5.ぼくのりりっくのぼうよみ「after that」(Official Video)
2016年12月、2017年1月は、ミュージックビデオ「after that」の公開と、この楽曲が収録された2ndアルバム「Noah’s Ark」の発売、そして同名のオウンドメディア「Noah’s Ark」が公開され、ぼくりりが大きく動いた時期だった。特にオウンドメディア「Noah’s Ark」の公開は大きなインパクトを音楽界に与えたはずだ(アーティスト自身がメディアをはじめるということが衝撃だった)。現在までにメディアアーティストの落合陽一、AV女優の紗倉まな、作家の乙武洋匡との対話などが公開されており、ぼくりりの好奇心の対象の幅広さを窺い知ることもできる。
6.ぼくのりりっくのぼうよみ「Be Noble」(Official Video)
「三月のライオン」とのタイアップとなった「Be Noble」は、前述の「CITI」を手がけたササノマリイが再びトラックメイクを手がけている。ササノマリイはねこぼーろ名義でも活動しているが、「Be Noble」はその代表曲のひとつでもある「共感覚おばけ」を思い起こさせる強烈なドラムンベース楽曲となっており、ぼくりりの楽曲の幅広さがまたひとつ広がった印象だ。ドラムンベースという普段ポップスの世界では耳にしないどちらかというとアンダーグラウンドなジャンルの楽曲が、普通に映画の主題歌として受け入れられていく状況にもとても驚かされた。
ねこぼーろ「共感覚おばけ feat.初音ミク」(Official Video)
7.ぼくのりりっくのぼうよみ「SKY’s the limit」(Official Video)
そして現時点でもっとも新しいミュージックビデオがこの「SKY’s the limit」。資生堂「アネッサ」CMソングにも起用された、夏にぴったりのパーティーチューンだ。ぼくりりはこの映像の中で女装姿を披露したり、相変わらず「何でもあり」の姿勢を貫いている。毎作品ごとに自由に変わり続け僕らを楽しませてくれるその姿は、見ていてとても心地よいし、見習うべきところがたくさんだ。これからもどんどん変わり続けて僕らを楽しませていって欲しい。
ここまで振り返ってみて、彼がまだ「途上」であることがよくわかるはずだ。「sub/objective」、「CITI」、「Sunrise(re-build)」の3部作から始まり、言葉に重きを置いた「Newspeak」、そしてオウンドメディアのスタート。「Be Noble」で聴かせた新しさ、「SKY’s the limit」のはっちゃけ感。先日新木場スタジオコーストでのワンマンライブを成功させたばかりだが、彼の物語はまだ始まったばかりだ。50m走でいうと、スタートをきってスピードを加速させていく序盤の段階にあるだろう。2017年はさらにあの手この手で僕らを驚かせてくれるはずだ。
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