爽やかな安達祐実のジャケットが目を引く本作、『ラブとポップ〜大人になっても忘れられない歌がある〜 mixed by DJ和』が8月7日にリリース。発売1か月で売り上げは8万枚を突破しているという。ストリーミングサービスの普及によりCD離れが進んでいる昨今において、これは驚異の売れ行きではないだろうか。
そんなスマッシュヒットを記念して、JR池袋駅内西武百貨店方面に向かう中央通路沿いの一角に、本作のオフィシャルショップがオープン。20代後半〜30代の働き盛り世代を応援すべく、懐かしのCDウォークマンの限定レンタルも実施中だ。オフィシャルショップにはDJ和も来店し、足を止める人々とのコミニュケーションを楽しんだ。そんな彼に本作についての思いや、はたまた第3弾への構想について話を聞いた。
Text_Mizuki Kanno
「CDだからこそできる提案を、大切にしています。」
――本日は暑い中、お疲れ様でした! まずは今回の取り組みへの感想を教えてください。
DJ和 : 今回『ラブとポップ』の第2弾をリリースし、より多くの方にこのCDを知ってもらうことを目的に、人の往来が激しい池袋を選びました。CDを購入する方法はいくらでもありますが、興味を持ってくれた方と直接お話しすることで、ネットやCDショップで買うのとはまた違った広がりがあると思ったので。実際、今日だけでも多くの方が立ち寄ってくださり、会話ができたのでいい機会になりました。
――今作に収録されている全38曲全て、20代後半〜30代くらいの方々の青春アンセムですよね。和さん的に特に思い入れ深い楽曲などありますか?
DJ和 : うーん..........悩みますね(笑)。今作は僕の26枚目のCDで、今までの活動の集大成みたいな感じです。全て僕が小中学生くらいの頃に流行り、青春時代を一緒に歩んできた楽曲ばかりなので、一曲一曲に濃厚な思い出があります。僕らの世代って、KICK THE CAN CREWやSEAMOらを代表するヒップホップ、三木道三や清水翔太などのR&Bなど、J-POP界に新しいジャンルが参入してきたというか、変わり目みたいな年だと思うんです。知らず知らず聴いていた音が勝手にヒップホップだったし、ロックだったみたいな。だから、ジャンルレスに音楽を楽しめる世代なんですよね。本作も打ち込みもあれば弾き語りもあるし、音圧感やテンポもあえてバラバラな楽曲をミックスしています。でも、そこをまとめているのが時代と言う縛りであって、楽曲のストーリーや雰囲気が味わえるように曲順をこだわりました。曲の流れってそのDJによって無限にあると思いますが、今回はエモい感じからはじまって、徐々にテンションを上げて、少し緩めたところでまた上げる流れにしています。最後に頂上を持ってきてしまうと、ずっと上り坂しかないから途中で飽きるんです。上りも下がりも交互にくるので、70分くらいの本作も、飽きずに楽しんでいただけると思います。あと、通勤や通学の平均時間って恐らく、30〜40分程度の方がほとんどだと思うので、行きと帰りで半分ずつくらいに分けて聴くことを想定して、ブロックごとで曲順を作っているのもポイントかもしれません。
――前作は45万枚突破、今作もすでに8万枚を突破したと伺いました。音楽を聴くツールとしてストリーミングサービスが主流の時代に。この数字は異例ですよね。客観的に見てこの状況をどのように感じますか?
DJ和 : 正直、そんなにご好評をいただくとは思っていませんでした。これまで90年代のJ-POPをメインに繋ぐみたいなのは結構制作してきましたが、世代を一回り下げた2000年代を出そうというところから始動したのがこのシリーズで、今33歳の僕と同世代の方々に向けています。30代って青春時代をよく振り返る気がするんです。そのノスタルジックな心情に刺さったのかなと思っています。あとはCDが主流の時代に青春を過ごしているので、こういうコンピに馴染みもあるんですよね。ストリーミングサービスが主流な現在では、シャッフルでランダムに曲が流れてきますし、基本的にみんな単曲で楽曲を聴きますよね。そうなってくると、確かに1枚にまとめる必要はないのかもしれません。でも、こちらで選んだ曲順を提案して聴いてもらうことで、新しい楽しみに出会えると思うんです。38曲を通して聴くと、こういう感覚になるんだみたいな。CDだからこそできる提案なので、大切にしています。
――今回ターゲットにしている世代以外、ストリーミングでしか音楽を聞いていない10代や20代前半からのリアクションはありましたか?
DJ和 : 学生などから「初めて買ったCDが『ラブとポップ』」なんていう嬉しい声もいただきました。CDを買うことに馴染みのない世代も今作を聴いたことで、CDを作ることに憧れてくれる人が出てきたら嬉しいです。音楽は今後も永遠に途絶えないものだから、新しい世代が今の流行りの音楽で、ミックスCDやレコードなんかも作ってくれたら、まだまだ盤で音楽を楽しむカルチャーも生き続けると思います。
――第3弾の構想はありますか?
DJ和 : 第1弾をリリースしたのがちょうど2年前で、長い間変わらずにお店で展開してくださったりと、周りの方々がすごく支えてくださいました。僕らも海老名サービスエリアでイベントを行うなどの活動は定期的に続けてきました。なので、時期はわかりませんが、第3弾のリリースは考えています。ストリーミングサービスの誕生とともにCDの存在意義が変わってきていると思いますが、形として手元に残す、家に飾っておきたいと思える作品でありたいです。こういうコンピレーション・アルバムは特にCDの方が楽しめると思うので、一家に一枚とりあえず常備しておいてもらえれば、必ず活躍すると思います。
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