でんぱ組.incが12月21日にいよいよ初となるベストアルバム『WWDBEST ~電波良好!~』をリリースする。
でんぱ組.incの音楽を手がけてきた11名のクリエイター(前山田健一、畑亜貴、meg rock、かせきさいだぁ、只野菜摘、NOBE、玉屋2060%、浅野尚志、釣俊輔、Tom-H@ck、小池雅也)による共作曲『WWDBEST』のほか、初期の楽曲から最新曲までが収録され、これまでのでんぱ組.incの軌跡を振り返るのにぴったりの1枚だ。アートワークもさすがの一言。今回このコラムでは、でんぱ組.incの登場によりアイドル界がどう変化したのか、このタイミングで今一度考察してみたい。
『でんでんぱっしょん』の衝撃―高速4つ打ち情報詰め込み型電波ソングの確立
でんぱ組.incの名を一気に広く知らしめたのは間違いなく2013年にリリースされた『でんでんぱっしょん』だ。Wiennersの玉屋2060%が作曲を担当したこのナンバーでは、高速BPMの4つ打ちに乗せ、ジェットコースターのような目まぐるしい展開が行われる。4つ打ちのアイドル曲といえばももクロの『行くぜっ!怪盗少女』が浮かぶが、『でんでんぱっしょん』はさらに速く、さらに情報量が多い。また、シンセがキラキラしているというのも大きなポイントだ。これはやはり電波ソングからの強い影響だろう。
上のSHAKING PINK『早速ですがSHAKING PINKはインベーダーだったようです』はキラキラシンセ、高速BPM、展開の多さ、4つ打ち、情報量という点で非常に『でんでんぱっしょん』と近いものを感じる。でんぱ組.incはちょっと長いが「高速4つ打ち情報詰め込み型電波ソング」というスタイルを新しく確立したアイドルグループと位置づけられるだろう。でんぱ組.inc以降この「高速4つ打ち情報詰め込み型電波ソング」っぽい曲はいろいろなアイドルで聴かれるようになる。
最近だとわーすたの『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ 』なんかはこれにかなり近い。タイトルのこの平仮名が連続する感じもすごく電波ソングらしい。
同時期には邦楽バンドシーンで4つ打ちロックが台頭していたが、そことのシンクロも考えられるかもしれない。
ファッションとアイドルの関係を変えた
さぁ、そして楽曲での影響だけではない。でんぱ組.incは衣装のインパクトもすごかった。デビュー当時からMIKIO SAKABAや縷縷夢兎などエッヂの効いたブランドを取り入れ、これまでのアイドルの衣装という概念を大きく塗り替えてしまった。
でんぱ組.inc以降、ファッションとアイドルの関係性が大きく変わったように感じる。最近だとMaison book girlの衣装をBALMUNGが手がけたりと、ファッションでコンセプトを示すアイドルグループがものすごく増えてきた。この流れはまだまだ面白いことになるだろう。
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