮かび上がってきて興味深い。
この曲にはオーディエンスに対し「シャッターチャンス」が設けられていた。
そこで、なんと我々の後ろ側でGIGを見ていた、バンもんファンの女の子たちが「やば~い!かっこいい!超いいんだけど!」となんと彼らの様子をカメラに収め続けている。様子をうかがう限り、たまたまONIGAWARAのGIGを見ていたらついついそのパフォーマンスの虜になってしまったようだ。
(筆者撮影。「シャッターチャンス」で収めた一枚!)
そんなフェスならではの素敵な出会いを見届けながら、次はいよいよ最後の曲、『タンクトップは似合わない』
(この夏OAされていた『Google Play Music』のCMソングにも起用された曲。聴き覚えのある方もいるかもしれない)
この曲で赤と青に光るペンライトを振るオーディエンスの数が一気に増えた。もちろん先ほどの女の子たちも、ぶんぶんとペンライトを振りながらステージを撮影し続けている。我々も気が付いたらペンライトの代わりにメモ取るペンを握りしめ、オーディエンスの動きにあわせてぶんぶんと腕を振り、最後はさわやかな笑顔でステージを去る彼らに大きな拍手を送った。
年始に予定されている『1stワンマンツアー2017~新春ONI詣~』も、既に大阪・名古屋公演のチケットはSOLD OUTしており、残すチケットは1月21日(土)東京公演のみとなっているONIGAWARA。
いろんなジャンルの垣根と飛び越え、時代をも飛び越えて90年代サウンドを奏でる彼等。そのコンセプチュアルな活動の魅力は、バンもん!Fes.の会場でもひしひしと感じ取ることが出来た。
今後のGIG情報からも、ますます目が離せない。
(ライブ後の様子。ONIGAWARAの二人も観客も手を上に突き上げ、大盛り上がり!)
セットリスト
1.~SE~ ボーイフレンドになりたいっ!
2.チョコレイトをちょうだい
3.恋のメリーゴーランド
4.Christmas~ONIGAWARAの場合~
5.GATTEN承知之助~We can do it!!~
6.シャッターチャンス’93
7.タンクトップは似合わない
ONIGAWARA:オフィシャルサイト
[ツアー情報]
1stワンマンツアー2017〜新春初ONI詣〜
1/21(土)東京@渋谷O-WEST
OPEN17:30/START18:00
前売り3200円 当日3700円
チケット発売中!
TEXT_MILK TAKANASHI & KUJU ARATO
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