group inou(グループイノウ)は2003年に結成された音楽ユニット。「胃脳グループ」とも呼ぶことがあり、現在は自主レーベルGALにて活動している。メンバーはimai(いまい)とcp(しーぴー)の2人。今となっては珍しくないエレクトロサウンドを早くに取り入れ、各界のクリエーターから支持を集めている。『文化庁メディアアート芸術祭新人賞』『アジアデジタルアート大賞展優秀賞』など輝かしい経歴も持っている。そんなgroup inouの良さは「9」「THERAPY」という曲を聞けばわかる。今回はその2曲を紹介しようと思う。
group inouを聴くなら、絶対に外してはいけない曲「THERAPY」
2010年6月2日に発売されたアルバム「_(アンダーバー)」の収録曲「THERAPY」。MVを見ると、まず最初に感じるのが映像の奇妙さだろう。group inouの特徴は何といっても、このコミカルな映像にある。一度見ると当分は忘れられなくなる不思議なムービーだ。こういった映像はAC部が担当しているようだ。そんな不思議なMVだが、曲も同時に不思議である。ジャンルはエレクトロミュージック。近年では日本にもEDM文化が根付いたため、あまり新鮮さを感じないかもしれない。だが当時は目新しく多くの人に衝撃を与えたのだ。そのため何度も聴こうとした人が集まりYoutubeでは100万回以上再生されている。では今聴いたら普通な曲なのかと言われればそうではない。こだわらないメロディーが実にクリエイティブで、こういった曲を作れるアーティストは中々いない。こんな面白い曲を作れるのはgroup inouぐらいだろう。今聴いても目新しい曲なのだ。
元気になりたい時に聞いてほしいアップテンポなナンバー「9」
次の曲は3rd album 「DAY」に収められた「9」という曲。テレビ東京で放送されているゴッドタンのEDになった曲としても知られている。この曲はgroup inouの中でも比較的テンションの高い曲である。元気になれるけど最後はちょっと感動、そんなエモーショナルなナンバーになっている。曲の構成は「THERAPY」同様、エレクトロサウンドを基調としており、キュッキュッというリズムが中毒性を生んでいる。拍車をかけるように、HIP-HOPを全面的に出すことで、歌詞一つ一つに中毒性を含ませている。何度聞いても満足できる仕上がりになっている。この曲の見どころは、何といっても最後に差し掛かる”セリフ”にある。最後の「そこには誰もいなかった」というセリフで何だか切ない感情を抱く。この意味は色々とれるので、実際に聴いてみて自分なりに解釈してほしい。group inouにはこういった独特な曲が沢山ある。この機会に聴いてみてはいかがだろうか。
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