Brian Enoが1月1日にリリースしたアンビエントシリーズ最新作『Reflection』の音源が、春の到来に合わせ、Apple MusicとSpotify上でアップデート。アプリ版を購入したユーザーも無料アップデートが可能となっています。
アンビエントミュージックの巨匠がつくる極上の59分間
Brian Eno
Brian Enoといえば、言わずと知れたアンビエントミュージック(環境音楽)の先駆者として知られる存在です。そんな彼の新作『Reflection』は、アプリとアルバム両方でのリリースという、これまでになかなかなかった形態で発売されました。
作品は、約59分間(アップデート前は54分間)にもおよぶ長尺のタイトルトラック1曲から構成されており、「Reflection(反射、内省、熟考)」という単語が名づけられていることからもわかるように、内省や思慮をするのにあたって最適な1枚となっています。聴いているとなんだか研ぎ澄まされていくような感じを覚え、59分の時間が過ぎ去ると、ついもう一度聴きたくなってしまう。そんな音楽の魔法がかけられたようなアルバムです。
Pitchforkからは作品に対して「地球というよりは月から生まれた音かのように、時間が緩やかに経過する」とコメントが出されていましたが、本当に聴いていると時間がゆっくり経過するんです。不思議な音楽だと思います。
二度同じものは流れない、ジェネラティヴミュージック(生成音楽)からなるアプリ版
アプリ版は、開くとカラフルなグリッド状のグラフィックが表示され楽曲を聴くことができますが、このアプリが面白いのは、二度同じ楽曲は流れないという点です。アプリを開くごとに少し違った、パラレルワールドのような『Reflection』の世界を体感できます。まさに、Enoが以前から言っていたジェネラティヴミュージック(生成音楽)が見事に体現された作品です。
■Brian Eno アプリ『Reflection』:
https://itunes.apple.com/jp/app/brian-eno-reflection/id1180524479?mt=8
また、今回のアップデートにあわせ、新たなエディットバージョンがYouTubeで公開中。アルバムをリリースすると、発売後音源は入れ替えないのが主流でしたが、Spotify、Apple Musicなどのストリーミングサービスが普及し、公開した音源にアップデートを加えていくことも可能な環境が整ってきました。Enoが『Reflection』で提示した「変わり続ける音楽」という概念は非常に興味深いものです。
Brian Eno『Reflection (Excerpt)』(Official Visual)
作業用BGMにも最適な1枚
また、さきほど思慮に最適なアルバムという話もしましたが、実はこの作品、作業用BGMにも最適なんです。約1時間という適度な長さで、しかもアプリ版は毎回変化するから飽きがこない。めちゃくちゃ集中できるので筆者もよく利用しています。
音楽作品としてももちろん素晴らしく、かつ「機能的」な面も持つ、非常にユニークな1枚です。アップデートのこの機会にぜひ彼の作品に触れてみてはいかがでしょうか。
■Brian Eno『Reflection』
発売日:2017年1月1日
価格:¥2,400+tax
品番:BRC-538
初回生産特殊パッケージ
商品情報:
http://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Brian-Eno/BRC-538
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