やっぱりイケてる音楽
そして『トレインスポッティング』といえばやっぱり音楽!
前作のサントラはイギー・ポップ『Lust For Life』、ルー・リード『Perfect Day』、ブライアン・イーノ『Deep Blue Day』、アンダーワールド『Born Slippy』などの超名曲揃いだったわけですが、今回もやっぱりイケてました。
アンダーワールドのリック・スミスが音楽を担当し、『Lust For Life』はデジタル・ロックの雄といわれるプロディジーによるリミックスバージョン。リック・スミスがリミックスしたルー・リードの『Perfect Day』も美しいです。
ほかにも、クイーン、ランDMC、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの名曲なども笑えるほど印象的に使われていました。
(レントンvsベグビー。全然リラックスできないフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの『Relax』)
それから、今作で最もチェックすべき音楽といえば、スコットランドの新鋭、ヤング・ファーザーズ。
英国でもっとも優れたアルバムに送られるマーキュリー賞を2014年に受賞したオルタナティブ・ヒップホップ(?)トリオで、ロックやヒップホップ、エレクトロ、アフロビートにR&Bなど、多ジャンルを取り込んだクセのあるポップグループです。
本国でも「カテゴライズ不能」「説明が難しい」と言われるなど、彼らを形容する言葉はまだ見つかっていないようです。
(ヤング・ファーザーズ『Get Up』。マーキュリー賞受賞式でのパフォーマンス)
本作には『No Way』、『Low』、『Get Up』、『Only God Knows』『Rain or Shine』、『Dare Me』と、今回最多の6曲を提供。
監督のダニー・ボイルはヤング・ファーザーズに関して、「彼らの音楽こそが、今回の映画を支える現代の鼓動で、僕たちはそれによってノスタルジーに浸らずにすんだ」とコメントしています。
『Only God Knows』は、前作の『Born Slippy』のような役割を果たしていますね。
日本の『Trainspotting』なイケてる音楽
最後に、映画とは直接関係ないけど、タイトルの繋がりでオススメしたいアーティストをご紹介。
それがLick-G。
神奈川県逗子在中、17歳のラッパー。イギリス人の母親と日本人の父親の間に生まれる。
英語と日本語をナチュラルに混ぜた言語感覚やUSラップに影響を受けたフローなどが特徴。数々のMCバトルに出場し、『BSスカパー! BAZOOKA!!!高校生ラップ選手権』第9回大会準優勝、『超ライブ×戦極U-22 MC BATTLE 東日本大会』優勝。SKY-HIのニューシングル『Silly Game』カップリングの『Walking on Water Remix』に起用されるなど、今注目の若手です。
そんなLick-Gが今年2月にリリースした1stミニアルバムが『Trainspotting』。
本作のタイトルは「レールから外れてもいい」というメッセージと、映画『トレインスポッティング』へのオマージュというダブルミーニング。作中のところどころで「choose life」という言葉が挟まれたりもしていて結構ニクいです。
ケンドリック・ラマーやミーゴスなどの影響を受けていて、世界的にトレンドになっているトラップのリズムに日本語を乗せるのが日本で一番うまいラッパーかもしれません。
映画『トレインスポッティング』が世界のカルチャーを更新したように、Lick-Gの音楽もまた、何かを更新する予感がします。今後要注目!
というわけで、『T2(トレインスポッティング)』、まだ見てない人はぜひ劇場へ。
ところどころ回想が挟まれるので、前作を見てなくても楽しめます。でも、前作見てから行った方が、120倍楽しめます!!
もう見た人は、あと一回くらい行っとく?
(『T2(トレインスポッティング)』特別映像)
Text_Sotaro Yamada
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