今季も話題のドラマが目白押し!注目すべき主題歌&挿入歌を総まとめ!
ドラマと音楽の関係は親密だ。全盛期の1990年代には、ドラマ主題歌から誰もが知っているヒット曲がたくさん生まれた。『東京ラブストーリー』のオープニング曲である小田和正「ラブストーリーは突然に」、『101回目のプロポーズ』のCHAGE & ASKA「SAY YES」、『ロングバケーション』の久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」……ドラマを語るなら、主題歌も必ず話題に上るような作品は数え切れない。
当時に比べれば最近は少なくなってきたけれど、2016年には『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌、星野源の「恋」が社会現象と呼べるブームを巻き起こした。そもそも誰もが歌える国民的なヒットがなかなか生まれなくなってきた昨今、そんな曲の一つがドラマ主題歌から生まれたことは、そのパワーがまだまだ失われていないことを示しているのではないだろうか。
さて、そんな中で現在放送されているドラマを見てみると、大御所から気鋭の新人までが主題歌、挿入歌を担当し、作品を盛り上げている。アーティスト自らが脚本を読み、書き下ろされた楽曲も多い。2018年秋、テレビドラマと音楽はどんな相乗効果を起こしているのだろう? 今期がはじまって一ヶ月、注目作をチェックしてみよう。
B’zやセカオワなどビッグアーティストが目白押し
【公式】フジテレビ月9ドラマ SUITS/スーツ 30秒予告
まずはドラマの王様枠、月9。今期は織田裕二が主演を務める「SUITS/スーツ」が放送されている。全米でヒット中のドラマの日本版となるこの作品では、B’zの書き下ろし新曲「WOLF」が主題歌。これぞB’zという勢いある楽曲が、ドラマの世界観を彩っている。
高視聴率を記録しているのは米倉涼子主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』。米倉主演の人気作『ドクターX~外科医・大門未知子』を彷彿とさせるタイトルだが、こちらも新たな代表作になりそうだ。『ドクターX』シリーズではSuperflyが一貫して主題歌を担当していたが、本作にはSEKAI NO OWARI が楽曲提供。セカオワらしい温かみのある主題歌「イルミネーション」は、パワフルな展開のドラマを優しく包み込む。
平井 堅 『half of me』MUSIC VIDEO(Short Ver.)
中島美嘉 『彩恋~SAI_REN~』リリックビデオ
人生の折り返しにさしかかった大人たちが繰り広げるドラマ「黄昏流星群」。物語を彩るのは平井堅「half of me」だ。甘い歌声が哀愁のあるストーリーを際立たせる。中島美嘉もドラマの挿入歌として「彩恋~SAI_REN~」を提供。中山美穂が演じる真璃子の揺れる恋心を歌い上げ、劇中でも印象的に使われている。
[新ドラマ] 『大恋愛〜僕を忘れる君と』1分スペシャル予告動画【TBS】
戸田恵梨香とムロツヨシというこれまでにないキャストで、回を重ねるごとに反響を呼んでいるのが『大恋愛 ~僕を忘れる君と』。主題歌はback numberの 「オールドファッション」。back numberといえば、2015年に『5→9〜私に恋したお坊さん〜』の主題歌となった「クリスマスソング」がバンド史上最大のヒット曲となった。ドラマと一緒に、今作もヒットとなるか注目が集まるところだ。
気鋭の新人たちもドラマ主題歌を書き下ろし
ベテラン勢だけでなく、今期は新人アーティストが続々と起用されているのも特長だ。たとえば、中学生と教師の恋という難しい題材を扱った『中学聖日記』は、2016年にデビューした女性シンガーUruの「プロローグ」が主題歌。
火曜ドラマ『中学聖日記』スピンオフムービー【TBS】
これまでにもドラマや映画、アニメの主題歌を多く歌ってきた彼女だが、『中学聖日記』でもドラマのここぞという場面で流れ、有村架純演じる主人公の気持ちに寄り添う印象的な使われ方をしている。
テレビ東京 ドラマ24「忘却のサチコ」
深夜ドラマも負けてはいない。高畑充希主演「忘却のサチコ」の主題歌は、昨年10月にメジャーデビューを果たしたばかりのedda「ループ」。今年はじめに放送された同ドラマのスペシャルドラマ版から続けての起用で、儚くも凛々しい歌声でドラマに花を添える。
edda 「ループ」Music Video(short ver.)
さらに、オープニング曲はスカートの「忘却のサチコ」。「昔のアニメのテーマソングのような感じ」というオーダーを受けて作られたドラマと同タイトルの楽曲だ。スカートは2017年からテレビドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』のエンディングテーマ、映画『PARKS』劇中歌などを担当し、10月31日発売のシングル「遠い春」は映画『高崎グラフィティ。』の主題歌となった(「忘却のサチコ」もこのシングルに収録)。ドラマ、映画などの物語との相性の良さは、ここでも存分に発揮されている。
ガッキーと「逃げ恥」脚本家が再タッグ!「けもなれ」から目が離せない
注目のドラマ、主題歌・劇中歌は数あれど、ミーティアが注目しているのが水曜22時から放送されている『獣になれない私たち』、通称「けもなれ」。「逃げ恥」の脚本家、野木亜紀子と新垣結衣が再タッグということで、発表当初から注目を集めていたドラマだ。
「逃げ恥」の新垣結衣、『おっさんずラブ』の田中圭、『カルテット』の松田龍平と、近年のヒットドラマの役者がそろい踏みし、さらに菊地凛子や黒木華らも脇を固める画面の華やかさもさることながら、やはり光るのは脚本の巧みさ。優しさが裏目に出たり、誠実さを利用されたり……散々人に振り回されても、何も投げ出すことができない主人公・深海晶(新垣結衣)の性格が、エピソードの積み重ねで描かれている。『逃げるは恥だが役に立つ』なんてドラマをやっていたのに、ガッキーは今作ではどこまでも「逃げられない」役なのだ。
今のところ晶はどんどん追いつめられていく一方で、正直見ていてこちらのメンタルまでやられそうになることもあるのだけど……。しかし、晶の置かれた状況や気持ちが少しでもわかる人は、テレビの前で手のひらをぎゅっと握りながら見てしまうのではないだろうか。まるで、自分自身を応援するような気持ちで。
完璧なタイミングで流れるビッケブランカの挿入歌「まっしろ」
そんなドラマを支えているのが、主題歌と挿入歌の存在だ。主題歌に起用されたのは、あいみょんの「今夜このまま」。劇中歌はビッケブランカの「まっしろ」となっている。この二人のアーティストはこれまでミーティアにもたびたび登場してくれたことも、このドラマに注目する理由の一つだ。
ビッケブランカはエルトン・ジョンやミーカのような普遍的で高揚感のあるポップスを奏でるシンガーソングライター。2016年にミニアルバム『Slave of Love』でデビューし、メロディアスな楽曲とハイトーンボイスで聴く人の耳を掴んできた。個性的かつハイテンションなライブパフォーマンスでも注目を集めており、今後の大きな活躍が期待されるアーティストの一人だ。
そんなビッケブランカが「けもなれ」のために書き下ろしたのは「まっしろ」。これまでのビッケブランカはコミカルで明るい楽曲が多かったが、本作では純粋なバラードを披露している。
この曲、とにかくドラマの中で流れるタイミングが絶妙なのだ。特に2話では、晶とその彼氏・京谷(田中圭)が惹かれあい、お互いが恋に落ちていることを隠せなくなる、ここぞというシーンで「まっしろ」が使われていた。二人の気持ちがもっとも高まるハイライトの場面を彩った楽曲に、耳を奪われた人も多いだろう。
近年の野木亜紀子脚本のドラマは、「逃げ恥」の他に2018年の1月から石原さとみ主演で放送された『アンナチュラル』がある。このドラマでも、米津玄師の主題歌「Lemon」が毎回ずるいぐらいのタイミングで使われており、ドラマと主題歌の相乗効果を生んでいた。これに続き、ビッケブランカの「まっしろ」も視聴者の記憶に残る挿入歌になりそうだ。
ドラマ音楽も高い評価を獲得するのが野木亜紀子脚本ドラマの特徴
エンディングに流れるあいみょんの「今夜このまま」は、やりきれないドラマの展開を受け止める。
ドラマには晶たち登場人物行きつけのクラフトビールバー5tapが毎回登場するのだが、「今夜このまま」の歌いだしも「苦いようで甘いようなこの泡に」と、ビールを連想させるもの。つらいことがあってもそれを吐き出せず、アルコールと一緒に飲み込んでしまう晶の気持ちに寄り添うような内容で、晶に共感する人は「今夜このまま」も自分のテーマソングのように聴くことができそうだ。
あいみょん – 今夜このまま【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
『逃げるは恥だが役に立つ』の星野源「恋」、『アンナチュラル』の米津玄師「Lemon」と、近年のドラマ主題歌の中では頭一つ抜きん出た評価を獲得しているのが、野木亜紀子脚本ドラマの特徴でもある。あいみょんの「今夜このまま」も、ビッケブランカ「まっしろ」も、ドラマとともに回を重ねるにつれてどんどん話題性が増していくはずだ。まだまだドラマも前半戦。乗り遅れる前に、ぜひチェックしてみよう。
SUITS/スーツ
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
黄昏流星群
大恋愛〜僕を忘れる君と
忘却のサチコ
獣になれない私たち
SHARE
Written by