渋谷のライブハウスshibuya eggman主催イベント『LIVE EGG BUDOKAN ~shibuya eggman 35周年大感謝祭~』が2017年2月19日(日)に東京・日本武道館で行われた。この記念すべき公演の模様を臨場感溢れる写真満載でお届けします!
TEXT : 三木万也
<miwa>
この日のトップバッターは、春らしい花柄のワンピースを翻しながら「いくよー!」と元気よく笑顔で登場したmiwa。トレードマークのアコギを抱え、これからの季節にピッタリなポップチューン『君に出会えたから』をパワフルに熱唱し、オーディエンスと一緒にジャンプしたり、一曲目からイベントを思いっきり盛り上げる。
そして「今の自分があるのはエッグマンのおかげ」と少しはにかみながら語り、彼女の当時の想いがたっぷり詰まったメジャーデビュー曲『don’t cry anymore』を力強く高らかに歌い上げると、場内からは自然と大きな拍手が巻き起こった。ノリノリのロックチューンからシットリ聴かせるバラードまでバラエティーに富んだステージを披露してくれた彼女の“miwa全開”のパフォーマンスは武道館を一気にお祝いムードへと導いた。いまや女優としてもノリにノっている彼女からこれからも目が離せそうにない。
□Set List
M1 「君に出会えたから」
M2 「ストレスフリー」
M3 「don’t cry anymore」
M4 「アイオクリ」
M5 「ヒカリヘ」
<sumika>
miwaの作り出した暖かなステージから一変、エレクトリックなサウンドとカラフルなライトに照らされて登場したのはsumika。初っ端披露された賑やかなポップチューン『Lovers』では、キーボードの弾むような音色にのせて大きな手拍子が響き渡り、場内は一瞬で“sumikaワールド”へと様変わり。「本来ならばワンマンライブでなければ武道館に立つのが嫌だった。でもいつも支えて貰っているエッグマンのスタッフが頑張っている姿を見て奇跡みたいな一日にしなければならないという気持ちになった。」と熱く語った片岡健太(Vo・Gt)。
そして、片岡の想いがこもった彼らの代表曲『伝言歌』では、マイクレスの片岡と8000人のオーディエンスが声を合わせて歌い、場内が一体になった。それはまさにsumikaが起こした奇跡。“ロックバンド”という枠に捕われず、常に進化し続ける彼ららしいステージングはさすが、恐れ入った。
□Set List
M1 「Lovers」
M2 「MAGIC」
M4 「ふっかつのじゅもん」
M5 「伝言歌」
<Czecho No Republic>
真っ赤なワンピース、紅一点タカハシマイ(Cho/Syn/Per)を筆頭に次々と颯爽とステージに現れたのはCzecho No Republic。彼らのステージは、ドリーミーな世界観が印象的なポップチューン『Amazing Parade』から勢いよく始まった。武井優心(Vo)とタカハシの織りなす透き通った美しい歌声が武道館いっぱいに広がるとオーディエンスは音に合わせて左右に身体を揺らし、思い思いにライブを楽しんでいるようだった。「ワンマンの武道館公演を実現させる」と武井が男らしく宣言し、ラストに披露されたのはライブではお馴染みのポップチューン『ダイナソー』。武道館のオーディエンスの前で歌いたかったというこの曲では、拳を上げながらオーディエンスとコール&レスポンスを繰り返し、場内を最後の最後まで揺らした。演奏が終わると、きっといつか実現してくれるであろう武道館ワンマンへの期待を胸に場内から大きな拍手とメンバーコールが響き渡り、遊園地のように“ドキドキ・ワクワク”したステージは幕を閉じた。
□Set List
M1 「Amazing Parade」
M2 「MUSIC」
M3 「No Way」
M4 「Firework」
M5 「ダイナソー」
<SUPER BEAVER>
真っ赤なシャツに黒いスキニーパンツの渋谷龍太(Vo)に率いられて堂々登場したSUPER BEAVER。渋谷は一曲目『→』からセンターのお立ち台にのりかかると場内を思いっきり煽り、それに応えるようオーディエンスも雄叫びのような熱い歓声をあげ、会場のボルテージをグングン上げていく。渋谷らしい笑いを誘うMCを交えながら、聴く者の背中をそっと押してくれるような楽曲を力強く披露する彼らのパフォーマンスにオーディエンスは熱狂し、拳で参戦する。ラストに披露したロックナンバー『人として』では、溢れる気持ちを噛みしめるかのように想いを込めて丁寧に歌い上げた。きっと渋谷、そしてSUPER BEAVERの想いはオーディエンスにはもちろん、エッグマンのスタッフの一人一人の心に届いたに違いない。5曲のパフォーマンスの中に“今のSUPER BEAVER”の全てが凝縮された素晴らしいアクトだったと思う。
□Set List
M1 「 → 」
M2 「秘密」
M3 「美しい日」
M4 「青い春」
M5 「人として」
<MAN WITH A MISSION>
数々のアーティストが暖めてきたステージに続いて登場したのはMAN WITH A MISSION。鳴り響くクラップの中、トーキョー・タナカ(Vo)がお立ち台に上がり、バンドロゴがバッチリ入った横断幕を掲げると歓声が巻き起こり、一曲目の『DON’T LOSE YOURSELF』ですでに場内は熱狂の渦へ…、いやいや、お祭り騒ぎだ。そこから次々に畳掛けられる激しく熱いオオカミたちのロックチューンにファンは“待ってました!”とばかりに激しいヘドバンで参戦する。本日はエッグマンで演奏していたという懐かしい楽曲『WELCOME TO THE NEWWORLD』、『NEVER FXXKIN’ MIND THE RULES』などを盛り込んだ35周年お祝い仕様のスペシャルなセットリストで構成され、ファンも大喜びの模様。終盤にドロップされた『FLY AGAIN』では、場内と一緒にオオカミのポーズを左右に高く振りかざし、最後はお決まりの「1ー!2-!3-!ガオー!!」という掛け声で武道館は8000人のオオカミで埋め尽くされた。
彼らがステージを後にしても鳴り止まないメンバーコールと熱いクラップが“ライブバンド・MAN WITH A MISSION”の存在を証明していた。
□Set List
M1 「DON’T LOSE YOURSELF」
M2 「WELCOME TO THE NEWWORLD」
M3 「NEVER FXXKIN’MIND THE RULES」
M4 「DANCE EVERYBODY」
M5 「TAKE ME HOME」
M6 「PANORAMA RADIO」
M7 「FLY AGAIN」
<shibuya eggman 35th special session band>
<ISEKI>
MAN WITH A MISSION カミカゼ・ボーイを従えたバックバンドとともに、登場したのはISEKI。美しくも優しい歌声でバラードナンバー『PROMIS』をしっとりと聴かせる。また自身のユニットであったキマグレンの代表曲『LIFE』をこの日、ソロになってから初めて披露し、MAN WITH A MISSION ジャン・ケン・ジョニーとmiwaとのスペシャル・コラボレーションで演奏した。2月にも関わらず、曲が始まると真夏のような熱い空間に様変わり。本日、ライブのMCを務めていたISEKIのキレッキレのトークにも拍手を送りたい。
□Set List
M1 「PROMISE」
M2 「LIFE」
<NOKKO>
トリを務めるのは、日本を代表する女性シンガー・NOKKO。水色のスーツをビシッとキメて、ステージ後方の階段から華々しく登場。MAN WITH A MISSION カミカゼ・ボーイをバックバンドに迎え、レベッカの代表曲『76th star』をキュートに歌い上げる。ファンからの“かわいい!”という声援に照れ笑いを覗かせつつも、キレのあるダンスや美しい歌声は健在。麗しいバラードナンバー『人魚』では、うって変わって優しくしっとりと演出含めて披露し、オーディエンスを魅了。そしてラストは世代を超えて今もなお親しまれているロックチューン『フレンズ』。NOKKOは美声を力強く響かせながら花道を歩き、笑顔で最後まで手を振っていたのが印象的だった。演出を含め終始ファンを楽しませることを一番に考えられたステージだったと思う。
□Set List
M1 「76th Star」
M2 「Maybe tomorrow」
M3 「Raspberry Dream」
M4 「人魚」
M5 「フレンズ」
フィナーレ
最後はISEKIが出演者全員をステージに呼び込み、エッグマンの由来になったThe Beatlesの名曲『I Am the Walrus』』を全員で熱唱。出演アーティストたちが本公演のグッズであるライブTシャツ(漫画家・浦沢直樹氏の描きおろしキャラクター)を身につけ、世代もバンドの垣根をも越えて音楽を楽しんでいる姿は、eggman35周年という祭典に相応しい最高のフィナーレだった。
□フィナーレ
「I Am The Walrus」
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