ボーカルは台湾出身! その他メンバーの詳細が一切不明!?
エキゾチック・ポップをコンセプトに活躍するバンド「杏窪彌」。2011年に結成され、今では独特な雰囲気で各業界から注目を集めている。過去には「でんぱ組.inc」と「バンドじゃないもん」のツーマンライブにオープニングアクトとして出演したりと、ブレイクの兆しが見え隠れもする。今回は、そんな杏窪彌のこと、そして謎に包まれたボーカルについてご紹介しようと思う。
台湾出身、東京育ちのバンド――そもそもどうして日本に?
“杏窪彌とはMIN(Vo)、玲生(Gt)、翔(Ba)、 幹(Dr)の4人で活動しているバンドのことだ。不思議な世界観がこだわりで、ひたすら繰り返す歌詞が特徴的である。一度ハマると、なかなか抜け出せない。そんな杏窪彌だが、メンバーが謎過ぎるということで話題にもなっている。ボーカルのMinは「台湾出身である」ということは分かっているのだが、その他詳細を一切公開していない。また他のメンバーも同様に、詳しいプロフィールは無い。ドラムにいたっては「肉まんどらまー」と書かれているだけ。「肉まんどらまー」って何のことだろうか。ただそういった””謎””が、むしろ楽曲に良い影響を与えているのかもしれない。分からないからこそ、脳内で勝手に補う。そんな人間の習性を利用した、不思議なバンドだ。その結果なのか、日本だけでなく、タイや他のアジアにもファンがいる。まさにこれが杏窪彌の醍醐味なのかもしれない。
とあるインタビューでMinはこんなことを言った。「日本は混じり合うのが上手い国。そこでつくったらどんな味になるのか」つまり日本で活動を始めた理由は、「日本という国は色々なものを混ぜられる。だから、音楽も混ぜてみたい」という興味本位だったのだ。そこから生み出される曲は実に興味深い。杏窪彌の1つのテーマとして「懐かしい未来」というのがある。これは一見矛盾したように見えるが、まさに””日本で混ぜた””結果に出来た新ジャンル。「お尻をフリフリ」といった懐かしのフレーズを言いつつも、「ジャイアントパンダに乗ってみたい」と非現実的な事を言う。「もしかしたら将来は乗れるかもしれない」という未来的観測が含まれている。これが「懐かしい未来」だ。こういった不思議なジャンルを生み出す事が出来たのは、まさに日本だったからなのではないだろうか。これからも、新たなジャンルで日本の音楽界を騒がせてほしいと心から願う。
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