Hello!Project(以下略 ハロプロ)に在籍する℃-uteが2017年6月のさいたまスーパーアリーナ公演を最後に、グループを解散することが発表された。
℃-uteとして11年間、ハロプロキッズから数えれば14年間、ハロプロで活躍してきた彼女たちは解散ロードを歩み始める。
現役ハロプロメンバーの中でも、数少ないハロプロ黄金期を経験してきた℃-ute。8人いたメンバーも気づけば5人になり、一時はスタッフから続行が難しいとまで言われていた彼女たちは、結束し、スキルを磨き、自分たちのパフォーマンスレベルをあげてきた。
気づけば、ファンやハロプロメンバーからハロプロ屈指のパフォーマンス力を持つグループと言われるようになり、同期のBerryz工房からも「℃-uteのダンスは難しいのに、5人ピッタリ揃ってるのがすごい」と称賛される。
彼女たちはパフォーマンスという持ち味で、見事℃-uteを返り咲かせることに成功した。
モーニング娘。’14の道重さゆみが卒業してからは、ハロプロ最年長キャリアを誇るメンバーユニットとして、ハロプロを牽引。
どんどんスキルの高い後輩が現れる中、常に進化を続け、パフォーマンスといえば℃-uteという立場を崩さずにやってきたのが印象的だ。
℃-uteの強みであるパフォーマンスを、彼女たちが解散する前にじっくり考えてみよう。
元々高かった℃-uteのパフォーマンスが神がかってきたのは、ハロプロのプロデューサーつんく♂がプロデューサー業を勇退し、リリースする楽曲に変化があらわれたころである。
色々な作家に曲を提供してもらう中で、ダンスの振付も変化していった。
その代表的なものが℃-uteの最新シングル『何故 人は争うんだろう? /Summer Wind/人生はSTEP!』だ。
2016年3月に開催されたひなフェスで人生はSTEP!を披露した際には、さすが℃-ute! このJAZZYな曲調で大人の魅力を出した振付は℃-uteにしか出来ないとまでファンに言わしめ、高評価を得る楽曲に仕上げた。
出典:Youtube
この楽曲の振付を担当したのが、ダンサーのMASAOという人物だ。
MASAOが担当したのはこの3曲だけではない。2015年4月にリリースしたシングル『The Middle Management~女性中間管理職~』に始まり、アルバム『℃maj9』内の楽曲も振付を担当している。
そして、2015年秋から2016年春のツアーはこのMASAOが総合演出を担当した。
また、℃-uteだけでなくハロ!ステダンス部の振付もおこなっており、高難度のダンスをハロプロに指導しているダンサーなのだ。
では、このダンサーMASAOがどのくらいすごいのかも紹介しよう。
avexにジャニーズ 人気アーティストから強い信頼を持つダンサー
MASAOは今までに有名アーティストのバックダンサーや振付。ライブツアーの演出等を手掛けている。
特にavex関連では倖田來未・AAA・東方神起、SUPER JUNIORらの他に、avexと関わりが深いライジングプロダクションに所属するw-inds.など
ジャニーズではSMAP・V6・NEWS・山下智久。
などのアーティストと関わりがあり、数々のダンス&ヴォーカルグループのダンス部分をサポートしていきたダンサーなのだ。
現在は振付やツアー演出の仕事を多く担当しているが、バックダンサーの経験も豊富で特に注目したいのが、今、解散騒動で話題になっているSMAPのバックダンサーだろう。
MASAOはSMAPの『97′ SMAP LIVE ス』、『98′ SMAP LIVE AMIGO』、『00’SMAP LIVE Smap』の全国ツアーにバックダンサーとして参加しており、このツアーはドーム会場を主体におこなわれた。
この時点でドームダンサーとして活躍していた売れっ子ダンサーだったのだ。
特にこの時期のSMAPは『夜空ノムコウ』や『らいおんハート』などの名曲をリリースしていて、人気絶好の時期。バックダンサーにジャニーズJr.を使わずプロのストリートダンサーを起用しはじめ、本格的にSMAPが国民的アイドルに上り詰めるすごい時期を一緒に過ごしたダンサーだったのだ。
出典:Youtube
アーティストだけでなく、ファンからも信頼される実力
MASAOは担当したアーティストから信頼が熱いダンサーだ。それは、彼がアーティストの個性を生かした振付や演出をするからだろう。
もちろん、テーマなどは楽曲やアーティスト側から提示されることはあると思うが、そこを踏まえてアーティストの個性をいかに引き出すかということに長けているダンサーといえる。
ハロプロでいえば、℃-uteのツアー演出について自身のブログで
今回のツアーは大人の女性の魅力たっぷりでいて、いつもの元気な女の子も魅せる°C-uteのツアー
になったのではないかと思います^^
と思いをつづっている。
おそらく大人の女性というのは、℃-uteが今後目指す方向性だ。そのあとの元気な女の子も魅せるというのは℃-uteの本来の良さを生かすための考えだったのでないだろうか。
℃-uteのように幼いころから活動しているアイドルは、急に大人路線になったりするとファンも戸惑ってしまう傾向がある。そういう背景を組んだ上で演出をしているならば、実力だけでなくプロデュース力も長けているダンサーだといえるだろう。
また、ファンからもSNSを通して信頼を持たれている。
普通、アイドルの振付を男性ダンサーが担当したらファンは嫌がったりするものだが、彼がSNSでハロプロの宣伝をすると軒並み感謝の言葉や共感などファンの声であふれるのだ。
それは、彼が世に出した作品への想いがちゃんとファンに届いているからだろう。
MASAOはなぜ倖田來未 w-inds. ℃-ute 有名ダンスボーカルグループから信頼を得るのか?
MASAOが有名アーティストから振付や演出を依頼されるのは、やはりバックダンサーとニューヨークでダンス修行をした際に積み上げた、ダンススキルとセンスによるものが大きいのではないだろうか。それに加え、アーティストを生かした振付とツアーの演出が出来るとなれば、そりゃお声がかかるというもの。
そして、振付師としてだけでなくダンサーとして実力があるからこそ、アーティストのダンススキル指導も深くできるという側面もあるのではないだろうか。
℃-uteが所属する事務所アップフロントは、過去に後藤真希のPVやツアーに一流バックダンサー達をつけていた時期がある。その中には現在、EXILE・三代目J Soul Brothersで活躍するNAOTOもいたぐらいの本気度。
パフォーマンスで勝負すると決めたら本物のすごいダンサーに依頼をかける事務所なので、今回彼が℃-uteの振付やツアー演出に関わるのも℃-uteのさらなるレベルアップのために必要なキャスティングだったといえるだろう。
℃-uteのパフォーマンスが今なお、進化し続ける理由の1つにこういうダンサーの背景も存在する。
℃-uteは解散までの間、秋にシングルリリース、秋ツアーの開催を予定。2017年にはラストステージであるさいたまスーパーアリーナに向けて、最高の舞台とパフォーマンスをファンに見せてくれるだろう。
ハロプロのパフォーマンスといえば℃-ute!
バックストーリーも今のアイドルにとって需要な要素。その裏で支える振付師の存在も知っていると℃-uteの凄さがより分かるのではないだろうか。
℃-uteのラストスパートに期待したい。
執筆:NOZATATSU(https://twitter.com/nozatatsu)
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